相談室(ブログ)

感情って 何ですか? 

2025.03.24

日本には、「感情」という言葉はもともとありません

日本には、「感情」という言葉はもともとありません。古来から日本では、「心」とか「気」「情け」などと表現していました。「感情」という言葉は16世紀にキポルトガルやスペインのキリスト宣教師がもたらした南蛮文化の言葉です。その翻訳語を「感情」として使用するようになりました。英語では「エモーション」(感情、情緒、情感、喜怒哀楽、情の意味)「フィーリング(感じ、感覚、気分、感じなどの意味)「センティメント」(感情、感傷、思い、情趣などの意味)と「感情「を表現しています。いずれの言葉も、曖昧であり、つかみどころがなく、本質をとらえることに苦慮しています。感情とは「心」に関連しています。そして心とは何かが分からないため「感情」も正しくとらえられません。ですから、感情の扱い方ができないのが現状です。感情はつかみどこのない心から発生している働きだからです。

感情は湖面に生まれた波と同じです

池に石を投げれば 波が起こります。その波を止めることはできません。無理に止めようとすれば、分

波したり 逆に波が大きくなったりします。 

波を起こしているエネルギーが他に変り 消えるまで待つしかありません。

人の感情も波と同じです。

ある対象との関係で 起きた感情は 言葉・イメージや思考では その流れを止めることはできま

せん。

波が徐々に消えてゆくように 流れに心身をまかせ  消えるまで 待つしかないのです。

思考より 心の深いところに 位置する感情の心作用

感情の働きは、思考よりも心の深いところに位置しているため、表層の思考・言葉では、深層から生じ

る感情をコントロールできないのです。感情をコントロールするのなら、人間の深層の心の働き(西洋心

理学でいう無意識世界とは異なる)を正しく知ることが必須になります。

知識では 人は変われない 智慧が 人を変えます

以上のようなことを知ることは知識といますが、知識だけではこの感情の問題は解決できません。

「ハウトウーもの」の本や「トリセツ」や「講座」だけでは、感情などの心作用を解決できないのは、

そこに原因があります。自ら実践・経験して体得するしかありません。それを智慧といいます。その智

慧に至るためには、それを体得した師匠・先生・先輩の智慧の伝承が必要です。それは全人格対全人格

の中で伝承されると言われています。いわゆる師弟関係の中での修得です。

智慧の体得によって人は、よりよい生き方ができるようになります。智慧こそが幸福の源泉だからで

す。