相談室(ブログ)

息子の家庭内暴力にどう対応したらよいのでしょうか。(小6母親)

2020.07.22

質問
小6の息子からが春の休校中からどんどん変わってきました。今までも癇癪もちではありましたが、ささいなことからキレ始め、母親の私の言い方批判、妹ばかりかわいがってる等不満、死にたい、殺してくれ、私に対して、消えろ、出ていけ等最近では主人がいないときはほぼ毎日何時間も続き、その度に抱きしめ落ち着いて話をするよう続けてきましたが、頻度も増え精神的に参っています。

本人もやめたいのにやめられない、本心ではないのに、言い出したら止められない、感情のコントロールができてないことが辛そうで、スクールカウンセラーに一緒に相談しようかと言ってみたところ、自分は病気じゃないとまた騒ぎ出し、暴力も振るわれるほど。学校や担任には知られたくないようで、今までも、学校では問題なく真面目な態度で問題を起こしたことはありません。子供からして、主人は厳しいタイプで逆らえず、すごく恐れているのですが、最近は主人との約束も守らなくなってきました。

主人とも相談し、今までの私達の育て方など、反省することもあり、向き合っていますが、もう改善どころか、よりひどくなってるのが現実です。もうどうしたらいいのか、全寮制の学校に入れる選択肢もありますが、年齢的にもまだ一緒にいたい気持ちもあります。以前のように普通の日常会話が当たり前にできるようになりたい。家庭内がしんどくて辛いです。私は親としてどうしてあげてらいいのでしょうか。

回答
臨床心理シランの室です。
辛い毎日、お察しいたします。あなたの文面だけから、息子さんや家庭など背景が一部しかわからず、全体がつかめませので「見立て」ができません。

ただ、息子さんが「学校や担任には知られたくないようで、今まで、学校では問題なく真面目な態度で問題を起こしたことはありません」という部分と「主人は厳しいタイプで逆らえず、すごく恐れているのです」というところに鍵があるような気がします。

学校では問題なく生活する、どちらかというとよい生徒…一生懸命、本人なり努力し、無理を重ねてきているようです。そのはけ口が、家庭であり、自分の本音が出せる唯一の人が母親になっているかもしれませんね。

あなたと息子さんの力関係は徐々に逆転しつつあります。健全な親子関係を取り戻すのは、かなりの覚悟が求められますし、父親(夫)の協力なしでは乗り越えていけない段階に来ています。

対応策として考えられることは次のことですが、時間はかかると思いますので、焦らず、粘り強く気長に構えていくことです。

母子密着に切れ目を入れるために、夫婦の絆を強めていくということです。
母子密着の強さが思春期前期の息子さんの自立を阻んでいます。今のように母親に依存する…母親に密着し何か嫌なこと、不快なこと、困難なことやうまくいかないことがあれば、息子さんは、それらのことに直面し、対決する代わりに、母親の懐に逃げ込み、発散させようとしています。正しい解決方法ではないとわかつつ…。

物事にぶつかったときの困難を乗り越える力、嫌なことに耐える耐性不足など息子さんは、家庭教育の影響を大きく受けています。母親がよかれと思ってやってきたことが、残念ながら本人の心の的に当たっていなかったということです。

全寮制の学校に入れることは、親に対して「見捨てられた」という思いを強くさせ、改善にはならず、親子の関係をさらに悪化させるでしょう。今は、どんなに辛い状態であっても、避けず、逃げず、真正面から対決するしかありません。息子さんにも「よくなっていこう」という善性が潜んでいるからです。必ず、よくなります。

息子さんの常識では考えられない要求に対しては体を張ってでも向き合わないといけません。今は両親が役割を明確にして協力して息子さんの教育に当たらなければなりません。

今は父親(父性)が求められる時です。父親の出番です。反発されても関わっていく必要があります。常識に反することや道理に合わないこと…好き勝手な行動に対しては、父親が毅然と対決しなければ息子さんが壁を超えることができないでしょう。ご両親が真剣に体を張って息子さんに善悪を教える役目があります。そうした親の行動に、息子さんは反発するかもしれませんが、心の底では自分に真剣に向き合ってくれたことに内心ほっとしているのです。それが一つの壁を乗り越え、自立の原動力なっていくと思います。

夫婦で子育てをしっかり話し合い、協働して息子さんに関わらなければ今の状況は打開できないでしょう。役割を分担し、しっかり話し合い協力し、方向を模索していく。それがここでいう夫婦の絆です。

息子さんが親以外との人間関係をもつことが抑止力(感情のコントロール)になります。誰かとの安定した人間関係を築くことが、信頼感、自己評価の回復につながり、それが「困難を克服する力」にも繋がっていきます。このような人間関係を築く上で大事なのは同一化のモデルになるような人物とのかかわりです。兄、祖父、近所のおじさん、いとこ、学校の先生、友達、先輩など…。親以外との人間関係によって息子さんの視野や価値観が広がるからです。

今一番悩まれている母親のあなたが、メンタルを維持する上でもカウセリングを受けることが必要でしょう。誰かの支えなしでは、今の状況を乗り越えられないと思います。気力もエネルギーも低下しているようですから、学校のスクールカウンセラーに、まず母親のあなたが相談するのも力になると思いますよ。