相談室(ブログ)

ひきこもりの息子にカウンセリングを受けさせたいのですが、どのように話せばいいかわかりません。

2019.04.29

メール相談後、母親が来所。息子さんの様子を聞取り後、息子さんの来所の方法について助言する。

まず、今日の話をありのまま伝えてみてください。真心は必ず伝わります。当室のホームページをみてもらうとよいと思います。支援者がどんな人物か、わかってもらえると思います。また、「失敗はいいものだよ」(室長の著作を贈呈)を、まず母親が読まれ、それを読んでもらうと、よりいっそう支援者の人となりがわかるでしょう。

ご両親がどっしりと構えられ、息子さんの善性(よくなっていこうという心)を信じ抜き、粘り強くかかわっていくことが大事だと思います。腫物にさわるような関わりは、かえって事態を悪化させかねません。

息子さんを一個の人間として尊重し、対等にかかわることです。誠実な対話をこころがけてください。対話はお互い一個の人格として尊重する姿勢から生まれます。説得ではなく、相互尊重の対話であり、本人の納得を得ることが大事です。一度アプローチしてだめでも、あきらめたり、臆したりせず、何度でもアプローチすることです。人の心は変わります。まして不安定な中にいる息子さんの心は折に触れ、ころころ変わっていくでしょう。こちらが変らず、息子さんの善性を信じ抜いてかかわっていけば、必ずよい方向に向かいます。

息子さんの暴言や暴力行為の裏にある心理についての見解です。
自分の苦しいという気持ちのやむにやまれぬ表現であり、
そのような行動でしか自分の気持ちを表出できない状態にあると思われます。自分の苦しさを受け入れることができない状態です。
今、息子さんは、自己に対しての信頼を失っているようです。

息子さんにとって、今は安心でき、信頼できる居場所が必要です。母親が安全基地(絶対的信頼の存在)の役割を果たすことが求められます。一個の人間存在に対する無条件の肯定であり、無条件の愛情です。人は条件付けをしがちであり、評価しがちですから…。この無条件の肯定の姿勢は、父親にも必要なものです。息子さんに対する「改善への可能性」を信じて粘り強く関わり続けることが大事です。どうか、ご夫婦で息子さん理解を共有され、対応されるようお願いします。息子さんは、必ず改善し、本来の自分に戻る日が来ます。

後日、本人自ら予約し来所しました。約2年半の引きこもりで、精神状態はかなり悪い状態でした。
仕事での失敗、人間関係の問題、家族問題、トラウマ、大人の発達障害の可能性などもあり、
性格検査、簡易抑うつ検査、ストレス検査、知能適性検査(WAIS)、アペルガー検査などを織り交ぜ、本人の心理状態をアセスメント(査定)しました。

トラウマカウンセリング、認知行動療法を中心に週一回、合計20回程度の心理カウンセリングで、6か月後に就職(社会復帰)しました。

29歳の息子が1年近く引きこもっています、どうしたらいいのでしょうか?

2019.04.28

無料メール相談

質問文「長男は大学を卒業して、就職をしましたが、長く続かず、これまで3度転職しています。職場で人間関係がうまくいかなかったなどと言っています。発達障害があるかもしれません。最後の職場をやめて1年が経過しようとしています。最近は部屋に引きこもり外に出ようとせず、昼夜逆転の生活になっています。本人を説得し精神科に一度連れていきましたが、睡眠薬を処方されただけで、これといった診断名もなく、改善の方途もしめされなかったのか、二度と行かないといっています。最近、私や夫に対して暴言を吐いたりや暴力を振るったりすることもあり、この先不安です。「死にたい」とときどき口にします。先生にカウンセリングをしていただきたいのですが、本人を説得させる自信がありません。どうすればよいのでしょうか?」(50代女性)

回答。

質問文、拝見いたしました。ご両親の辛い日々お察しいたします。無職になっての1年近くのひきこもりということですから、息子さんも精神的に大きなストレスがたまったままの毎日だと思われます。そばにおられるご両親も辛い思いをされていると思われますが、自分で自分が思うようにならない息子さんが一番辛い思いをされているのではないかと推測します。

精神科は薬物療法という対症療法が一般的です。服薬だけで、改善策もないのであれば、息子さんが診察拒否をされるのも理解できます。多くのひきこもり者には診断名がありません。診断名をつけるのが難しいようです。発達障害の可能性については、生育歴や心理検査をすればかなりはっきりします。当室でも可能です。息子さんは治療者に対して不信感を持たれているようですので、そのような感じを与える支援者には心を開かないと思われます。治療者と患者という上下関係を感じれば、なおさらのことでしょう。

当室のカウンセリングは人間対人間の対等な関わり合いを基本にしています。そこに上下関係はありません。一緒に解決という方向を目指す友として社会復帰を目指していきます。

今日まで、ひきこもりの相談(10代から50代)を20名近く受けてきましたが、決まった方法はなく、一人ひとりに応じた関わりをしてきました。もちろん社会復帰できたケースもありますが、すべて順調に進んでいるわけではありません。

初回から息子さんが来所してくれれば、解決は早いと思いますが、これまでの経験ですぐに、来所に至るケースは少ないです。まず、最初は親御さんとの面接から始まり、息子さんの背景や様子や症状の聞取りや息子さんへの関わりの助言などをします。カウンセラーと親御さんが協働して、息子さんのひきこもりに対応していきます。今までの経験では2,3回目ぐらいから、お子さんが来所してくれています。

