カウンセリング専門館への回答…2019.3.25…ベストアンサー
臨床心理シランの室です。
奥さんから「アスペルガーかもしれない」と告げられたのは、あなたのどういう行動面を指して言われているのでしょうか。実家との縁を切り、絶縁状態のままになっていたり、奥さんの気持ちとのすれ違いなどがあったり、会話がかみ合わなかったりという部分から言われているのでしょうか…。
光や音などの感覚の鋭敏さ。会話しながら何かをするという同時処理能力の問題。雑談ができない、冗談が通じない。こだわりが強く、自分のルーティンを守る、人の顔が覚えられないなどはアスペルガー(自閉症スペクトラム)によくみられる症状ですが、あなたにあてはまるものがどのくらいありますか…。
発達障害の診断は、本人やご家族から、これまでの発達の過程を聴収することで行われます。とくに小学校に上がる前を含む幼少期、児童期の対人関係がどうであったかが重要になります。本人だけの症状の説明や対人関係上の問題だけの説明だけでは、診断が偏ってしまうからです。家族(親)の本人の発達の経過の説明がなければ診断は困難です。ですから医師も診断に慎重になります。
心療内科の先生が仕事も出来ているという事実から、アスペルガーではないと判断されたのは一理あると思います。アスペルガーであれば、仕事が続かず転職を余儀なくされる人が多いからです。人生で、かなりの生き辛さを感じる人が多いという事実があります。
障害の診断は、生きる上で有効な支援を示す指標という点で大きな意味があります。自分の失敗や生きづらさの原因がわかる…自分の特徴がわかるという利点です。また、疾病利得もあります。法的に保護される部分もあるからです。それはあくまでも社会の中で生きる障害の生きづらさを保護するためのものです。
アスペルガーであれば、双方向のコミュニケーションがうまくいかず、対人関係で行き詰まり、職場の人間関係で長く勤まらないという問題がよく起こります。限られた職場でしか適応ができなくなりがちです。障害手帳を取得して、「障害枠」の中での就職になりますが、それもなかなか難しいようです。同僚や上司の理解がない職場が圧倒的ですから。夫婦ですら、理解してくれないのが現状かもしれません。
奥さんがアスペルガーに対して正しい理解をするためにも、奥さん自ら一度心理カウンセリング(アスペルガーに対する正しい理解のための心理教育)受けられるとよいと思います。そうすれば、夫婦とも納得できるでしょう。大人の発達障害に対応しているクリニックに行かれたらよいと思います。(大人の発達障害の診断をできるところは少ないようです。)
アスペルガーという言い方の中に、夫婦の問題、あなたの本当の問題が潜んでいるように思われてなりません。そこを明らかにすることがより重要だと思われますが…。
奥さんは「アスペルガー」という言葉を使って、あなたにモラルハラスメントをしているような気がします。その主観的決めつけはあなたを傷つけ、限りなく抑うつ気分をもたらしているかもしれません。奥さんのそうした「主観的決めつけ」の背景には、あなたの奥さんに対する問題の言動があるのではないでしょうか…。
アスペルガーかどうかという不安、奥さんからも言われたり、責められたり、それらが頭の中を占め、それだけで気分が上下しているようですので、ご夫婦でよく話し合われるべきかと思います。夫婦で他の心療内科に行かれるのもよいと思います。
また心にひっかかり罪悪も感じている実家との絶縁状態…人倫という視点から見るとき、どうなのでしょうか…修復されれば、気持ちもすっきりでき、気分の浮き沈みも緩和されるような気がしますが…。
いずれにしても「アスペルガー」云々よりも、夫婦関係の問題のような気がします。
はじめまして。臨床心理シランの室です。
入社したばかりで、緊張も解けない中での店舗への配属、不安でいっぱいですね。
文面から思うに、あなたは自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンと言われたのでしょうか…。
結論から言います。上司(店長)には、あなたのグレーゾーンの行動特徴を記録などして、理解を得ることをお勧めします。あなたが配属先でうまく適応していくためにはそうしたほうがよいと私は思います。
あなたには、双方向のコミュニケーションという課題、こだわりの強さ、時、場、目的などを読み取った会話などに課題がありそうな気がします…。
手順を明確にした、具体的な見える化した指示があれば、仕事上でも失敗なくこなせるでしょう。曖昧な指示の隠れた部分の読み取りが苦手なようなので、失敗に繋がるおそれが十分にあります。
小売店という人との会話が重視されそうな職種では、時や場、雰囲気などを読みとっての会話などが重視されるでしょう。雰囲気から心を読み取る察しの能力…ASDは苦手なようです。また冗談やたとえなどが、理解出来なかったり、雑談が苦手だったりします。
発達障害(グレーゾーン)を含め、精神疾患は、見えないだけに、なかなか理解されません。また、社会は均質されノーマルを求め、異質や差異を理解しない傾向があります。
本来、桜は桜の良さがあり、梅は梅、バラはバラ、タンポポはタンポポのよさがあり、それぞれの特性で生きています。
しかし便利さやスピードや快適さなどの利便性を重視した利益至上主義の社会では、失敗を許容する幅が少なくなっています。均質化された集団の中で、特徴的な行動をする人は異質として排除されがちです。
発達障害の診断は専門家でも難しいと言われています。著名な専門家に言わせれば、発達障害は発達のアンバランスの問題だと言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。
よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ビル・ゲイツ(アスペルガー)、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。
あなたのグレーゾーンがどんな傾向なのか。まず自分の特徴を理解しなければ、能力傾向も職業適性もわからないので、失敗を繰り返すことになります。そのためには、発達障害の専門家に相談し、自分の特徴を見立ててもらうことです。WAIS検査はされたのでしょうか? この検査をすれば能力や特性が見えてきますので、お勧めです。
特徴や特性を知った上で、社会で適応できる対人スキルなどを訓練で身につけることです。次に環境調整…ここでは店長に特性を理解してもらうことで、仕事に適応しやすくなります。苦手なこと、そしてできることを伝えるとよいでしょう。苦手なことに対して、甘えたり逃げたりするという事ではなく、失敗しないで仕事をするためと伝えることです。
今後の為にも、余裕ができたときでも、コミュニケーション力や自己表現力を高める練習アサーションなどを学ぶとよいでしょう。
