相談室(ブログ)

消えてしまいたい。存在がなくなればいいと思う。

2019.08.30

質問
元々兄からの暴力を小さい頃に受けていて別々に暮らすようになりましたが大きくなっても不安定な時期がありました。
波があり最近消えてしまいたいと本当に思うのです。
死にたい訳ではなくて消えたい。
存在がなくなればいいのにと思っています。

死んで家族に迷惑はかけたくないけど生きてるのはしんどい
周りにもこう思っていることなんか言えないし普通でいたいから明るく元気な自分を取り繕うのに必死です
自傷もやめたいけどやめられない血を見ると落ち着くし偽りとはいえ元気な自分に戻っていく気がします。

病院には行くべきなのかな?と思ったりするのですが行ったら今までやってきた事が取り繕えなくなってしまわないかと不安でどうしたらいいかわかりません
自分がしたい事とか楽しかったこともよくわからなくなっています。
迷惑はかけられないからとりあえず働いてなんとなく今生きてます。

ずっとこういう性格で生きてきて仕事も一応出来てはいるし外では普通のはずです
精神的に少し弱いだけで病気だとは思ってないし思いたくないです。
こんな気持ちはどうしたらいいのでしょうか。
文がまとまっていなくて見づらくてすみません。

回答
臨床心理シランの室です

あなたは幼少期の環境や兄の暴力の影響などから、いやおうなしに自己否定感が強くなり、自尊心に傷を負い、自分を卑下し矮小化させるという心を植え付けられたように思います。すべては生き抜くための防衛であり、鎧であったと思われます。

「消えてしまいたい」という自己否定、自己存在の希薄さ、生きている実感の希薄さをリストカットによる血の流れで補い、刹那的にも生きている証を感じようとしている、その空虚さや痛ましいほどの愛情不足感…どう補償すればよいのでしょうか。

あなたは本当に過酷な境遇の中で、生き辛さを感じながらも、今日まで自己防衛に身を固めるようにして必死に生き続けてきたような気がします。他の人より苦しんだ分、同世代の人よりもあなたは忍耐力や優しい心を身につけているはずです。気づいていないかもしれませんが、それはあなたの心の宝になっています。

あなたは、安心し信頼できる人を見つけるとよいでしょう。その人に過去を話し、それが受け入れられるとき、あなたは過去と和解できるようになると思います。

また感謝する心を持てば人生が豊かになります。今生きていることが、どれほど多くの人に支えられているのかに思いをはせる時、感謝の心が湧き、自分も他者の命に貢献しようという心が起きてくるはずです。

今は過去の結果です。とすれば未来は、今生きて、何をしているのかが原因になります。つまり、未来は今をどう生きるか、今この瞬間に、どのような原因をつくるかによって決まります。

多くの人は、日常生活に埋没し、人生を考えたり、自問自答することもないでしょう。そういう意味では、あなたは人間存在という本質に疑問を投げかけ、それを求めている人と言ってよいかもしれません。

人間の一人の命は地球よりも尊いと言われています。脳や人体の精密さ、心の不可思議さ。 脳の構造一つ見ても、大脳皮質には130億個の細胞があり、その細胞一つずつには約1万個のシナプスがあります。脳のそれぞれの細胞間の電圧を利用して神経伝達物質が行き交い、私たちは活動し生きていると言われています。まことに神秘です。

このほか人体の各器官の機能の不可思議さと神秘さと偉大さは、コンピューターでも足元にも及びません。このことだけを取り上げても人間の心身の偉大さや尊厳さは他の生命体に比類のない素晴らしいものです。

あなたは、何があっても最大価値の生命を大事にされ生き続けてください。この辛い日々がいつまでも続くはずはありません。朝の来ない夜はありません。希望をもってください。

 あなたは、けっして病気ではありません。過去の深い傷ゆえに、不安定な心になっているだけです。自己否定が強く、自己存在の証が希薄なだけです。これからそれらを修正していけばよいのです。

生きていることの感謝、そして性格の鎧を脱ぎ、繕いを捨て、生地で生きていく。ありのままの自分が、たとえどんなにみじめに感じたとしても(自分が思っているだけで、人はそうは思っていない。自他の認知のずれも修正課題の一つです)、ありのままの自分を晒し、人に尽くしていくという奉仕の心で生きていくとき、きっと生きている実感を得れるようになると思います。