家庭訪問面接という方法もありますし、本人と手紙やメールのやりとりという方法をとったケースもあります。いずれにしても、まず親御さんとの面接から始まると思いますので、一度来所されてみてはどうでしょうか。

 

 

 

 

 

 

学校へ行けません…回答

2019.04.18

質問「登校日の前日の夕方の頃から胸の痛みがあり、登校日の朝になると頭の中では起きようとするのですが身体が思うように動かずさぼってしまうことが多いです。学校に行かないといけないことは自分自身が一番よくわかっているのはずなのに、なかなか起き上がることができません。…このまま生きることに不安があるのです。どうしたらいいかわかりません」(高校2年・無料メール相談)

はじめまして。臨床心理シランの室です。

あなたの悩み…登校しなければいけないと思っているが、前日の夕方から身体が拒絶反応を起こしてしまう。緊張から中途覚醒したり、朝なかなか起き上がれなかったりして休むことが多い。

いじめ、人間関係、学習の遅れなど目に見える客観的不登校の原因はなく、成績もよく、友達もいるし、見た目は明るく振舞っている。なぜこんな自分になっているかわからない。

自分で自分が分らないし、コントロールできなくなりつつある。このままでは生きることが不安である。

思春期に伴う自我の目覚めと、自我の確立に向かって、今までの自分をいったん壊し、本当の自分を築いていくという自立に伴う痛みの作業に入っているような気がします。

今まで、あなたは親を中心とした環境に合わせて生きてきたのかもしれません。親や周囲の期待に応えるため、自分を抑え、本当の自分を生きてこなかったのかもしれません。

成し遂げなくてはいけない発達の課題の達成が不完全なまま、今日に至っているのかもしれません。この時期をうまく乗り越えていけない原因は、今日までの生き方にありそうです。

今のあなたの身体に現れた登校に対する拒否症状は、乗り越えられていない課題という心の問題の表出であり、心の叫びであるかもしれません。このままでは自分が壊れると言う自己防衛反応の一種のようにみえます。

あなたが意識出来ない部分からの訴えであり、叫びが起こっているようにみえます。本当の自分を作り、本当の自分を生きるための心の再構築が求められているようです。

では、どうすればよいのか。自分がこうなってしまった心のからくりを知ることです。これは一人では難しいと思われます。表層の心理だけではなく、見えない部分の心理まで見る必要がありますし、今日までの生き方(考え方、行動の仕方など)をたどる必要もあるからです。

専門のカウンセリングか相談支援を受け、自分を知ることをお勧めます。自分がある程度わかれば、今後の生き方も見えてくると思いますし、不安も減少し、楽に生きていけるようになると思います

自分がわからない…今高2で、また学校に行けません…回答

2019.04.18

 

質問「中学1年の秋から不登校になりました。今、高2で、また学校へ行けません。勉強が嫌いでもなく、成績もよいです。友達とも仲がよく、みんな優しくて面白いです… ですが学校に行けません」(女性)…無料メール相談

はじめまして。臨床心理シランの室です。

高校2年生、悩み多き青春真っ只中です。あなたの悩みも深刻ですね。

あなたの悩み…登校するのも苦痛、登校していないのも不安。どちらも、不安であり不快感情を伴う。自分が自分に判断を迫ると緊張・興奮から過呼吸まで起こしてしまう。このような自分がわからないし嫌。出口の見えない迷いのトンネルの中に入っているような感じ。

不登校は、今の嫌な気持ちから一時的に回避することができますが、こうした回避行動は、ますます登校を困難にし、あなたの人生の可能性を狭くしています。なぜなら狭い視野と感情(主観・自己中心)にとらわれ、行動が矮小化されているからです。人間は目標をもち行動することで、自らの力を初めて知ることができます。行動しないと何も生まれません。今、悩みを投稿したことも一つの行動です。うまくいけば回答の中から何かが生まれる可能性があるように。

私の昔の失敗体験です。高2になり、学校がつまらなくなり、電車通学が苦痛になり、午前中は寝てしまい、欠席が続きました。どうしていいかわからなくなり、自暴自棄的になり、遊びでごまかし、結果的に2年生の欠席は70日。高校中退に追い込まれました。

仲のいい友達もいたし、成績もよかったし、いじめもなく、嫌な先生もいなかった…、それなのに学校に行くのが嫌でした。自分で自分がわからず、どんどん落ちていきました。

なぜ学校から足が遠のいたのか…自分の行きたい学校ではなかったということと、目標を喪失していたこと。怠けが許される家庭環境であったこと(父子家庭で父は子どもを放任していた)などが原因だということが、後年の自己分析の結果わかりましたが当時は迷いの海を漂っていました。

行動すれば気持ちが変っていきます。人間は自分を映す対象がないと自分がわかりません。その対象は、行動です。行動して自分を観察すれば自分が見えてきます。もう一つは人と対話をすることです。対話によって自分の姿が客観視できるからです。自分がわからないのは主観にとらわれすぎているからです。自分を客観視すれば自分が見えてきます。

行動して自分を観察する(日記に書くなど)、あるいは人生の先輩などに相談する(スクールカウンセラーや専門のカウンセリングを受けるのもよいと思います。)

今は自分を見つめ直し、自分探しの時のようです。悩みは産みの苦しみを伴います。人生の先輩に学び(書物を読む)、アドバイスをもらったり(相談する)しながら、新しい自分に生まれ変わる時かもしれません。