「子どもがひきこもっている、どこに相談すればよいのだろうか…」「人間関係に疲れ、不眠で気力もわかない、いいカウンセラーはいないだろうか…」「服薬ばかりでいっこうに改善しない、根本的な改善をはかりたいのだが、いいカウンセラーはいないだろうか…」など、心の問題や病に関する問題をもちながら、カウンセリング先、心療内科選びで迷う方は少なくありません。
心療内科とカウンセリングルームですることの違いについて知識がない方も多くいます。(心療内科・精神科…診断後、症状を抑えるための薬物療法が中心。心理療法・カウンセリング…心理、社会、生物的要因を見立て、根本的改善をはかる心理療法を実施)
また、心理カウンセリング・心理療法について正しい知識をもっていないため迷っている方も多くいます。ここでは、そんな方に対して、カウンセリングやカウンセラーについての正しい知識を提供することによって、間違いのない、いいカウンセラー選びを助言します。
医師は業務独占資格ですから、免許がないと医療行為をすることはできません。免許なしに医療行為をすれば法律で罰されます。
それに対して、心理カウンセリングや心理療法には法律の規制はありませんので、誰でも心理カウンセリングを行うことができます。ここに、詐欺まがいのカウンセリングが入り込む余地が生まれます。資格も無資格から取得難易度の高い資格まで玉石混淆といった有様です。
心を病む人にとって、よいカウンセラーを選ぶことは、回復(治療)に大きな影響をもたらすことは言うまでもありません。心の問題だけでなく、心身の病の全てに当てはまることですが、いわゆる専門家と自称他称している者は、ピンからキリまで存在します。名医もいれば、やぶ医者もいるように、カウンセラーもさまざまです。これは、教育界、司法界などあらゆる分野に当てはまるものです。悲しいかな現在は詐欺の横行する時代であり、自己利益のために、人が不幸になることなど考えない人もいます。
心理カウンセリングや治療にとって最も危険なことは、カウンセリングや治療を受けることで、改善しないだけではなく、カウンセラー(治療者)不信になったり、病や精神状態が悪化することがあることです。つまり治療者によって新たなトラウマを作ってしまうことです。それは来談者(クライエント)の正しい見立て(アセスメント)ができていないことや、信頼関係ができていないなどの原因によります。
間違いのない、いいカウンセラーを選ぶ条件としては、以下の項目を確認してみるとよいでしょう。
1 カウンセラーの資格 2 経歴、経験 3 専門性(得意な心理療法) 4 カウンセラーの人間性、人生観
5 金額 6 場所 7 カウンセリングルームの雰囲気やスタッフなど
1 心理カウンセラーとして、どんな資格をもっているのかを確認する
企業が面接で人を採用する場合に、多くの面接官が、まず学歴を一つの採用基準にします。例えば一流大学に入るには、それだけの勉強や努力、投資をしているからです。また、一流大学を卒業するということは、多くの知識を習得しているとみることができ、また卒業生が実績を積み上げたりしていて、採用する側としては、学歴を一つの担保とみなすことができるからです。
心理カウンセラーも同様です。どんな資格をもっているのかが、まず大事になります。心理学の勉強や取得にどれだけの時間を費やし修業し、お金を投資してきたのかが問われるからです。以下に日本国内の心理カウンセラーの取得難易度を順番に列挙してみます。
SS、 ユング派分析家国際資格…国際的な資格で、日本人資格者は100人以下と言われています。受験資格を得るだけで4年かかり、取得までの費用は400万円近くかかるそうです。超難関資格といえるでしょう。
A、 公認心理師…心理の唯一の国家資格です。2018年に第一回目の国家試験があり、2019年2月から最初の有資格者が誕生しました。約28000人近くの有資格者がいます。 大学で心理学を勉強し、さらに大学院で心理学実習などをします。日本の心理職の最難関の資格と言えます。今後の活躍が期待される資格です。
A、 臨床心理士…民間資格ですが知名度、信用度とも高い資格です。大学院で所定の心理学や実習を終え卒業した翌年に受験資格が得られます。試験に合格することによって資格取得ができます。現在、約32000人近くの有資格者がいます。スクールカウンセラーのほとんどが、この資格の保持者です。また、心理職の採用求人の心理資格としては、臨床心理士(公認心理師)以外はほとんどありません。病院、学校、福祉分野では、臨床心理士(公認心理師)以外の資格を認めていないといってよいでしょう。公認心理師の8割以上は臨床心理資格保持者のようです。この資格は5年ごとの更新制があり、専門力を担保しています。公認心理師と臨床心理士は同等の資格といってよいでしょう。
B、 学校心理士、臨床発達心理士
四年制大学卒業が必須です。学校心理士は、大学院修士修了つか実務経験1年、大学卒業かつ5年の実務経験が受験資格になります。難易度の高い資格です。臨床発達心理士も心理学部卒業、大学院修士、3年の実務経験も必要です。学校心理士同様に難易度は高いです。この二つの資格保持者はスクルーカウンセラーとして学校に勤務しています。
C 認定心理士
認定心理士は大学で心理学の所定の単位を取得し大学を卒業すれば認可される資格です。試験はありません。公的な教育関係の仕事での採用は少しですがあります。
D 産業カウンセラー、メンタルケア心理士、メンタル心理カウンセラー、上級心理カウンセラー、ケアストレスカウンセラーなど
上記A~Cの資格に比べると、学歴や学科に関係なく、だれでも挑戦し取得できる資格です。講座受講期間や金額に差はありますが、
通信や、養成講座を修了すれば、受験資格が得られます。期間も半年以下であり、1か月以内で費用も数万円で取れる資格もあります。
その他、交流分析士、行動療法士、家族相談士など様々な資格があります。ネットで調べれば、取得期間や費用がわかります。
取得難易度の高い資格はSSからBまでと言えそうです。SSを除けば、公認心理師、臨床心理士、学校心理士、臨床発達心理士
となりそうです。これらの資格は、大学院修士レベルの学歴と、取得にかかる費用も膨大です。スクルーカウンセラー採用資格になっているのも一つの証拠といってよいでしょう。
また病院の心理職は、臨床心理士・公認心理師(稀に精神保健福祉士)しか採用されていません。その事実が資格の信頼度を物語っているといってよいでしょう。
2 心理職として、どんな経歴、経験、実績があるかを知る
いくら難易度の高い資格保持者でも、経験がなければ絵に描いた餅に等しいといってよいでしょう。私は中学教師を長く勤めていましたが、最初からいい教育や授業ができたわけではありません。3年間は失敗の積み重ねから学んでいく日々でした。4年目から、過去の経験を生かしての教育ができるようになったものです。多くの新規採用教師も同様で最初の1年目はとても苦労をしています。これは何も教師に限ったものではないでしょう。あらゆる職種に共通するものといえます。
心理職としてどんな経歴や経験があるのか、どこに勤め、どんな仕事をしてきたのかなどが一つの基準になります。
某県の臨床心理士会の規定では、開業カウンセラーは、臨床経験7年以上とあります。公的機関と違って、倫理性やカウンセリングの責任を考えると、そのくらいの資格取得後の経験は必要だと思います。
