相談室(ブログ)

自信がありません。自信をつけるにはどうすればよいのでしょうか。

2022.02.06

回答
自信について以下に説明します。
 相談室を訪れる青少年の中で、心の不調(ひきこもり、不登校、社会不安など)を起こしている人と面談して感じることは、「自分に自信がない」という人が多いことです。「自信について」三つの角度から述べてみます。

まず一つ目の自信は、「自分は、この世に生きていてもいい」と思えることです。
この感覚は乳幼児から大人に至るまで、親や周囲の人から大切にされることで育ちます。自分に対する基本的な信頼感のようなものです。この自分を受け入れることができる自信は、自己肯定の基礎にもなっています。

「人に対してNO」と言えることから「自立」は始まります。
二つ目の自信は、「自分は周りの世界に有効に働きかけができる」という感覚や「自分が感じていることや考えていることは信頼できる」という自信です。この感覚は、関心をもったことを追求することや自分が嫌なことに対して「NO」と言うことが許容されることで育まれます。家族の中で、「NO」ということが気持ちよく受け入れられた経験や、嫌なことが起こったときに「NO」ということで避けられた経験を持っているかどうかです。
こうした言動が目立つ時期は一般的に反抗期と呼ばれています。自分はこれをやってみたいという願望や「NO」ということが尊重される環境の中で、この感覚は培われ自発性が育っていきます。
 
心の不調を訴える人に多く見られることの一つが、「人に対してNO」と言えずに、自分の気持ちを我慢したり、抑え込んだりしていることです。「NOと言ったら嫌われるかもしれない」「断ったら相手を嫌な気持ちにさせるかもしれない」などの思いから、自分に無理をしてしまい、心が容量オーバーになって心身に不調をきたしている人が多く見受けらます。自分の気持ちに無理をせず「NO」と言うことは、日常の人間関係の中で身につける大事な能力の一つなのです。

 以上述べた二つの自信が育っていると、自分という存在には意味があり、不都合が生じたときに自分の力で自分を守ったり、周囲に働きかけて状況を変化させたりする能力が育ちます。先の二つが十分に定着していないと、自分は誰からも相手にされない、取るに足りない迷惑な存在であると感じ、世界は不都合が生じたときに、守るすべがないという不安や恐怖に満ちた場所であると感じるようになる可能性があります。

三つめの自信は、特技や長所をもっていることです。ところが、この自信は相対的なもので、自分より優れた存在が現われたり、けがなどで「特技」が発揮できなかったりすると、劣等感に変わる不安定なものです。
いくら優れたところがあっても、先の二つの自信がなければ安定した自信になりません。

結果や成果よりプロセスを大切にしましょう
成果や結果だけをみたり、ほめたりするのではなく、努力の過程や挑戦したことをみてあげると、質の良い自信につながっていきます。また「挑戦したこと」や「がんばったこと」に対して、「がんばったね」「よくやったね」と自分自身に語りかけるようにするのもよいと思います。