相談室(ブログ)

夫婦関係をどうしても修復したくて相談させてください。

2019.08.19

質問

夫はお付き合いしている方の過去の恋愛の話を話されるのが嫌で、過去にその事が原因で破局しているので、私にも付き合い始めの頃に話さないでほしいと言われていました。
しかし、私がその事を話してしまい夫の精神が病んでしまい離婚の危機に至ってます。

夫自身は結婚すれば環境も変わり良くなるだろうと思っていたのですが、良くなるどころか悪化してしまい病院でカウンセリングを受けないといけなくなるほど悪化してしまいました。今現在もカウンセリングを受けてますが良くなってません。
このままでは精神的に限界で離婚してもらうと言われました。

私自身は離婚したくありません。
自分勝手な相談ですが夫の精神状態が良くなり夫婦関係が修復するにはどうしたらいいでしょうか?
私はどうしてしていけばいいでしょうか?
ご回答よろしくお願いします。

回答
じめまして 臨床心理シランの室です。
辛く難しい状況です。ご主人があなたに対して拒否的な状態になっているようですから…。

交際している人の過去の恋愛関係の話を聞くのは、決して気持ちのよいものではないと思います。
今、交際している人が好きであればあるほど、当然独占したいという気持ちが湧くからです。

ご主人の場合は、それに加え、大きな傷つき体験(トラウマ)があったと推測されます。その傷が癒されることなく心に潜在していたのかもしれません。

あなたの過去の交際相手の話は、ご主人が蓋をし、折り合いをつけていたトラウマ体験を再燃させ、さらに新たなトラウマを生み出したかたちになってしまったようです。ご主人の精神の悪化がそれを物語っています。
ご主人の病院でのカウンセリングがトラウマ治療の適切なカウンセリングかどうかも気になります。

トラウマからの回復には、癒しが必要です。癒しの根本は自己治癒にあります。
少し難しい内容になるかもしれませんが、心的外傷体験(トラウマ)は、ある意味「瞬間冷凍された体験」のようなものです。冷凍されているが故に、心はその体験を過去のものとすることができず、いつまでも新鮮なままで抱えることになります。いわば「現在に生き続ける過去」として、さまざまな心理的な機能に影響を与え続けています。心的外傷を癒すということは、その凍りついた体験を解凍し、本来の認知的枠組みの中に消化吸収していくことだと考えられます。

ご主人が、自分に起きた過去を見つめ、ある時は怒りや悲しみを表現していく。際限なくそうした怒りや悲しみが続くわけではありません。やがて、過去の忌まわしい出来事を思い出しても感情が振り回されなくなります。
つまり自然解凍した状態になっていきます。

幸せで快適な出来事は心的外傷の癒し(ケア)に重要な役割を果たします。信頼できる人との関係や会話のような体験…楽しく、未来が展望できるような、積極的生き方ができるようなできごとを日常生活の中で作ることが大事です。

ご主人が、五感を使って心を癒すことも大事です。
目…心を癒すものを見る。朝焼け、夕焼け、海、空、花、自然、山、川、動物、植物、絵など…
耳…癒される音楽、鳥の鳴き声、せせらぎ、好きなラジオなど
舌…好きな食べ物、コーヒーや紅茶、ハーブティー、など
鼻…いい匂い、アロマ、香水、花の匂いなど
身体(触)…散歩、買い物、運動、複式呼吸、マッサージ、温泉、入浴など
意識…読書、友達との楽しい会話など
ご主人にあった「心休まる、癒し」を探し、そっと試みるとよいでしょう。

あなたができることは、まず安定した精神の維持です。ご主人のすべてを肯定的に、無条件に受け入れることかができるかどうかです。また、あなたが安全基地の役割を果たせるかどうかです。
時間はかかりますが、あなたがご主人を信じ、信頼される安全基地になっていけば、ご主人の心は癒されていくと思います。