3 カウンセラーの専門性・得意な心理療法を知る
心の病(精神疾患)は多岐にわたっています。医師は医師免許を保持していれば、全ての病気を診察することが許可されていますが、実際は得意な専門分野のみを診察しています。現代の細分化された医学では、全ての分野をみることが不可能であることを知っているからであり、医療行為の責任や倫理観にもとづいていると思われます。
精神(心理)の分野も同じです。心の分野は科学性の光が当たっていない部分が多く、身体医学に比べて大きく遅れていると言われています。それゆえに、占いをはじめ誰でも携わることができる分野であり、危険性のある分野であり、似非カウンセラーが入り込む余地もあります。
心理カウンセリングの分野も全ての領域に対応できるというのは、逆に言えば専門性がないということを語っていることでもあります。そうしたカウンセリングは、ただ話を聞く程度の面接であり、改善への力になるかどうかは不明であり、専門性に裏打ちされていないといってよいでしょう。
専門性が高くなればなるほど、自分の力量の自覚もでき、できることとできないことの自覚ができるようになり、専門分野も明確になってきます。似非カウンセラーが専門性もないまま、クライエントに対応すれば、病を悪化させてしまいます。なぜなら、正しい見立て(アセスメント)もできず、改善プランも示せないからです。外科や内科のように治療の結果(レントゲン、検査数値など)が見えない分、責任を問われることもないので、一層の危険性があります。
心理療法の専門性を大きく大別すれば、以下の三つになります。
来談者中心療法 …広く浅く悩みや心の病に対応。
精神分析 …フロイトの神経症治療から始まった、神経症に適切な治療法。
認知・行動療法…うつ、不安、パニック、対人恐怖、PTSD(トラウマ)などに対応。エビデンス(治療実績)が高い治療法と認められている。
医師が実施すれば保険適用される唯一の療法(それだけ治療効果が高いとされている)
そのほか、上記の療法から派生したもので主なものでも、交流分析、ゲッシュタルト療法、支持的精神療法、臨床動作法、芸術療法、ナラティブセラピー、家族療法、対人関係療法、遊戯療法、グループ療法などたくさんあります。
また、日本で生まれた森田療法や内観療法もあります。
森田療法…神経症(対人恐怖・強迫性障害)、うつなどに効果的
内観療法…反社会的行為、非行少年に効果的とされていた
対人関係療法…摂食障害、トラウマ、社交不安障害などに有効
やはり歴史があり、研究実績があり、治療実績(エビデンス)の高い著名なものを選択するほうが間違いは少ないと思います。
4 カウンセラーの人間性を知る…誠実、責任感、奉仕の心、向学心、公平さなどの視点から
カウンセリングが人と人の関係の営みである以上、カウンセラーとクライエントの関係は症状の改善に大きな影響を与えます。かつて、抗うつ薬のプラセボ実験がありました。偽薬と本物の薬の治療効果を実験したところ、思ったほどの差がなかったと報告されています。処方する医師を信じれば治療効果が高くなり、疑えば効果が低くなると言われています。
かつての有名な宗教家が病を治すことができた多くの理由が信者が「信じる」ということから起きた奇跡であったと思われます。まさに「信ずるものは救われる」であり、そうしたことは心理カウンセリングの場面でも起こります。
クライエント(来談者)がカウンセラーを信じられるかどうか、その要素の一つになるのがカウンセラーの人間性です。
人間性…まず誠実な人。次に奉仕の心…悩める人の苦しみに共感し、改善のための努力を惜しまない人。人によって差別しない公平さのある人。人の心は不思議であり、10人のクライエントがいれば、10通りの療法が必要になります。改善のために、来談者に学び、先人の知恵に学ぶなどの向上心が必要です。
謙虚に学びのあるカウンセラーは、間違いのないカウンセラーの条件です。
一度面接をすれば、相性を含め、人間性も少しわかり、自分に合っているかどうかの見分けはつくと思います。また、ネット上で、プロフィールや考え方、人間観などの欄を参考にするのもよいと思います。
5 カウンセリング料金…カウンセラーが独自に決めていて相場はないが、認知行動療法なら8000円~10000円が対価として妥当。
料金は安いことにこしたことはありませんが、カウンセリングの対価ということを考えれば、ある程度の金額はやむをえないと思います。
高ければよいわけでもなく、安いのでカウンセリングレベルが低いというわけでもありません。それぞれのカウンセリングルームが独自に金額は決めています。決める基準は定かではありません。理想は安くて質のよいカウンセリングです。しかし、実際はなかなかそんなカウンセリングルームには出会えないかもしれません。
公的機関に勤務する臨床心理士の時給は、スクルーカウンセラーが約5000円、刑務所や学生相談室が3000円~6000円、保険適用のある病院では1500円~3000円ぐらいです。ちなみに、精神科クリニックで実費負担のカウンセリングは5400円~20000円です。
民間のカウンセリングルームは、保険が適用されません。当室で認知行動療法を実施するとき、カウンセリグ時間が60分~100分。事前準備、事後の分析整理、見立て、計画、記録などが2時間かかります。つまり、1ケースのカウンセリングにかかる時間は3時間から3時間半です。せいぜい一日にもてるケースは3ケースぐらいになります。時給2000円として換算しても6000円から7000円ぐらいです。このほかカウンセリングルームの維持・諸経費がかなりかかります。それを加算すれば、8000円ぐらいが妥当と思われます。
6 場所…通所しやすいところがよい。
カウンセリングは稀に初回で終わるものもありますが、通常は3~12回ぐらい(当室のデータ)かかることが多いです。長く通所することを考えれば、やはり通所に便利な近いところがよいでしょう。
7 カウンセリングルームのスタッフや雰囲気…できれば男女二人以上がよい。
男性のみとか女性のみではなく、男女両方のスタッフがいることのほうが多様なクライエントに対応できると思います。またカウンセリングが密室で行われることを考えれば、複数スタッフ(男女)がいることのほうが安心できると思います。
面接室などホームページで確認できる場合は、閲覧し面接室の雰囲気を知ることができると思います。
8 その他…口コミについて…話半分ぐらいにしたほうがよい。嘘が混じっていることがある。
私自身、かつて歯医者を選ぶ際に口コミ点数が地域で高いデンタルを選択し通院したことがありますが、まったく事実は違っていて、ひどいところでした。そのとき、口コミの内容は「さくらが書いたもの」と確信したほどです。以来、ゆこゆこの旅館選びなど、口コミ情報は一応は参考にはしますが、他の要素を重視し選択するようにしています。口コミにも巧妙な営利や儲け主義が入り込んでいますから、鵜呑みはしないほうがよいと思います。また、通所した方の言動も、個人差があったり、相性があったりするものです。Aさんにとって、名医であったとしても、Bさんにとってやぶ医者になる事例もある話です。やはり、総合的な判断が必要です。無知は不幸の入口になりますから、賢くならなければいけません。