 

心の病になったとき…心療内科、それともカウンセリング

2019.04.13

当室には、かつて心療内科(精神科)を受診されていた方がよく来談されます。

「心療内科では薬治療のみで改善しなかった」「薬に頼らずカウンセリングで根本的に治したい」

「治療者が話を聞いてくれず一方的に治療をすすめる」「治療者が上から目線で嫌だった」など…。

薬治療に対する拒否や治療者に対する不信感などがあり、心療内科に見切りをつけてしまったようです。うまくいかない治療は、治療者への不信を強め、結果的には本人の心の病の悪化につながっています。

心の病は、人間関係のストレスが心因になっている場合が多く、初診での治療者との関係性がうまくいかなければ、それがトラウマになることも少なくありません。心の病になったとき、最初にどこへいけばよいのか… 心療内科か、それとも心理療法 (カウンセリング)か…

心療内科(精神科)は、患者の話を聞き、患者の話をもとに診断を下します。(簡易的な問診としての心理検査を実施しすることもある)。診断後は、症状を緩和させるために薬を処方します。初診に充てる時間は、15分間から長くて30分以内です。二回目からは、薬の加減が中心の診察で10分前後と言われています。カウセリングはほとんどしません。患者が多く、時間を割くことができないからのようです。

保険が適用されるため、料金も低めです。初診でも3000円を超えることは少ないでしょう。2回目以降は2000円以下です。それに比べ、カウンセリングは、保険が適用されないため、通常5000円以上になります。

薬物治療は一時的に症状を抑える効果はありますが、本質的な改善は見込めないと言われています。症状緩和に働きかけることと並行して、他の影響(副作用といわれている)があります。依存性がある薬が多いため、薬依存になり、病気が遷延化しがちになります。

自らの自然治癒力が発動するかどうかが根本的治癒のカギになります。自然治癒力の発動を阻害している心理・社会・生物的要因を取り除くことが大事になります。

それを可能にするのが、心理療法(カウンセリング)になると思います。一口に心理療法といっても100種以上はありますので、何を選ぶかが大事です。

精神疾患に応じた効果のある心理療法というものがあります。例えば「うつ」であれば、適切な心理療法は、アメリカ精神心理学会が効果のある療法としてあげている「認知行動療法」「認知療法」になります

それ以上に大事なことは患者(クライエント)のアセスメント(診断・見立て)力です。名医(名心理療法家)とやぶの差は、見立て力の差です。正確な見立てがあって初めて、改善へのプラン(処方)ができるからです。

見立ては、人間を総合的にみなければできません。外科や内科では、レントゲンやMRI、CT、血液検査などをし、正確な分析をし、症状を正確に見立て診断しようとします。

まして分析不能な見えない人間の心を診るわけですから、いくつかの心理検査は最低限、必要なものです。問診だけで、その人の人生経験全体を背負っている心の病を診るのは無理なことでしょう…。

心理療法(カウンセラー)を選ぶ一つの基準は、見立て力(アセスメント力)がどのくらいあるのかです。心理検査の併用は必須でしょう。その意味では、大学院で研修を重ね、実務経験を積んだ臨床心理士資格保持者が安全でしょう。(間違いのないカウンセラー選びを参照にされるとよいでしょう)

心の病がひどく、会社を休職したり、障害手帳を申請したりする場合は、医師の診断書が必要になります。診断も薬の処方もは医師しか認められていない業務独占行為だからです。心理療法家にできるのは、見立て(アセスメント)と心理療法です。休職したりする場合は、まず医師の診察を受けるほうがよいと思います。

根本的に心の病を改善したい場合は、専門的な心理療法(認知行動療法や森田療法など)を受けられるとよいでしょう。

 

気分の浮き沈みが激しいのは鬱?(妻からアスペルガーと言われ)…ベストアンサー

2019.04.09

カウンセリング専門館への回答…2019.3.25…ベストアンサー

臨床心理シランの室です。

奥さんから「アスペルガーかもしれない」と告げられたのは、あなたのどういう行動面を指して言われているのでしょうか。実家との縁を切り、絶縁状態のままになっていたり、奥さんの気持ちとのすれ違いなどがあったり、会話がかみ合わなかったりという部分から言われているのでしょうか…。

光や音などの感覚の鋭敏さ。会話しながら何かをするという同時処理能力の問題。雑談ができない、冗談が通じない。こだわりが強く、自分のルーティンを守る、人の顔が覚えられないなどはアスペルガー(自閉症スペクトラム)によくみられる症状ですが、あなたにあてはまるものがどのくらいありますか…。

発達障害の診断は、本人やご家族から、これまでの発達の過程を聴収することで行われます。とくに小学校に上がる前を含む幼少期、児童期の対人関係がどうであったかが重要になります。本人だけの症状の説明や対人関係上の問題だけの説明だけでは、診断が偏ってしまうからです。家族(親)の本人の発達の経過の説明がなければ診断は困難です。ですから医師も診断に慎重になります。

心療内科の先生が仕事も出来ているという事実から、アスペルガーではないと判断されたのは一理あると思います。アスペルガーであれば、仕事が続かず転職を余儀なくされる人が多いからです。人生で、かなりの生き辛さを感じる人が多いという事実があります。

