メール相談の回答
臨床心理シランの室です。
小学校の中学年の頃はギャングエイジと言われる年代で、友達とグループでいろいろな遊びをして喜怒哀楽を育む時期でもあります。そのときにいじめに遭ってきたというのは、本当に辛い経験をされましたね。
そして中学生という思春期…感受性の強い時期であり、精神・感情形成に大事な時期にもいじめを受けてきた…腹痛は心の痛みの代理表現だったにも拘わらず、我慢して登校を続けた…あなたは、かなりの無理を続け、そのため心はひどく傷つき、疲弊し、喜怒哀楽という感情を強く閉じ込めてしまった…そうするしか、あなたはいじめから自分を守る方法がなかったようです。
あなたは、今その後遺症ともいうべき、トラウマがもたらす症状に苦しんでいるようです。コミュニケーションがうまくとれない、人や会話が極度に苦手、喜怒哀楽が自然に表現できない、素の自分が出せない…すべて過去のいじめがもたらしたものです。
いじめをした人たちが、社会で何食わぬ顔で生きているにもかかわらず、被害者のあなたが、今なお苦しんでいるという現実。許されるべきではありません。いじめは絶対悪であり、許されない行為です。このような日本社会を変えなくては、あなたのような被害者が今後も生まれてくるでしょう。憤りを感じるのは私一人ではないでしょう…。
あなたの切実な希望…喜怒哀楽を自然に感じるようになりたい…。
この実現の確実な方法は、よい人と交わることです。人によって傷つけられた心は、人によって癒されると言われています。あなたを無条件で受け入れてくれる人、本当の意味で優しい人…そうした人と触れ合うことで、どんな感情も表現してもよいのだという安心感がもたらされ、いつしか喜怒哀楽の感情は自然に表現されるようになるでしょう。
雑談、たわいのない会話が心のスキンシップになります。
私的なことで恐縮ですが、私は小学校の中学年の頃、父子家庭であったこともあり親から放任され、養護施設で4年間の生活を余儀なくされ、心は屈折していたようです。私を無条件に受け入れ、肯定してくれた人が、20歳の頃に出会った5才年上の方でした。その人のおかげで今の自分があると思っています。(HPに説明、自伝的小説「失敗もいいものだよ」に詳述)
動植物の世話をしたり、人の世話をしたりすることも感情の回復には効果的だと思います。ペットを飼い、お世話をする。メダカを飼うのも良いでしょう。植物や花を育てるのもよいと思います。自然に触れたり、クラッシック音楽を聴いたりするのも情緒を育むことにつながると思います。日記で感情表現することも一方法です。(当室でもメールカウンセリングを実施していますので日記療法は可能です。)
ボランテイアー活動もよいと思います。介護施設などで老人介護の仕事に携わるのもよいでしょう。人の世話をすることで、本来の感情が蘇ると言われています。
昔の偉人の伝記(ヘレンケラー・野口英世・ナイチンゲールなど)や書物に接すれば、時空を超えて、素晴らしい人格者と出会えると思います。優れた偉人の生きざまに学ぶことも情緒面には有益でしょう。
若いので、いろいろなことを試されるとよいと思います。