カウンセリングCOM質問者(10代後半女性)への回答
はじめまして。臨床心理シランの室です。
「生きていることが正解なのか」という質問…あなたが生きているということそのものが、自分にも両親にも、社会にも価値をもたらすことなく迷惑や不利益になっているのではないか、そんな人生に生きる意味があるのだろうかという人間存在の本質への問いになっているようです。
人間の幸福、運命、生死、病気、生命、持って生まれた差異などは古来、宗教家や哲学者のテーマとなり、彼らはそれを追求してきました。イエス、釈迦、マホメット、ソクラテス、デカルトなど歴史上数多くの著名な方がその道を探究し究めたようです。
特に世界三大宗教と言われるキリスト教(イエス・キリストが創始者)仏教(釈迦が創始者)イスラム教(マホメットが創始者)の教えは、あなたの質問…「生きていることが正解なのか」に対する回答を、それぞれの立場から回答しているようです。
人間存在の意味…。私も大学時代に、病気を患い、自分がわからなくなり、生きる意味がみいだせず、悩み苦しみました。「人は何のために生きるのか…」と煩悶し、哲学、宗教、人生論の本を読みあさったことがあります。
ここで私が当時、一番読みあさり勉強した仏教(法華経)のことについて少し紹介します。
仏教の開祖、釈迦(ブッタ)は何不自由のない王子として生まれ育ちましたが、心に煩悶を抱き、人生に悩んでいたと言われています。
有名な四門遊観…王宮の東門で老人を見て、人は老いる苦しみを免れないと知ります。西門に病人を見ては、人は病気の苦しみを避けられないと知ります。南門に死人を見ては、人は死ぬ存在という苦しみを持っていることを知ります。そして北門で高徳の人を見て、19歳で、全てを捨てて出家したと言われています。
人生は生老病死(生きる・老いる・病になる・死ぬ)という四つの苦しみから逃げることはできない。その四苦に代表される人間の苦しみの解決のために、釈迦は出家し求道の旅に出たのでした。
人生の意味を探究し修行を続けた結果、釈迦は生命の真実、宇宙の実相を悟ったと言われています。
釈迦の悟り…生老病死という四苦は無常ですが、その背後に常住不変の生命を悟ったといわれています。それが法華経に説かれ、奈良時代、平安時代に貴族の間に親しまれ、紫式部の「源氏物語」などにも登場しています。
釈迦の生命観…誰人の中にも等しく内在する可能性の生命…創造的で幸福になっていける生命と知恵が具わっている。自らも幸福になるとともに、周囲の人(自然も含めて)も幸福にしていくという共生、連帯の生命観と言われています。いかなる運命や宿命をも転換できる生命の働きをもつという生命観です。
一日の人の命は、宇宙の宝すべてよりも尊いとも説いています。この世界で、人間だけが、自らの可能性を信じて自らを変えていける「聖道正器」の存在とも言われています。確かに動物や植物は、自らを変えることもできず、本能のまま、生態系に従って生きています。
その尊い人間の生命として誕生してくる可能性をガンジス川の無数の砂の一粒という譬えで説いています。つまり人間生命はかけがえのない尊さをもった存在ということです。しかも、どんな境遇、運命も宿命も、自らの生命に具わる可能性を信じていけば、転換できるとも説かれています。
自らに内在する尊極の生命を信じられるかどうか。釈迦は信を強調されたと言われています。簡単に言えば、自分の生命の可能性を信じて行動し生き抜きなさいと教えたのです。
話は変わります。
あなたは若いのですから、薬や双極性障害について、学ばれ、正しい知識を身につけ、自分理解・把握をされたほうがよいと思います。自分の病気を治す最高の医師はあなた自身だからです。
今は治療費の件で、ご両親に負担をかけているようですが、あなたが元気になり、仕事に就いていけば、恩返しはいくらでもできます。今は、健康になることに全力を注ぐことです。
障害者サポートセンターなど公的機関に相談され、経済的な面や社会復帰のことなども同時に進めていかれるとよいと思います。孤立してしまうと心はどんどん落ち込んでいきますし知識や情報も得ることができませんから。
最後に私が苦境の頃に励まされた言葉を贈ります。
「一度(ひとたび) 病に倒れたとしても 決して屈してはいけない
多くの人が立ちあがり 一生満足を送っていることを考えれば
君の生きゆく資格は 絶対と知ってもらいたい」
「私はこの世に人間の旅に出たのだ 生命究極の目的まで
疲れても歩まねばならない 風の日も雪の日も
野宿の時も覚悟しながら 私はひたら歩むのだ」
メール相談の回答
臨床心理シランの室です。
小学校の中学年の頃はギャングエイジと言われる年代で、友達とグループでいろいろな遊びをして喜怒哀楽を育む時期でもあります。そのときにいじめに遭ってきたというのは、本当に辛い経験をされましたね。
そして中学生という思春期…感受性の強い時期であり、精神・感情形成に大事な時期にもいじめを受けてきた…腹痛は心の痛みの代理表現だったにも拘わらず、我慢して登校を続けた…あなたは、かなりの無理を続け、そのため心はひどく傷つき、疲弊し、喜怒哀楽という感情を強く閉じ込めてしまった…そうするしか、あなたはいじめから自分を守る方法がなかったようです。
あなたは、今その後遺症ともいうべき、トラウマがもたらす症状に苦しんでいるようです。コミュニケーションがうまくとれない、人や会話が極度に苦手、喜怒哀楽が自然に表現できない、素の自分が出せない…すべて過去のいじめがもたらしたものです。
いじめをした人たちが、社会で何食わぬ顔で生きているにもかかわらず、被害者のあなたが、今なお苦しんでいるという現実。許されるべきではありません。いじめは絶対悪であり、許されない行為です。このような日本社会を変えなくては、あなたのような被害者が今後も生まれてくるでしょう。憤りを感じるのは私一人ではないでしょう…。
あなたの切実な希望…喜怒哀楽を自然に感じるようになりたい…。
この実現の確実な方法は、よい人と交わることです。人によって傷つけられた心は、人によって癒されると言われています。あなたを無条件で受け入れてくれる人、本当の意味で優しい人…そうした人と触れ合うことで、どんな感情も表現してもよいのだという安心感がもたらされ、いつしか喜怒哀楽の感情は自然に表現されるようになるでしょう。
雑談、たわいのない会話が心のスキンシップになります。
私的なことで恐縮ですが、私は小学校の中学年の頃、父子家庭であったこともあり親から放任され、養護施設で4年間の生活を余儀なくされ、心は屈折していたようです。私を無条件に受け入れ、肯定してくれた人が、20歳の頃に出会った5才年上の方でした。その人のおかげで今の自分があると思っています。(HPに説明、自伝的小説「失敗もいいものだよ」に詳述)
