質問
気持ちの切り替えが上手な人とはどんな人ですか
回答
新型コロナ感染症が急拡大する中、私たちにも不安の波が押し寄せているようです。生きるということはさまざまな感情を体験する過程であるといってよいでしょう。その感情は心地よい、心が躍るようなものだけではなく、辛い苦しい不安な感情も日常的に経験しています。あることで傷つき、強い怒りを感じ、その処理に困っている人もいます。人生に行き詰まり、深く落ち込んでいる人もいます。人をおそれ、不完全をおそれ、失敗をおそれ、身動きが出来なくなっている人もいるかもしれません。また、いつまでも続く嫌な感情に悩んでいる人もいるかもしれません。しかし、それらの感情はすべて人間の自然な感情なのです。
とらわれやすい人の感情の特徴
一般にとらわれやすい人、苦悩に陥(おちい)りやすい人は感情に関して特徴があると言われています。一つはもともと激しい感情の持ち主であるということです。そのため人よりも激しく強い感情を体験します。人よりも激しく怒り、喜び、傷つきます。これはこの人の個性と言ってよいでしょう。また激しく悩む人の感情は一般に長く続きます。つまり感情へのとらわれが強くなります。結果、自分の気分や感情が変化せず、特に不快な感情が持続し、そのぶん苦しむことになります。結果、心の不調をきたすこともあります。(社会不安や強迫性など)
気持ちの切り替えが上手な人…嫌な不快な感情をそのまま受け入れられる人
感情は、そのままにし、自然の流れのままに従えば、その経過は山形の曲線をなして、ついには時間の経過とともに自然に消失します。強い不安、恐怖などの感情は、それをそのまま放置することができれば、自然に消えてゆくものす。つまり感情は、元来つねに流動し、変化しているものです。人はその感情がどんなに激しく辛いもの(例えば失敗した時の恥ずかしさや怒りなどの感情)であっても、それが一時のものと見きわめれば、その感情に耐えやすくなります。そしてそのまま受け止めることができるようになります。「気持ちの切り替えが上手な人」は、こうした感情の流れを経験から体得している人といってよいでしょう。