障害の診断は、生きる上で有効な支援を示す指標という点で大きな意味があります。自分の失敗や生きづらさの原因がわかる…自分の特徴がわかるという利点です。また、疾病利得もあります。法的に保護される部分もあるからです。それはあくまでも社会の中で生きる障害の生きづらさを保護するためのものです。

アスペルガーであれば、双方向のコミュニケーションがうまくいかず、対人関係で行き詰まり、職場の人間関係で長く勤まらないという問題がよく起こります。限られた職場でしか適応ができなくなりがちです。障害手帳を取得して、「障害枠」の中での就職になりますが、それもなかなか難しいようです。同僚や上司の理解がない職場が圧倒的ですから。夫婦ですら、理解してくれないのが現状かもしれません。

奥さんがアスペルガーに対して正しい理解をするためにも、奥さん自ら一度心理カウンセリング(アスペルガーに対する正しい理解のための心理教育)受けられるとよいと思います。そうすれば、夫婦とも納得できるでしょう。大人の発達障害に対応しているクリニックに行かれたらよいと思います。(大人の発達障害の診断をできるところは少ないようです。)

アスペルガーという言い方の中に、夫婦の問題、あなたの本当の問題が潜んでいるように思われてなりません。そこを明らかにすることがより重要だと思われますが…。

奥さんは「アスペルガー」という言葉を使って、あなたにモラルハラスメントをしているような気がします。その主観的決めつけはあなたを傷つけ、限りなく抑うつ気分をもたらしているかもしれません。奥さんのそうした「主観的決めつけ」の背景には、あなたの奥さんに対する問題の言動があるのではないでしょうか…。

アスペルガーかどうかという不安、奥さんからも言われたり、責められたり、それらが頭の中を占め、それだけで気分が上下しているようですので、ご夫婦でよく話し合われるべきかと思います。夫婦で他の心療内科に行かれるのもよいと思います。

また心にひっかかり罪悪も感じている実家との絶縁状態…人倫という視点から見るとき、どうなのでしょうか…修復されれば、気持ちもすっきりでき、気分の浮き沈みも緩和されるような気がしますが…。

いずれにしても「アスペルガー」云々よりも、夫婦関係の問題のような気がします。

発達障害のグレーゾーンと医師から言われた。上司に話したほうがよいのだろうか…回答

2019.04.08

はじめまして。臨床心理シランの室です。

入社したばかりで、緊張も解けない中での店舗への配属、不安でいっぱいですね。

文面から思うに、あなたは自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンと言われたのでしょうか…。

結論から言います。上司(店長)には、あなたのグレーゾーンの行動特徴を記録などして、理解を得ることをお勧めします。あなたが配属先でうまく適応していくためにはそうしたほうがよいと私は思います。

あなたには、双方向のコミュニケーションという課題、こだわりの強さ、時、場、目的などを読み取った会話などに課題がありそうな気がします…。

手順を明確にした、具体的な見える化した指示があれば、仕事上でも失敗なくこなせるでしょう。曖昧な指示の隠れた部分の読み取りが苦手なようなので、失敗に繋がるおそれが十分にあります。

小売店という人との会話が重視されそうな職種では、時や場、雰囲気などを読みとっての会話などが重視されるでしょう。雰囲気から心を読み取る察しの能力…ASDは苦手なようです。また冗談やたとえなどが、理解出来なかったり、雑談が苦手だったりします。

発達障害(グレーゾーン)を含め、精神疾患は、見えないだけに、なかなか理解されません。また、社会は均質されノーマルを求め、異質や差異を理解しない傾向があります。

本来、桜は桜の良さがあり、梅は梅、バラはバラ、タンポポはタンポポのよさがあり、それぞれの特性で生きています。

しかし便利さやスピードや快適さなどの利便性を重視した利益至上主義の社会では、失敗を許容する幅が少なくなっています。均質化された集団の中で、特徴的な行動をする人は異質として排除されがちです。

発達障害の診断は専門家でも難しいと言われています。著名な専門家に言わせれば、発達障害は発達のアンバランスの問題だと言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。

よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ビル・ゲイツ(アスペルガー)、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。

あなたのグレーゾーンがどんな傾向なのか。まず自分の特徴を理解しなければ、能力傾向も職業適性もわからないので、失敗を繰り返すことになります。そのためには、発達障害の専門家に相談し、自分の特徴を見立ててもらうことです。WAIS検査はされたのでしょうか? この検査をすれば能力や特性が見えてきますので、お勧めです。

特徴や特性を知った上で、社会で適応できる対人スキルなどを訓練で身につけることです。次に環境調整…ここでは店長に特性を理解してもらうことで、仕事に適応しやすくなります。苦手なこと、そしてできることを伝えるとよいでしょう。苦手なことに対して、甘えたり逃げたりするという事ではなく、失敗しないで仕事をするためと伝えることです。

今後の為にも、余裕ができたときでも、コミュニケーション力や自己表現力を高める練習アサーションなどを学ぶとよいでしょう。

 

間違いのないカウンセラーの選び方

2019.04.01

「子どもがひきこもっている、どこに相談すればよいのだろうか…」「人間関係に疲れ、不眠で気力もわかない、いいカウンセラーはいないだろうか…」「服薬ばかりでいっこうに改善しない、根本的な改善をはかりたいのだが、いいカウンセラーはいないだろうか…」など、心の問題や病に関する問題をもちながら、カウンセリング先、心療内科選びで迷う方は少なくありません。