動植物の世話をしたり、人の世話をしたりすることも感情の回復には効果的だと思います。ペットを飼い、お世話をする。メダカを飼うのも良いでしょう。植物や花を育てるのもよいと思います。自然に触れたり、クラッシック音楽を聴いたりするのも情緒を育むことにつながると思います。日記で感情表現することも一方法です。(当室でもメールカウンセリングを実施していますので日記療法は可能です。)
ボランテイアー活動もよいと思います。介護施設などで老人介護の仕事に携わるのもよいでしょう。人の世話をすることで、本来の感情が蘇ると言われています。
昔の偉人の伝記(ヘレンケラー・野口英世・ナイチンゲールなど)や書物に接すれば、時空を超えて、素晴らしい人格者と出会えると思います。優れた偉人の生きざまに学ぶことも情緒面には有益でしょう。
若いので、いろいろなことを試されるとよいと思います。
メール相談の回答
北九州の臨床心理シランの室です。
記憶障害、自傷行為、解離など症状のコントロールに苦しみながらも、今日まで必死に生きてこられたあなたを尊敬します。どんなことがあったとしても生き続けることが人間にとって最大の価値だと、私は信じるからです。
症状のため、会社の辞職、その生きづらさは当事者でしかわからない想像を絶する辛さだったと思います。
相性のよい、力ある心理療法か(カウンセラー)に出会えれば、あなたは必ず回復されると思います。
私も200床の精神科病院に非常勤で入っていますが、現在の精神科医はどこも多忙で、精神療法といっても10分前後の薬の処方が中心になっています。残念ながら医師によるカウンセリングは期待できないと思います。ただ、睡眠、精神の不安定など日常生活の適応調整のため、薬も補助的には効果があるかもしれません。
根本的には、あなたが痛感されているように心理療法によって、自発的治癒力(レジリエンス)を強めることが大事だと思います。
カウンセラーは経験豊富な臨床心理士がよいと思います。臨床心理士はしっかりした倫理規定のもと心理面接をするように訓練されているからです。
ただし、臨床心理士も経歴や経験により「解離性障害」に対応できない方もいると思います。この障害は、だれでもできる簡単なものではないと私は思っています。かつてあなたがスクルーカウンセリングで幻滅したように、カウンセラーの見極めが大切です。
解離性障害は、専門家によれば、精神分析や認知行動療法では、うまく対応できないと言われています。支持的精神療法が効果的とも言われています。理想的には、今通院されている病院には臨床心理士が複数いると思いますので、解離性障害に対してキヤリアのある方に依頼されると料金も保険適用内で済むかもしれません。
いずれにしても、相性のよいキャリアがありプロ意識の高い臨床心理士で、支持的精神療法をされる方がよいと思います。面接のほうが効果的だと思います。
今あなたに必要なのは、あなたの心の癒しであり、心の平和であり心の平安です。
幸せで快適な出来事は心的外傷の癒しに重要な役割を果たします。よき友達や家族(母親)との会話のような体験…楽しく、未来が展望できるような、積極的生き方ができるようなできごとを日常生活の中で作ることが大事と思われます。
五感を使って心を癒してみたらどうでしょうか。
目…心を癒すものを見る。朝焼け、夕焼け、空、花、自然、山、川、植物、絵など…
耳…癒される音楽、鳥の鳴き声、せせらぎ、好きなラジオなど
舌…好きな食べ物、コーヒーや紅茶、ハーブティーなど
鼻…いい匂い、アロマ、花の匂いなど
身体(触)…散歩、運動、複式呼吸、ストレッチ、入浴、温泉、エステ、マッサージなど
意識…読書、友達や家族との楽しい会話、日記を書くなど
思いつく癒しを列挙しましたが、まだたくさんあると思います。あなたにあった「心休まる、癒し、心の平和をもたらすもの」を探し、試みるとよいと思います。
〇相談内容
「冗談が判断できない。会話の返しがうまくいかない。愛嬌がないと言われる。頭の回転が悪く、判断が遅く、行動がとろい。
発達障害があるのだろうか?」(30代女性)
◆ベストアンサー…心理カウンセリングCOM
臨床心理シランの室です。
あなたの文面、言葉の遣い方、物事の捉え方(出来事を言葉にして表現)で気になることがありますので、以下に私見を述べてみます。あくまで個人的考えです…。
一つは、「冗談を瞬時に判断できません」
もう一つは、「思考、言動すべてがとろくさい」 という表現です。
まず「冗談」ですが、冗談にも様々あり、冗談半分、本気半分など、冗談か、本気か判断できないものが多くあります。使う人の性格にもよります。つまり、冗談を瞬時に判断すること自体、簡単なことではないということです。冗談を真に受け、トラブルになることもあるからです。
ですから、「冗談を瞬時に判断」できる人は、冗談のプロともいうべき人でしょう…。
冗談は、言葉のみで判断するというより、その場の雰囲気、場所、人との関係のなかで使われるからです。誰に対しても冗談は言えるものではなく、冗談を言えない相手もいます。(職場の管理職など、関係性の薄い人などに対して)
あなたは「冗談が通じない人」ではないかと気になっているようですが、その原因は、場の雰囲気を読んだり、相手の心をくみ取ったり、相手の立場を想像したりすることが苦手だからではないでしょうか。いわゆる、双方向のコミュニケーションがうまくいかない、苦手ということではないでしょうか。
次に「思考、言動がすべてとろくさい」という表現も気になります。自分に対する捉え方に極端さが見られます。好きなことや得意なこと、興味関心のあることに対しては、思考や言動は、けっしてとろくさくはないと思うからです。
思考や言動も、物事、対象、人間関係などの状況によって変動するものです。
ですから、すべてがとろくさいという自分に対しする捉え方は、極端であり、偏りが感じられます。このような捉え方は、全否定的であり、あなたの良さをだめにしていくことになってきたのではないでしょうか。
結論すれば、思考や認知、想像力に偏りや不足がみられ、発達障害傾向が推測されるということです。
前回も提案しましたが、やはり一度専門機関(医療機関)でWAIS検査を中心とした診察を受ければ、あなたの生きづらさの原因がはっきりすると思いますし、何より安心できるのではないでしょうか。
もし発達障害があるなら、早期に対応していけば、二次障害(人間関係のつまずきや仕事上の失敗や抑うつなど)を未然に防ぐことができるし、仕事や職場の人間関係にもうまく対応できるようになると思います。
発達障害について少しだけ補足します。
専門家によれば、発達障害は発達のアンバランスの問題だと言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。
よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ビル・ゲイツ(アスペルガー)、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。
バランスの悪さは、本来誰人にも内在する固有な個性や特性に偏りがあるため、その人のよさ(個性)がうまく発揮できていない状態と考えられます。
