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はじめまして。臨床心理シランの室です。
「自分の評価を気にして愛想を振りまく」「人に嫌われたくなく、明るく優しく努めている」といったあなたの考え方や行動の仕方に無理が生じ、ストレス過重となり、あなた自身を追い込んでいるようです。
他者評価を気にし過ぎると、自分の自然な感情を押し殺したり、不自然な自分を演じたりするようになってしまいます。嫌われたくない…よく見られたいという思いで行動すると、鎧をつけ仮面をかぶり虚飾に生きるようになり、結果として自分がなくなってしまいます。
今のあなたは、そのような不自然な生き方、無理な生き方をしているのかもしれませんね。今の生き方を続けていけば、再び、社交不安障害の再発を招き不登校になるおそれがあります。
あなたの現在は、これまでの人生経歴で、身につけた習慣(家庭環境…両親の養育環境など)の結果ですから、学習(心理学の学習理論の意味)をやり直し認知の仕方、物事のとらえ方や行動の修正を図る必要があるでしょう。つまり、認知―行動―感情―生理のからくりを学び、見直す必要がありそうです。
あなたがいうように、思春期・青年期特有の自意識過剰、自己と他者を比較する心情、不安定さ、自分探しなどの課題のため、自我が混乱している可能性もあります。
では、どうすればよいのでしょうか…。
まず自分を知ることです。自分を知るためには、人と対話することです。他人という自分を映す鏡の存在があってこそ自分を知ることができるからです。人生の先輩や心理カウンセラーに相談するとよいでしょう。スクールカウンセラーに相談されたり、心療内科でカウンセリングを受けたりするのもよいと思います。
次に、他者評価重視から自己評価重視の生き方に転換することです。つまり、ありのままの自分に生きることです。仮面や虚飾で外見を飾るのではなく、素朴なありのままの自分をさらして生きるのです。そのためには自己肯定感を高めなくてはいけません。
相手に対していい顔をせず、相手の意に反する行動をとれば、嫌われこともあるかもしれません。時には嫌われる勇気も必要になります。
大事なことは、自分も尊重するし、同じように相手も尊重するという生き方を身に付けることです。今の生き方は、他人はOKで自分はOKでないという生き方になっています。それを自分もOK、相手もOKという生き方に転換することです。
自分に生きる…自分対自分という、絶対に欺けない自分に生ききることです。昨日の自分と今日の自分を比較し、成長できたかどうかを評価していくという生き方です。そうした生き方をしていけば自己肯定感が育ってきます。
人は見える世界を追い求め、物事の本質を見失いがちです。それが自己肯定感を低くする一因にもなっています。
ダイヤは、もともとは黒い石に過ぎませんが、磨きをかけていけば高価な宝石となります。黒の原石を否定すれば輝くダイヤの存在はありません。黒い石も輝くダイヤも同じ自分です。どちらの自分も「そのまま受け入れる」ことが自己肯定なのです。人は輝くダイヤは受け入れることは容易ですが、黒い原石は受け入れがたいものです。
「黒石もダイヤも同一の存在であり、どちらも自分であると、ありのままに受け入れる。」「黒石も磨けばダイヤになる」という信念に裏打ちされた努力が必要です。その努力の積み重ねが個性を開花させ、ダイヤへと自己を高めていきます。その過程の中で自己肯定感は高まっていきます。一朝一夕にできるものではありません。
人間観や人間の心理、自我の同一性の獲得、自分を知るなど、自分探しについての知識も必要です。心理の専門家に相談されるのが、今は一番の早道だと思います。