心療内科とカウンセリングルームですることの違いについて知識がない方も多くいます。(心療内科・精神科…診断後、症状を抑えるための薬物療法が中心。心理療法・カウンセリング…心理、社会、生物的要因を見立て、根本的改善をはかる心理療法を実施)

また、心理カウンセリング・心理療法について正しい知識をもっていないため迷っている方も多くいます。ここでは、そんな方に対して、カウンセリングやカウンセラーについての正しい知識を提供することによって、間違いのない、いいカウンセラー選びを助言します。

医師は業務独占資格ですから、免許がないと医療行為をすることはできません。免許なしに医療行為をすれば法律で罰されます。
それに対して、心理カウンセリングや心理療法には法律の規制はありませんので、誰でも心理カウンセリングを行うことができます。ここに、詐欺まがいのカウンセリングが入り込む余地が生まれます。資格も無資格から取得難易度の高い資格まで玉石混淆といった有様です。

心を病む人にとって、よいカウンセラーを選ぶことは、回復(治療)に大きな影響をもたらすことは言うまでもありません。心の問題だけでなく、心身の病の全てに当てはまることですが、いわゆる専門家と自称他称している者は、ピンからキリまで存在します。名医もいれば、やぶ医者もいるように、カウンセラーもさまざまです。これは、教育界、司法界などあらゆる分野に当てはまるものです。悲しいかな現在は詐欺の横行する時代であり、自己利益のために、人が不幸になることなど考えない人もいます。

心理カウンセリングや治療にとって最も危険なことは、カウンセリングや治療を受けることで、改善しないだけではなく、カウンセラー(治療者)不信になったり、病や精神状態が悪化することがあることです。つまり治療者によって新たなトラウマを作ってしまうことです。それは来談者(クライエント)の正しい見立て(アセスメント)ができていないことや、信頼関係ができていないなどの原因によります。

間違いのない、いいカウンセラーを選ぶ条件としては、以下の項目を確認してみるとよいでしょう。

1 カウンセラーの資格 2 経歴、経験  3 専門性(得意な心理療法)  4 カウンセラーの人間性、人生観
5 金額   6 場所   7 カウンセリングルームの雰囲気やスタッフなど

1 心理カウンセラーとして、どんな資格をもっているのかを確認する

企業が面接で人を採用する場合に、多くの面接官が、まず学歴を一つの採用基準にします。例えば一流大学に入るには、それだけの勉強や努力、投資をしているからです。また、一流大学を卒業するということは、多くの知識を習得しているとみることができ、また卒業生が実績を積み上げたりしていて、採用する側としては、学歴を一つの担保とみなすことができるからです。

心理カウンセラーも同様です。どんな資格をもっているのかが、まず大事になります。心理学の勉強や取得にどれだけの時間を費やし修業し、お金を投資してきたのかが問われるからです。以下に日本国内の心理カウンセラーの取得難易度を順番に列挙してみます。

SS、 ユング派分析家国際資格…国際的な資格で、日本人資格者は100人以下と言われています。受験資格を得るだけで4年かかり、取得までの費用は400万円近くかかるそうです。超難関資格といえるでしょう。

A、 公認心理師…心理の唯一の国家資格です。2018年に第一回目の国家試験があり、2019年2月から最初の有資格者が誕生しました。約28000人近くの有資格者がいます。 大学で心理学を勉強し、さらに大学院で心理学実習などをします。日本の心理職の最難関の資格と言えます。今後の活躍が期待される資格です。

A、 臨床心理士…民間資格ですが知名度、信用度とも高い資格です。大学院で所定の心理学や実習を終え卒業した翌年に受験資格が得られます。試験に合格することによって資格取得ができます。現在、約32000人近くの有資格者がいます。スクールカウンセラーのほとんどが、この資格の保持者です。また、心理職の採用求人の心理資格としては、臨床心理士(公認心理師)以外はほとんどありません。病院、学校、福祉分野では、臨床心理士(公認心理師)以外の資格を認めていないといってよいでしょう。公認心理師の8割以上は臨床心理資格保持者のようです。この資格は5年ごとの更新制があり、専門力を担保しています。公認心理師と臨床心理士は同等の資格といってよいでしょう。

B、 学校心理士、臨床発達心理士
四年制大学卒業が必須です。学校心理士は、大学院修士修了つか実務経験1年、大学卒業かつ5年の実務経験が受験資格になります。難易度の高い資格です。臨床発達心理士も心理学部卒業、大学院修士、3年の実務経験も必要です。学校心理士同様に難易度は高いです。この二つの資格保持者はスクルーカウンセラーとして学校に勤務しています。

C 認定心理士
認定心理士は大学で心理学の所定の単位を取得し大学を卒業すれば認可される資格です。試験はありません。公的な教育関係の仕事での採用は少しですがあります。

D 産業カウンセラー、メンタルケア心理士、メンタル心理カウンセラー、上級心理カウンセラー、ケアストレスカウンセラーなど
上記A~Cの資格に比べると、学歴や学科に関係なく、だれでも挑戦し取得できる資格です。講座受講期間や金額に差はありますが、
通信や、養成講座を修了すれば、受験資格が得られます。期間も半年以下であり、1か月以内で費用も数万円で取れる資格もあります。