あなたが自分の特性を知り、理解できれば、生きづらさは減少するでしょう。また良い部分を活かしていけば、明るい生活ができるようになると思います。
臨床心理シランの室の最近の主な相談内容を紹介します。
〇面接相談事例
・適応障害と診断され休職。クリニックで薬治療を受けているが、薬に頼らずカウンセリングで治したい。(30代男性)
→心理検査でアセスメント。認知行動療法を中心としたカウンセリングを実施。心理教育、ストレスコーピング、自律訓練法、自己観察 の方法などを取り入れた面接の結果、3回で終結。復職する。
・部活の顧問の指導についていけず不登校。部活を続けるべきかどうか悩んでいる。(中学生女子)
→女性カウンセラーが2回面接。問題解決し登校を始める。
・心気傾向で重たい病気になっているのではと不安で仕事もできない状態。クリニックで不安障害と診断され薬治療を勧められたが、服薬していない。薬を使わず治したい。(20代男性)
→心理検査でアセスメント。認知行動療法・森田療法的カウンセリングを実施。心理教育、エクスポジャー法を取り入れた面接の結果、3回で終結。仕事を始めるようになる。
・仕事、将来の進むべき道、自分が分からなくなっている、弱い自分を変えたい。(40代女性)
→女性カウンセラーが面接。一回の面接で問題解決。
・アスペルガーと診断され、障害枠で就職したが、取引先で人間関係の問題を起こし離職。今後どうすればよいのか(40代男性)
→継続相談中
・中学生の息子が半年前から連続欠席。原因がわからず、どう対応すればよいか悩んでいる。先行きも不安。(40代母親)
→継続相談中
・発達障害傾向と学校の先生から言われている中学生の息子。先生とよく衝突することもあり、学校に行きたくないという。勉強もついていけない。どうすればよいのか。(40代母親)
→心理検査でADHD傾向とアセスメント。環境調整、学習指導を中心に面接。両親面接実施、発達障害理解、特性の理解、心理教育を実施。約1年で課題解決。
・高校に入学後、最初のころだけ登校。5月ごろから昼夜逆転の生活になり深夜ゲームに熱中。ゲーム依存の状態。どう対応したらよいかわからない。(40代母親)
→抑うつ傾向の母親の面接を5回。子どもの面接を4回。心理検査でアセスメント。病院につなぐ。
・30代の娘が15年近く引きこもっている。リストカット、自傷行為がある。どう対応すればよいかわからない。(60代女性)
→母親面接と並行して子どもの面接。拒食傾向、強度の便秘に対して食事療法。10回の面接後、就労移行施設につなぐ。
・大学卒業後、一年間勤務。解雇になる。その後、10社以上面接を受けるもすべて不採用。不採用の原因が分からない。(20代男性)
→知能検査(WAIS)・アスペルガー検査。併せて病院で診断。SST、アサーショントレーニングなどを実施。就労移行施設を経て就職。
・過食、嘔吐、不安、動悸で仕事を辞める。クリニックで薬治療を受けているが、カウンセリングで治したい。(20代女性)
→認知行動療法を実施。5回の面接後、故郷の実家に帰る。
・30代の息子が8年前から引きこもっている、社会に出てほしいのだが、どうすればよいかわからない。(60代母親)
→アサーショントレーニング、自己表現力訓練。10回の面接後、若者サポートステイションを経て8年ぶりに就職。
・中学時代にいじめをうけ、それ以来、人が怖い。働きたいが人間不信があり、一歩踏み出せない。(10代男性)
→心理検査でアセスメント。認知行動療法面接実施。SST、アサーショントレーニング実施。10回の面接後、就職。
・中学生、不登校。登校した時は特別教室で過ごす。自閉症スペクトラムと診断されている。学校適応させたい。(30代母親)
→SST、遊戯療法、学習指導を実施。1年間の面接後、高校に進学。高校では学校に定着できている。
(無料メール相談事例)
・いじめ、虐待で解離性障害(二重人格)を発症。精神科通院。カウンセリングで治したい。(20代女性)
・アスペルガーの妻の束縛が強く、妻も自分も疲れ果ててしまっている。離婚すべきかどうか迷っている。(20代男性)
・職場の仲がよかった上司が突然冷たくなった。居ずらくなり退職。その後メールをするが返信なし。どうすればもとのような仲にもどれるのか。(20代女性)
臨床心理シランの室では、カウンセリングCOM、心理カウンセラーCOM、カウンセリング専門館、心理カウンセリングサーチの無料掲示板に回答しています。今回、その中で「ベストアンサー」となった五つの回答を紹介します。
〇「密集恐怖症を治したい」(カウンセリング専門館) 女性 2019,2,14
はじめまして 臨床心理シランの室です
密集恐怖症は正しい治療法に則っとって治療していけば改善されます。今日まで、多くの人が改善しています。
ゴキブリを怖がる人は多くいます。蛇はほとんどの人が気持ち悪く思い、怖がります。犬に咬まれ、それ以来、犬恐怖症になる人もいます。注射恐怖、病気恐怖、不潔恐怖…、世の中には本当にたくさんの恐怖症があります。
恐怖体験は、一度で脳に深く刻まれ、記憶され、忘れられなくなります。その恐怖体験が、のちの生活に影響を与えるものになるか、それとも徐々に消化され、やがて気にならない存在になるかは、その人の性格や気質やそのときの精神状態によると言われています。
過去のあるときの密集したものに対しての恐怖体験がきっかけになり、それ以降、密集したものを過度に意識してしまい、結果、恐怖に襲われてしまう。それがあなたの身体状況にまで影響を与えているということですね
恐怖という不快感情は身体に影響をもたらします。胸が苦しくなったり、動悸がしたり、吐き気やめまい、食欲にも影響を与えます。緊張や興奮が交感神経に影響するからです。
人間はイメージや自己暗示(自分に投げかける言葉)によって、喘息を引き起こしたり、ジンマシンになったり、発熱したり、胃が痛くなったり、様々な身体症状をもたらすと言われています。心と体は一体の関係なのです。
あなたの頭皮のかゆみも心のイメージがもたらす結果のようですね。
恐怖症に効果がある心理療法は、認知行動療法か森田療法が実績も高くお勧めです。本を読んで自ら実践されるのもよいと思います。自力で無理であれば、上記のカウンセリングを受けられるが早道でしょう。(私的なことで恐縮ですが、私は25歳の時、心臓恐怖症になり、本を読んで自力で克服しました。HP自伝に記載)
自分自身の性格や認知や行動の傾向を知り、修正していく必要があります。それを可能するのが認知行動療法であり森田療法です。
過去に見た画像が脳裏によく浮かぶ。気にする…過度に意識する…それにとらわれ、執着する。その囚われがすべての原因になっています。囚われという字のごとく、あなたという人が、密集した画像に囲われた状態、囚われの身になっているようです。
その囚われからの解放が治療目標になります。
つまり、頭の中の画像を言葉で取り払おうとしたり、思い浮かばないようにしようとしたりすればするほど、犬に追いかけられるように恐怖に追いかけられるようになっています。つまり、今の苦しみはあなたが増幅させているといってよいでしょう。
