相談室(ブログ)

自己否定が強く、自分の長所もわからなくて悩んでいます(大学生・女性)

2020.05.01

質問
私は現在大学三年生で、そろそろ就活の準備をしなければなりません。
しかし自己否定・過小評価がひどい私はいくら考えても良い長所がなくて悩んでいます。
だいぶ前に母親に私の長所は何かと尋ねたところ「ええなんだろう。・・・・・マイペース?」と言われました。母親には絞り出すように考えた結果でた答えがマイペース。正直マイペースは長所ではないと思うし、とても悩まれたことが少しショックでした。

正直私は人と比べて変わっていると思います。とても感情的に動くタイプの人間で、理性的に考えることが出来ません。バイトでは天然でドジっぽいといわれいじられています。店長にとても素直でいい子だ・嘘つけない子・悩まなさそうと言われたことがありますが私にはしっくりきません。もっと思いやりがあるとか人に対して何かいいことができる長所が自分にはないのかと思います。

そんな中ネットの性格診断では私の素晴らしさは後先考えず緩くいきているところと診断されガッカリしてしまいました。私の人生観はとても就活向きではないと。向いている職業もクリエイター・デザイナーなど専門学校にいかないと今の進路では難しいし、ずば抜けた才能がないとお金にはできない難しい特性だなと思いました。もっと責任感や理解力がある人など何故私はこんな人間なのでしょうか…

どうやったら自分の長所をみつけれるでしょうか。バイトの先輩が引退する時に、芯がしっかりしているから、今後職場で縁の下の力持ちとして頑張ってねとかかれていました。なぜかとても涙が出ました。芯がしっかりしているが抽象的ですが性格で褒められて嬉しかったのです。

回答
「自己否定・過小評価がひどい私はいくら考えても良い長所がなくて悩んでいます。どうやったら自分の長所をみつけれるでしょうか。」というあなたの悩みは、先の質問とも根本は共通しているようです。

大学3年生、就職活動を開始しなければいけない時期になり、あなたは、モラトリアムという時期から社会的役割を見出し、アイデンティティの確立を求められる時期に入ったようですね。

その時期になると、だれしも大なり小なり、アイデンティティの確立を巡って悩み不安定になりがちです。とくにそれ以前の発達課題の到達度にも左右されますが…。

かつて私もその時期に悩み、不安定な日々を過ごした一人です。社会での自分の役割、進む方向もはっきりせず、モラトリアム期間に逃避していたような気がします。結果、6年間を大学で過ごすことになりました。

当時の私はアイデンティティの確立に伴う悩み…つまりアイデンティティの拡散現象になっていたようです。当然、自分が分からず、不安定でした。自分の短所はいくつもあげられますが、長所やよいところを見出すことができず、同級生と比較しては、彼らが優れているように映り、落ち込んだり、焦ったりし、課題に対決直面することを避け、ますます迷走していたようでした。

そんな不安定な自分を脱出することができたのは、追い込まれた末に目標設定せざるを得ない状況に追い込まれたからでした。目標達成に全力で努力し始め、その結果、中学教師になりました。面接などで長所を問われると「努力家」「向上心旺盛」と、とりあえず答えていました。

長所と短所は表裏関係とも言えます。それは性格の表裏でもあります。
性格についてですが、私は短気という性格の持ち主です。悪い出方は、他者へ怒りがすぐに出たりする癇癪のような出方をし、「短気は損気」と言われるように失敗しがちです。よい出方としては誰れもがしり込みするようなことでも、気が短いので、即断、即行動ができます。悪に対しても、怒りを、正義の行動に変えることもあります。

他の性格も同様で、性格自体には善悪はなく、どんな性格であっても、鏡の表と裏のような関係で、どちらを出すかで価値が変ります。よい出方をするには、それなりの努力とものの見方の柔軟性や多様性が求められますが…。

「マイペース」というのは中立です。よい方向で見るなら、周囲に左右されず、自分のペースで自分の道を進むことができるという「よい面」になります。つまり、「芯がある」「信念がある」「意志を貫く」などの長所になります。
あなたが言われる、自分中心で考えてしまいます。という部分は、マイペースの一面になることがあります。他者との関わりの中で、協調すべき時にマイペースを貫くと、マイナスになるからです。
自らの性格という、持って生まれた中立的なものを、いい方向(価値を生む方向)に使うように心がければよいと思います。

出来事、物事、(性格も含め)は、必ず二つ以上の見方・とらえ方ができます。
例えば、今の行き詰まりや悩みを不幸・苦しみと捉えるネガティブな見方と、未来のために自分の足りないところを補い、大きく成長するときというポジティブな見方をするのかです。

悩んだとき、壁にぶつかったときは、必ず別角度から多面的にものごとを見るようにすると開けていくと思います。
結論から申します。可塑性(かそせい)に富み、可能性を秘めた年代です。人生これからです。
十分に新しい自分を作っていけます。多くの人が変っていったの見てきました。あなたも必ず変れます。

人は、精神面は今の時期が一番成長する時です。まさに、人間としての心の部分の成長はこれからなのです。可塑性とは、柔らかい粘土が、こねると柔軟にいろいろな形に変化するような柔軟性をさしています。今のあなたの年代は、可塑性と可能性に富んだ貴重な時期なのです。

失敗の修復も早いし、新たな挑戦から学べる時です。吸収も早く心の成長の早い時期です。「青年は未来があるというだけで幸福である」(ゴーゴーリー)かけがえのない貴重なときであり、二度とこない黄金の時です。人生の本当の土台を作る時なのです。人生の中で可能性と可塑性に一番富んだ時だからです。

目標を持ち、目標に向かって努力していくというプロセスを大事にしていけば、自己肯定感は少しずつ高められるでしょう。その目標も、自己実現と結果としての他者貢献という要素があれば、気力もわいてくると思います。

良書にふれ善友やよき先輩、善き人と交わっていくことです。