その他、交流分析士、行動療法士、家族相談士など様々な資格があります。ネットで調べれば、取得期間や費用がわかります。

取得難易度の高い資格はSSからBまでと言えそうです。SSを除けば、公認心理師、臨床心理士、学校心理士、臨床発達心理士
となりそうです。これらの資格は、大学院修士レベルの学歴と、取得にかかる費用も膨大です。スクルーカウンセラー採用資格になっているのも一つの証拠といってよいでしょう。
また病院の心理職は、臨床心理士・公認心理師(稀に精神保健福祉士)しか採用されていません。その事実が資格の信頼度を物語っているといってよいでしょう。

2  心理職として、どんな経歴、経験、実績があるかを知る

いくら難易度の高い資格保持者でも、経験がなければ絵に描いた餅に等しいといってよいでしょう。私は中学教師を長く勤めていましたが、最初からいい教育や授業ができたわけではありません。3年間は失敗の積み重ねから学んでいく日々でした。4年目から、過去の経験を生かしての教育ができるようになったものです。多くの新規採用教師も同様で最初の1年目はとても苦労をしています。これは何も教師に限ったものではないでしょう。あらゆる職種に共通するものといえます。

心理職としてどんな経歴や経験があるのか、どこに勤め、どんな仕事をしてきたのかなどが一つの基準になります。

某県の臨床心理士会の規定では、開業カウンセラーは、臨床経験7年以上とあります。公的機関と違って、倫理性やカウンセリングの責任を考えると、そのくらいの資格取得後の経験は必要だと思います。

3  カウンセラーの専門性・得意な心理療法を知る

心の病(精神疾患)は多岐にわたっています。医師は医師免許を保持していれば、全ての病気を診察することが許可されていますが、実際は得意な専門分野のみを診察しています。現代の細分化された医学では、全ての分野をみることが不可能であることを知っているからであり、医療行為の責任や倫理観にもとづいていると思われます。

精神(心理)の分野も同じです。心の分野は科学性の光が当たっていない部分が多く、身体医学に比べて大きく遅れていると言われています。それゆえに、占いをはじめ誰でも携わることができる分野であり、危険性のある分野であり、似非カウンセラーが入り込む余地もあります。

心理カウンセリングの分野も全ての領域に対応できるというのは、逆に言えば専門性がないということを語っていることでもあります。そうしたカウンセリングは、ただ話を聞く程度の面接であり、改善への力になるかどうかは不明であり、専門性に裏打ちされていないといってよいでしょう。

専門性が高くなればなるほど、自分の力量の自覚もでき、できることとできないことの自覚ができるようになり、専門分野も明確になってきます。似非カウンセラーが専門性もないまま、クライエントに対応すれば、病を悪化させてしまいます。なぜなら、正しい見立て(アセスメント)もできず、改善プランも示せないからです。外科や内科のように治療の結果(レントゲン、検査数値など)が見えない分、責任を問われることもないので、一層の危険性があります。

心理療法の専門性を大きく大別すれば、以下の三つになります。

来談者中心療法  …広く浅く悩みや心の病に対応。
精神分析 …フロイトの神経症治療から始まった、神経症に適切な治療法。
認知・行動療法…うつ、不安、パニック、対人恐怖、PTSD(トラウマ)などに対応。エビデンス(治療実績)が高い治療法と認められている。
医師が実施すれば保険適用される唯一の療法(それだけ治療効果が高いとされている)

そのほか、上記の療法から派生したもので主なものでも、交流分析、ゲッシュタルト療法、支持的精神療法、臨床動作法、芸術療法、ナラティブセラピー、家族療法、対人関係療法、遊戯療法、グループ療法などたくさんあります。
また、日本で生まれた森田療法や内観療法もあります。
森田療法…神経症(対人恐怖・強迫性障害)、うつなどに効果的
内観療法…反社会的行為、非行少年に効果的とされていた
対人関係療法…摂食障害、トラウマ、社交不安障害などに有効

やはり歴史があり、研究実績があり、治療実績(エビデンス)の高い著名なものを選択するほうが間違いは少ないと思います。

4  カウンセラーの人間性を知る…誠実、責任感、奉仕の心、向学心、公平さなどの視点から

カウンセリングが人と人の関係の営みである以上、カウンセラーとクライエントの関係は症状の改善に大きな影響を与えます。かつて、抗うつ薬のプラセボ実験がありました。偽薬と本物の薬の治療効果を実験したところ、思ったほどの差がなかったと報告されています。処方する医師を信じれば治療効果が高くなり、疑えば効果が低くなると言われています。

かつての有名な宗教家が病を治すことができた多くの理由が信者が「信じる」ということから起きた奇跡であったと思われます。まさに「信ずるものは救われる」であり、そうしたことは心理カウンセリングの場面でも起こります。

クライエント(来談者)がカウンセラーを信じられるかどうか、その要素の一つになるのがカウンセラーの人間性です。

人間性…まず誠実な人。次に奉仕の心…悩める人の苦しみに共感し、改善のための努力を惜しまない人。人によって差別しない公平さのある人。人の心は不思議であり、10人のクライエントがいれば、10通りの療法が必要になります。改善のために、来談者に学び、先人の知恵に学ぶなどの向上心が必要です。

謙虚に学びのあるカウンセラーは、間違いのないカウンセラーの条件です。
一度面接をすれば、相性を含め、人間性も少しわかり、自分に合っているかどうかの見分けはつくと思います。また、ネット上で、プロフィールや考え方、人間観などの欄を参考にするのもよいと思います。