不安や恐怖という感情を言葉でやり繰りせず、「あるがまま」に受け入れ、緊張したまま、恐怖したまま、画像のイメージを受け入れれば、逆に恐怖や不安はおさまっていきます。不安や恐怖を言葉で追い払おうとすればするほど、「とらわれ」から抜け出せなくなり深みにはまり、密集恐怖は増幅されます。
あなたは、よりよく生きたいという気持ちが強いため、不快を避ける心が強くなっています。今はそれが恐怖症状を強めあなたを苦しめていますが、克服した場合はプラスとなり、あなたは人間として一回り成長をとげるでしょう。
〇「将来どうしてよいか悩んでいます」(カウンセリングcom) 30代前半、女性 2019,2,6
はじめまして 臨床心理シランの室です
「青春の夢に忠実であれ」とはドイツの有名な詩人シラーの言葉です。
あなたは決して中途半端ではありません。むしろ、自分の気持ちに忠実に生きようとしたりしているため、迷いも多く中途挫折を経験しているに過ぎないと私は思います。
フラフラしているのではなく、本当に自分にふさわしい道、ある意味アイデンティテイの確立を求めて生きている結果のように見えてなりません。
留学という異国の体験で考えた養護教諭の道…理由も立派だと思います。その道を目指し、あなたの夢をかなえるべきだと私は思いました。
私的なことで恐縮ですが、私は高校中退し働きながら定時制高校卒業。アルバイトをしながら、3年間大学受験浪人。志望学部も、理工学部、医学部、最後は総合科学部に妥協するように入学しました。大学に入っても、フワフワ彷徨い、学校に行かず深夜のバイトづけ、小説家を目指した時期もありましたが、一念発起し、教師の道を目指しました。大学を29歳で卒業した後、中学教師になりました。振り返ってみると最も自分にあった道だと思えるようになったものです。(HPに記載)
教員になった人の中にも、いったん社会に出て、教師になろうと通信教育で教職免許をとり、
教壇に立っている人を同僚として何人も見てきました。中には40歳近くで教師になった人もいますし、何回も採用試験に失敗した人もいますが、あきらめずに執念をもって臨んだ人は最後は教師になっています。学卒でそのまま教師になった人よりも、社会に一回出た人のほうが、考えや心に幅があり、子どもの気持ちがわかる人が多く、教師としても立派な方が多かったような気がします。その意味では、看護師を2年間経験し、社会を知ったあなたはそれだけで人生経験の幅が広がっています。きっといい養護教諭になれると思います。
私は臨床心理士資格を、教師をしながら佛教大学大学院の通信で学び取得しましたが、同期はみな40歳代以上の仕事を持った人たちでした。その中に40歳の現役の客室乗務員(既婚者)の方がいました。彼女は臨床心理士資格を生かして心病む人たちに貢献するという強い目標をもち、臨床心理士となり、現在スクールカウンセラーで頑張っています。
看護師をしながら養護教諭を目指すのもよいと思うし、他職に携わりながら養護教諭を目指すのもよいと思います。養護教育になるということを目標に掲げ、その達成に向かって今は努力を重ねることです。そして必ず目標達成すると強く念じることです。
よい人に巡り合えば結婚することになるでしょうが、養護教諭の道は貫くべきだと思います。
先輩や友人に相談することも大事でしょう。相談する…他者に自分の一部を開示することによって、自分では気づかない自分の一面に気づいたり、多くの新しい情報を得たりするなど、視野が開けると思うからです。
決断することは、ある意味、賭けでもあります。人生に確実性が保証されているものは少ないといってよいでしょう。確実性をもたらすものは、決断後のあなたの行動であり、努力であり、経験の積み重ねです。
全てがわかって決断できるものではありません。多くの人は、不安を抱えたまま決断しています。一つの選択は、他の多くの可能性を捨てることでもあります。捨てるからこそ、選択したもの大事にしていくのです。努力してものにしていこうとするのです。
人は悩み、それを解決していく中で成長を遂げていくものです。あなたの今の苦悩は、あなたを成長させる糧になるでしょう。
養護教諭となって青少年を心の病から守り、未来に生きる人たちの灯台になられんことを私は願っています。あなたならきっとよい養護教諭になれると信じています。
〇「やりたいことがわからなくなりました」(心理カウンセラーCOM)10代後半、女性 2018.10.23
はじめまして 臨床心理シランの室です
大事な進路選択です。一人で悩まず先輩や、その道の専門家に相談することを勧めます。相談する…他者に自分の一部を開示することによって、自分では気づかない自分の一面がわかったり、多くの新しい情報を得たりするなど、視野が開けると思います。
相談先としては、専門学校の進路担当、HWの新卒コーナー、準公的な機関の若者の就労をサポートする機関など、無料で相談できるところは、たくさんあります。ネットで調べれば見つかると思います。しかるべきところに相談し、ある程度自分の方向が決まった時点で、ご両親に話をすればよいのではないでしょうか。
職業の選択を決断する時には、何のためという目標や目的、進路先の仕事の内容や会社情報など、自分にとっての適性や価値の有無、そして何よりも大事なのは、その仕事をやってみたいという意欲がどのくらいあるかが大事になると思います。
自分がその仕事に向いているのかどうかという適性は、厳密には経験してみて初めて分かるものです。はじめからわかる人は、ほとんどいないといってよいでしょう。ただ周囲の人が「○○に向いているよ」とか「○○になったらいいよ」などと進めてくれる場合はありますが、実際は経験してみないとわかりません。
あなたの現時点の状況は、動物関係の専門学校在学→それに関連する職種を探す→どこかしっくりいかない。しかし、現実は、自分に向いているかどうか、仕事ができるかどうか、自分の本当にやりたい仕事なのかどうかと、現実と理想が不一致になっている状態のようです。青年期は現実と理想のギャップの大きい時です。
選択することは、ある意味、賭けでもあります。人生に確実性が保証されているものは少ないといってよいでしょう。確実性をもたらすものは、決断後のあなたの行動であり、努力であり、経験の積み重ねです。
全てがわかって決断できるものではありません。多くの人は、不安を抱えたまま決断しています。一つの選択は、他の多くの可能性を捨てることでもあります。捨てるからこそ、選択したもの大事にしていくのです。努力してものにしていこうとするのです。
私的なことで恐縮ですが、私は自分の進路に迷い6年間大学に在学しました。曖昧な学部のせいもあり就職で悩みました。親友に相談したりしましたが、多くのことがわからないまま、教師の道を選択しました。適性や能力以上に、その道に賭けたのです。それから努力し学び続けました。(HPに記載)
人は悩み、それを解決していく中で成長を遂げていくものです。あなたの今の苦悩は、あなたを成長させる糧になるでしょう。
