相談室(ブログ)

考え方や行動を変える方法を教えてください(20代女性)

2020.05.02

質問 
自分の行動、考え方を変える方法についてアドバイスがいただきたく、質問させていただきました。私は周りも同じように生き辛さを抱えながら生きているのだと思っていました、
自分の抱えていることが普通ではない、もっと普通に暮らしている人もいるんだと気が付いたのが2年ほど前です。
私の両親は幼い頃から喧嘩が絶えなく、仲良く話していることよりも喧嘩していることが多いような夫婦でした。特に母は精神的にも少し不安定なところがあるように感じます。小さいころ弟がとても体が弱かったので、母はいつも弟に構いっきりでした。いつも、薬を飲めるのがうらやましい、風邪をひくなんてずるいと思っていたように思います。小学生になるとそんな弟が疎ましく思うになり、弟にきつく当たり、そのせいで母にはしょっちゅう怒鳴られていました。
反抗期には何度も何度も大喧嘩をして、ものを投げつけられたりご飯を作ってもらえないこともありました。
出ていけ!と家の外に引っ張り出されそうになったこともあります。父はそのころ単身赴任で家にいませんでした。
中学生特有で友達ともうまくいかずとにかく生きているのが苦しくて、死にたい、車に轢かれたらいいのにと思っていました。リストカットでなんとか気持ちを紛わせていました。

ですが高校に入り、部活でマネージャーになりました。
自分のしたことで感謝されること、自分が人のための存在になれるということで初めて生きている実感を得たというか、
自分っていてもいい存在なんだと思えるようになりました。

大学に入り、いろいろと辛いことは続いていましたが、医療系の学部でしたがその道には進まず就職活動をしました。
就職して半年ほど経った頃から、また不安定になってきました。
いろいろと理由はあると思いますが、配属されてから親身に育てて下さった先輩方がどんどん退職していきました。もともと環境の変化にすごく弱いタイプなのですが、今度、一番色々と教えて下さった先輩も退職されることになりました。
中途採用で新しい人たちは入ってきていますが、自分が今度は教える側に回らなければいけないというプレッシャーなどもあり、仕事へのモチベーションが壊れていきました。

ずっと「仕事」というものを通して自己肯定をしてきました。仕事があるから自分は必要な存在だと思えることができ、仕事で認められることが唯一自分の存在を認められることでした。だからその仕事環境が崩れてしまうと精神的にもすごく弱ってしまいます。彼氏に依存してしまって、また関係が悪化してしまいました。

自分のことを自分が一番愛せるように、ありのままの自分を好きになって、そのうえで彼氏のことも愛せるように、就職活動をしていたあたりの時期にはできていたことで、その時はすごく自分のことが好きだったし人生も楽しいと思えました。ですが、簡単には変えられなくて、彼氏ともうまくいかないのがとてもつらいです。

回答
あなたは賢い人だと思います。内省しようとする気持ちがあり、自らを変えようとする意志を持っているからです。その心がある限り、あなたの願いはかなっていくでしょう。
人は心で願っている通りの人生を歩むと言われているからです。

あなたの自己分析の結論―自分のことをちゃんと自分で認めてあげられたら、環境にも振り回されず、どんな自分でも愛して感情も安定できると思います―

しかし現実はなかなかうまくいかない…。
それは感情(愛着・気持ち)が知性(頭、思考)ではコントロールできない性質のものだからです。感情には感情の法則があると言われています。それは、どんな感情も、時間が立てば変わっていくということです。恐怖や不安、嫌悪感、憂鬱感も、時がたてば変化していきます。

水が流れるように、人の心は一定のところにとどまることはできません。すべては変化するというのが、この世の真実のすがただからです。だからこそ、よい方向に変化させる努力が必要なのです。

また、人は環境の影響を受ける反面、環境に影響を与え、環境をコントロールする主体性をもつこともできます。環境(人、ものすべてを含む)は、ある意味、その人の影のようなもので、実は環境と自分は一体とも言われています。環境を見ればその人がわかると…。

人は人によって傷つけられもしますが、逆に、心によって癒され、触発され、大きく変わっていくものです。どんな人と触れ合うのか、どんな人を友に持つのか、どんな先輩にもつのかで人生は大きく変わっていきます。

人や環境に左右されるのは、思想や信念の問題でもあります。心の強さは、どんな信念や思想を持っているかで決まります。それは、あなたが言うところの「考え方」「行動」の土台になるものです。

自分変えることに王道はありません。100人いれば、100種類の方法があります。あなたは、この世で唯一無二の存在だからです。例え似たような顔、性格、境遇、生い立ちの人がいたとしても、あなたとは異なっています。自分を変える方法は、最終的にはあなた自らが探し当てるしかありません。なぜなら、あなたは解決できる力を既に潜在的に持っているからです。

あなたが心の安定を維持するには、それなりの環境(現実的には、打ち込める仕事や人間存在)が必要です。多くの人は環境としての人間によって安定しているようですが、人によっては仕事や人を育てること、人や社会に貢献することで、自らの安定を保っているようです。
あなたも、かつて部活のマネージャーや彼氏の存在、仕事などで安定を得ていた期間もあったと分析しています。

夏目漱石は愛着に問題をもっていたと言われていますが、文学で表現することで心の安定を保ち、漱石門下と言われる弟子を育てる(貢献する)ことで、心の安定をはかり、自己実現したと言われています。

今までのあなたは、環境に依存していた傾きがありましたが、これからは、あなた自身の主体性の確立が鍵になると思います。つまり環境が変っても安定を失わない心の強さです。
それを可能にするのが思想(人間観・人生観・価値観など)だと言われています。
依存と自立のほどよい調和がとれるようになると心の安定は維持されるでしょう。

気持ちが安定した人と関わる…無条件にあなたを受け入れ、肯定してくれる存在…彼氏、友達、先輩、心理カウンセラー。
それ以上に、あなたがあなたを無条件(うまくいっている自分も、うまくいかない自分も、どんな自分も)で肯定し受け入れることができるようになれば、あなたの課題…考え方や行動はかわっていくでしょう。