5  カウンセリング料金…カウンセラーが独自に決めていて相場はないが、認知行動療法なら8000円~10000円が対価として妥当。

料金は安いことにこしたことはありませんが、カウンセリングの対価ということを考えれば、ある程度の金額はやむをえないと思います。
高ければよいわけでもなく、安いのでカウンセリングレベルが低いというわけでもありません。それぞれのカウンセリングルームが独自に金額は決めています。決める基準は定かではありません。理想は安くて質のよいカウンセリングです。しかし、実際はなかなかそんなカウンセリングルームには出会えないかもしれません。

公的機関に勤務する臨床心理士の時給は、スクルーカウンセラーが約5000円、刑務所や学生相談室が3000円~6000円、保険適用のある病院では1500円~3000円ぐらいです。ちなみに、精神科クリニックで実費負担のカウンセリングは5400円~20000円です。

民間のカウンセリングルームは、保険が適用されません。当室で認知行動療法を実施するとき、カウンセリグ時間が60分~100分。事前準備、事後の分析整理、見立て、計画、記録などが2時間かかります。つまり、1ケースのカウンセリングにかかる時間は3時間から3時間半です。せいぜい一日にもてるケースは3ケースぐらいになります。時給2000円として換算しても6000円から7000円ぐらいです。このほかカウンセリングルームの維持・諸経費がかなりかかります。それを加算すれば、8000円ぐらいが妥当と思われます。

6  場所…通所しやすいところがよい。

カウンセリングは稀に初回で終わるものもありますが、通常は3~12回ぐらい(当室のデータ)かかることが多いです。長く通所することを考えれば、やはり通所に便利な近いところがよいでしょう。

7  カウンセリングルームのスタッフや雰囲気…できれば男女二人以上がよい。

男性のみとか女性のみではなく、男女両方のスタッフがいることのほうが多様なクライエントに対応できると思います。またカウンセリングが密室で行われることを考えれば、複数スタッフ(男女)がいることのほうが安心できると思います。
面接室などホームページで確認できる場合は、閲覧し面接室の雰囲気を知ることができると思います。

8  その他…口コミについて…話半分ぐらいにしたほうがよい。嘘が混じっていることがある。

私自身、かつて歯医者を選ぶ際に口コミ点数が地域で高いデンタルを選択し通院したことがありますが、まったく事実は違っていて、ひどいところでした。そのとき、口コミの内容は「さくらが書いたもの」と確信したほどです。以来、ゆこゆこの旅館選びなど、口コミ情報は一応は参考にはしますが、他の要素を重視し選択するようにしています。口コミにも巧妙な営利や儲け主義が入り込んでいますから、鵜呑みはしないほうがよいと思います。また、通所した方の言動も、個人差があったり、相性があったりするものです。Aさんにとって、名医であったとしても、Bさんにとってやぶ医者になる事例もある話です。やはり、総合的な判断が必要です。無知は不幸の入口になりますから、賢くならなければいけません。

生きていることが正解なのでしょうか…回答

2019.03.28

カウンセリングCOM質問者(10代後半女性)への回答

はじめまして。臨床心理シランの室です。

「生きていることが正解なのか」という質問…あなたが生きているということそのものが、自分にも両親にも、社会にも価値をもたらすことなく迷惑や不利益になっているのではないか、そんな人生に生きる意味があるのだろうかという人間存在の本質への問いになっているようです。

人間の幸福、運命、生死、病気、生命、持って生まれた差異などは古来、宗教家や哲学者のテーマとなり、彼らはそれを追求してきました。イエス、釈迦、マホメット、ソクラテス、デカルトなど歴史上数多くの著名な方がその道を探究し究めたようです。

特に世界三大宗教と言われるキリスト教(イエス・キリストが創始者)仏教(釈迦が創始者)イスラム教(マホメットが創始者)の教えは、あなたの質問…「生きていることが正解なのか」に対する回答を、それぞれの立場から回答しているようです。

人間存在の意味…。私も大学時代に、病気を患い、自分がわからなくなり、生きる意味がみいだせず、悩み苦しみました。「人は何のために生きるのか…」と煩悶し、哲学、宗教、人生論の本を読みあさったことがあります。

ここで私が当時、一番読みあさり勉強した仏教(法華経)のことについて少し紹介します。

仏教の開祖、釈迦(ブッタ)は何不自由のない王子として生まれ育ちましたが、心に煩悶を抱き、人生に悩んでいたと言われています。

有名な四門遊観…王宮の東門で老人を見て、人は老いる苦しみを免れないと知ります。西門に病人を見ては、人は病気の苦しみを避けられないと知ります。南門に死人を見ては、人は死ぬ存在という苦しみを持っていることを知ります。そして北門で高徳の人を見て、19歳で、全てを捨てて出家したと言われています。

人生は生老病死(生きる・老いる・病になる・死ぬ)という四つの苦しみから逃げることはできない。その四苦に代表される人間の苦しみの解決のために、釈迦は出家し求道の旅に出たのでした。

人生の意味を探究し修行を続けた結果、釈迦は生命の真実、宇宙の実相を悟ったと言われています。
釈迦の悟り…生老病死という四苦は無常ですが、その背後に常住不変の生命を悟ったといわれています。それが法華経に説かれ、奈良時代、平安時代に貴族の間に親しまれ、紫式部の「源氏物語」などにも登場しています。

