相談室(ブログ)

発達障害のグレーゾーンと医師から言われた。上司に話したほうがよいのだろうか…回答

2019.04.08

はじめまして。臨床心理シランの室です。

入社したばかりで、緊張も解けない中での店舗への配属、不安でいっぱいですね。

文面から思うに、あなたは自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンと言われたのでしょうか…。

結論から言います。上司(店長)には、あなたのグレーゾーンの行動特徴を記録などして、理解を得ることをお勧めします。あなたが配属先でうまく適応していくためにはそうしたほうがよいと私は思います。

あなたには、双方向のコミュニケーションという課題、こだわりの強さ、時、場、目的などを読み取った会話などに課題がありそうな気がします…。

手順を明確にした、具体的な見える化した指示があれば、仕事上でも失敗なくこなせるでしょう。曖昧な指示の隠れた部分の読み取りが苦手なようなので、失敗に繋がるおそれが十分にあります。

小売店という人との会話が重視されそうな職種では、時や場、雰囲気などを読みとっての会話などが重視されるでしょう。雰囲気から心を読み取る察しの能力…ASDは苦手なようです。また冗談やたとえなどが、理解出来なかったり、雑談が苦手だったりします。

発達障害(グレーゾーン)を含め、精神疾患は、見えないだけに、なかなか理解されません。また、社会は均質されノーマルを求め、異質や差異を理解しない傾向があります。

本来、桜は桜の良さがあり、梅は梅、バラはバラ、タンポポはタンポポのよさがあり、それぞれの特性で生きています。

しかし便利さやスピードや快適さなどの利便性を重視した利益至上主義の社会では、失敗を許容する幅が少なくなっています。均質化された集団の中で、特徴的な行動をする人は異質として排除されがちです。

発達障害の診断は専門家でも難しいと言われています。著名な専門家に言わせれば、発達障害は発達のアンバランスの問題だと言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。

よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ビル・ゲイツ(アスペルガー)、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。

あなたのグレーゾーンがどんな傾向なのか。まず自分の特徴を理解しなければ、能力傾向も職業適性もわからないので、失敗を繰り返すことになります。そのためには、発達障害の専門家に相談し、自分の特徴を見立ててもらうことです。WAIS検査はされたのでしょうか? この検査をすれば能力や特性が見えてきますので、お勧めです。

特徴や特性を知った上で、社会で適応できる対人スキルなどを訓練で身につけることです。次に環境調整…ここでは店長に特性を理解してもらうことで、仕事に適応しやすくなります。苦手なこと、そしてできることを伝えるとよいでしょう。苦手なことに対して、甘えたり逃げたりするという事ではなく、失敗しないで仕事をするためと伝えることです。

今後の為にも、余裕ができたときでも、コミュニケーション力や自己表現力を高める練習アサーションなどを学ぶとよいでしょう。