相談室(ブログ)

 うつ 心模様③ 無理に無理を重ねた心の悲鳴

2024.02.04

 うつになる人は無理な生き方をしています。仕事も無理を重ね、自分が壊れるまで気づかずやりすぎて、休職に追い込まれる人もいます。人間関係においても無理をしがちです。相手への過剰な気遣いと丁寧さで、神経を遣い、自分が無理をしていることに気づかず疲れ果て、心身のリズムを無視して、心の不調を招く人もいます。概して真面目な人が多く、社会にとって有益で能力もあり、とても価値のある人たちなのです。

 失敗や嫌なことがあったときも、そのことを過剰に反省し、また早くすっきりさせようとして気持ちに負荷をかけ過ぎ、かえって忘れなくなり、いつまでもその嫌な気分や考えがまとまわつきます。その思考と気分がぐるぐるとめぐり、反芻してしまいます。気持ちや思考に対して無理をしているからです。それも自然のリズムを無視した結果なのです。

 何事に対しても無理をし過ぎ、自分を壊してしまいます。無理をすれば、何でも壊れてしまうということを忘れているようです。自分の限度や、程よさに対する正しい意識が薄いのかもしれません。道具も体も心も無理をすれば壊れるのが道理です。無理をするというのは、調和(働くことと休息するというリズムの取り方)ということを、そのとき忘れているからです。

 私たちの身体は、緊張と弛緩という調和で健康を保っています。自律神経(意識できない、無意識の働き活動であるため無理をし不調和に気づかなくなる)の働きがその一つです。緊張しているとき(無理をしているとき)は交感神経が一生懸命働いています。逆に、休んでいるときは、心身が弛緩し、リラックスし副交感神経が働きます。この二つのリズムで私たちは心身の調和をとっています。どちらかに偏れば心身が不調になります。過度になると病気になります。多くの精神疾患に、このアンバランスが見られます。とくに交感神経の過度の働きによる不調が目立ちます。

 無理をする。熱中する。ものごとにこだわる。完璧にしないと気が済まないなど、そこには完璧にものごとをやらないと自分の気が済まないという生き方があります。生まれ持った性格と環境で身につけた生き方の習慣・その人の思想といったらよいでしょうか。
 
 それは悪いことではありませんが、無理は通らない、無理をすればやがて壊れるということを意識して、適宜に休む、休憩するというバランスある行動をすれば壊れず、最終的に価値ある行動につながります。壊れたら元もこもないからです。
 
 うつの治療はこうしたその人の無理をする、あるいは偏向し、バランスを崩しやすい思想に焦点を当てます。自分の思想の偏りに気づき、そしてそれを昇華していくのが改善につながります。        
  
 銀河の旅人