釈迦の生命観…誰人の中にも等しく内在する可能性の生命…創造的で幸福になっていける生命と知恵が具わっている。自らも幸福になるとともに、周囲の人(自然も含めて)も幸福にしていくという共生、連帯の生命観と言われています。いかなる運命や宿命をも転換できる生命の働きをもつという生命観です。

一日の人の命は、宇宙の宝すべてよりも尊いとも説いています。この世界で、人間だけが、自らの可能性を信じて自らを変えていける「聖道正器」の存在とも言われています。確かに動物や植物は、自らを変えることもできず、本能のまま、生態系に従って生きています。

その尊い人間の生命として誕生してくる可能性をガンジス川の無数の砂の一粒という譬えで説いています。つまり人間生命はかけがえのない尊さをもった存在ということです。しかも、どんな境遇、運命も宿命も、自らの生命に具わる可能性を信じていけば、転換できるとも説かれています。

自らに内在する尊極の生命を信じられるかどうか。釈迦は信を強調されたと言われています。簡単に言えば、自分の生命の可能性を信じて行動し生き抜きなさいと教えたのです。

話は変わります。
あなたは若いのですから、薬や双極性障害について、学ばれ、正しい知識を身につけ、自分理解・把握をされたほうがよいと思います。自分の病気を治す最高の医師はあなた自身だからです。

今は治療費の件で、ご両親に負担をかけているようですが、あなたが元気になり、仕事に就いていけば、恩返しはいくらでもできます。今は、健康になることに全力を注ぐことです。

障害者サポートセンターなど公的機関に相談され、経済的な面や社会復帰のことなども同時に進めていかれるとよいと思います。孤立してしまうと心はどんどん落ち込んでいきますし知識や情報も得ることができませんから。

最後に私が苦境の頃に励まされた言葉を贈ります。

「一度(ひとたび) 病に倒れたとしても  決して屈してはいけない
多くの人が立ちあがり 一生満足を送っていることを考えれば
君の生きゆく資格は 絶対と知ってもらいたい」

「私はこの世に人間の旅に出たのだ 生命究極の目的まで
疲れても歩まねばならない 風の日も雪の日も
野宿の時も覚悟しながら 私はひたら歩むのだ」

人や会話が苦手、気持ちを表現できるようになりたい…回答

2019.03.05

メール相談の回答

臨床心理シランの室です。

小学校の中学年の頃はギャングエイジと言われる年代で、友達とグループでいろいろな遊びをして喜怒哀楽を育む時期でもあります。そのときにいじめに遭ってきたというのは、本当に辛い経験をされましたね。

そして中学生という思春期…感受性の強い時期であり、精神・感情形成に大事な時期にもいじめを受けてきた…腹痛は心の痛みの代理表現だったにも拘わらず、我慢して登校を続けた…あなたは、かなりの無理を続け、そのため心はひどく傷つき、疲弊し、喜怒哀楽という感情を強く閉じ込めてしまった…そうするしか、あなたはいじめから自分を守る方法がなかったようです。

あなたは、今その後遺症ともいうべき、トラウマがもたらす症状に苦しんでいるようです。コミュニケーションがうまくとれない、人や会話が極度に苦手、喜怒哀楽が自然に表現できない、素の自分が出せない…すべて過去のいじめがもたらしたものです。

いじめをした人たちが、社会で何食わぬ顔で生きているにもかかわらず、被害者のあなたが、今なお苦しんでいるという現実。許されるべきではありません。いじめは絶対悪であり、許されない行為です。このような日本社会を変えなくては、あなたのような被害者が今後も生まれてくるでしょう。憤りを感じるのは私一人ではないでしょう…。

あなたの切実な希望…喜怒哀楽を自然に感じるようになりたい…。

この実現の確実な方法は、よい人と交わることです。人によって傷つけられた心は、人によって癒されると言われています。あなたを無条件で受け入れてくれる人、本当の意味で優しい人…そうした人と触れ合うことで、どんな感情も表現してもよいのだという安心感がもたらされ、いつしか喜怒哀楽の感情は自然に表現されるようになるでしょう。
雑談、たわいのない会話が心のスキンシップになります。

私的なことで恐縮ですが、私は小学校の中学年の頃、父子家庭であったこともあり親から放任され、養護施設で4年間の生活を余儀なくされ、心は屈折していたようです。私を無条件に受け入れ、肯定してくれた人が、20歳の頃に出会った5才年上の方でした。その人のおかげで今の自分があると思っています。(HPに説明、自伝的小説「失敗もいいものだよ」に詳述)

動植物の世話をしたり、人の世話をしたりすることも感情の回復には効果的だと思います。ペットを飼い、お世話をする。メダカを飼うのも良いでしょう。植物や花を育てるのもよいと思います。自然に触れたり、クラッシック音楽を聴いたりするのも情緒を育むことにつながると思います。日記で感情表現することも一方法です。(当室でもメールカウンセリングを実施していますので日記療法は可能です。)

ボランテイアー活動もよいと思います。介護施設などで老人介護の仕事に携わるのもよいでしょう。人の世話をすることで、本来の感情が蘇ると言われています。

昔の偉人の伝記(ヘレンケラー・野口英世・ナイチンゲールなど)や書物に接すれば、時空を超えて、素晴らしい人格者と出会えると思います。優れた偉人の生きざまに学ぶことも情緒面には有益でしょう。
若いので、いろいろなことを試されるとよいと思います。