〇「アスペルガーADHDかもしれない」(カウンセリング専門館) 40代男性 2018.8.2
はじめまして 臨床心理シランの室です
ユングという有名な心理学者は、人間の発達段階で「思春期」「中年期」を危機ととらえていました。あなたも、「中年の危機」に差し掛かっているのかもしれませんね。
現在、精神科医が使っている精神医学の診断基準は、DSM-5が使用され、編纂を重ねるたびに病気が増えるという不可解な現象が起きています。
発達障害の分類も変わり、自閉症ゾーンは「自閉症スペクトラム」という名のもとに大きく括られるようになりました。
鬱は、この30年間で5倍近く増加し、うつ病患者は100万人を超えています。
同じように発達障害も流行現象のような傾向にあります。会社、組織、学校、家庭など人が集まるところ、少し変わった行動をする人がいれは、「あの人、発達障害じゃない?」などと不謹慎にも簡単に口に出したりしています。鬱にしても、発達障害にしても、ここ10年で加速度的に増加しています。
今、大人の発達障害ということがよく話題になります。もともと発達障害は幼少期、おそくとも学童期にははっきりした症状があるため、現在は多くは定期健診で診断されます。
障害故にかなりの生き辛さがあり、一般の子どもたちと一緒の生活をすることに支障をきたし、特別支援教室なので生活したりしています。障害特性ゆえに、本人が、普通学級での生活に耐えられないからです。
さて、長くなりましたが、あなたの悩みに関して意見を述べます。
もしあなたが発達障害であれば、幼少期や学童期、小中高学生時代に生き辛さを感じ、失敗を多く重ねたり、対人関係がうまくいかなかったりで、40代まで仕事は続かなかったでしょう。このひとつからしても、あなたは発達障害とはいえないと私は思います。
あなたが分析しているように「発達障害、そうか自分の欠点はそのためだったのかという肯定」のようなものです。そのようにカテゴリー化したところで、何かプラスになるものがあるのでしょうか。
診断は両刃の剣のようなものです。診断名がつけば安心できる部分がありますが、その疾患にとらわれ長く苦しむというマイナスの部分があります。
著名な専門家に言わせれば、発達障害は「発達のアンバランスの問題だ」と言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。
普通の人より、発達のバランスの程度が激しいというだけのことです。ですから、不安な状態で、発達障害の人のブログをみれば、誰でも発達障害の症状があてはまるような気になるはずです。暗い山の中を一人で歩いていると、不安と恐怖心から揺れるススキが幽霊に見えるようなものです。
健常者(普通の人)でも、ADHD傾向を見ることができますし、アスペルガー傾向を見ることもできます。不注意や衝動的、多動というのは誰でも大なり小なりあるものです。日常生活に支障を来していなのであれば、全く問題はありません。あなたの場合は社会生活(仕事)がまともにできているのですから、問題はないと思います。
よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ピカソ、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。
診断名より大事なものは、あなた自身が自分の性格や能力の特徴をよく知ることです。自分をよく知って、欠点より、良い面、長所を生かす生き方を努力していけば問題なく生きていけると思いますが、どうでしょうか…。
〇「5.6前のいじめから苦しんでいます」(心理カウンセリングCOM) 2018.5.14 10代後半女性
はじめまして 臨床心理シランの室です
小中学校といじめに遭い、だれよりも苦しんだあなたは、だれよりも人の心のわかる人です。だれよりも辛い思いをしたあなたは、だれよりも人の優しさに敏感な人です。そういう人がこれからの社会に世界に必要なのです。朝の来ない夜はありません。今の辛さがずっと続くはずはありません。生きて生きて生き抜いて、優しさの少ない今の大人社会の中で、いじめられている人の味方になってください。そのためにも一日も早く立ちあがってください。
世界の偉人もみな酷いいじめ(迫害)に遭いましたが、それを乗り越えたから偉大な人間になっています。
キリストしかり、御釈迦さんしかり、ガンジーしかり、キング牧師しかりです。数え上げたら枚挙に暇がありません。
癒しの根本は自己治癒にあります。
例えば、身体の外傷は本人(自己)の治癒力によって治っていきますが、それは本人が何かをすることによって治っていくものではありません。それを誤解すると、早くかさぶたを取ろうとすると、また出血するようなことになります。自己治癒の自己とは自分の知らない自己であり、自分の知らないうちに作用しているところに特徴があります。これは操作することと対極にあります。
あなたも高校時代には、「クラスの中でも明るくなり、友達もたくさんでき、心から大切にしたい友達もできた」と言っているように、そのときは別に何かを操作したわけではなく、嫌なことも全て忘れていたわけです。
少し難しい内容になるかもしれませんが、長期間のいじめによる複雑的心的外傷体験(トラウマ)は、ある意味「瞬間冷凍された体験」のようなものです。冷凍されているが故に、心はその体験を過去のものとすることができず、いつまでも新鮮なままで抱えることになります。いわば「現在に生き続ける過去」として、さまざまな心理的な機能に影響を与え続けています。心的外傷を癒すということは、その凍りついた体験を解凍し、本来の認知的枠組みの中に消化吸収していくことだと考えられます。
幸せで快適な出来事は心的外傷の癒し(ケア)に重要な役割を果たします。例えば高校生活の友達関係のような体験…楽しく、未来が展望できるような、積極的生き方ができるようなできごとを日常生活の中で作ることが大事です。
そうした生活をたくさん経験し積み重ねていくことで、あなたも自然自己治癒されていくでしょう。
あなたは人の心がわかる優しさの持ち主なので、きっといい人にまた出会えると思います。何よりもいい人、いい友達の心に触れることが一番の癒しになると思います。
最後に黒人女性の詩を紹介します。
どうぞお書きなさい私のことを 歴史の中に
あなたの意地悪なねじくれた嘘で固めて
どうぞ私を踏みつけなさい 泥の中で
でもそれでも 塵のように 私は立ち上がる
私が絶望しているのを見たかった?
頭(こうべ)を垂れて 視線を落としているのを?
肩をおとしているのを
涙の粒が落ちるように 心の叫びに弱り果てて
…… ……
どうぞ私を撃ちなさい あなたの言葉で
私を切りなさい あなたのまなざしで
私を殺しなさい あなたの憎しみで
それでも空気のように 私は立ち上がる
…… ……
恐怖と恐れの夜を置き去りにして
私は立ち上がる
素晴らしく澄んだ夜明けの中へと
私は立ち上がる
私の先祖がくれた贈り物を持って
私はその夢そして奴隷の希望
私は立ち上がる
私は立ち上がる
私は立ち上がる
(現代アメリカ黒人女性詩集、水崎野里子訳)