相談室(ブログ)

親の過干渉のために、なかなか前を向けません(19歳)…ベストアンサー

2020.02.23

(カウンセリングCOM質問コーナー)

私は両親、特に母親が過干渉でした。
半年ほど前に過干渉を疑い調べてみると、多くの点で過干渉に該当しました。
・恋愛関係や性事情に口を挟む
・親の価値観の押しつけ…親の信仰する宗教、娯楽(テレビやゲーム、スマホは高校三年生まで全て禁止でした)、習い事
・完璧主義などです。
そこで過干渉は間違っているからやめてほしいと伝えた所、理解は得られなかったものの干渉はなくなり、現在はそこに関するストレスはありません。
ただ、現在の
・自己肯定感が低い
・夢や目標がない
・無気力
・人付き合いが苦手
という自分の悩みが「過干渉を受けた子供の特徴」に一致するために、それらが全て親のせいだと感じてしまいます。
もちろん親の責任は大きいのですが、前向きに取り組まずに親ばかりを恨む現状では何も解決しないと思います。
過去ではなく現在と未来を向くためにはどうすれば良いのでしょうか。

はじめまして。臨床心理シランの室です。
あなたの悩み…親の過干渉の結果としての「自己肯定感が低い・夢や目標がない・無気力・人付き合いが苦手」といった課題があるということですね。
自己内省し、前向きに取り組まずに親ばかりを恨む現状では何も解決しない、つまり「過去ではなく現在と未来を向くためにはどうすればよいのか」と悩んでいるあなたは、必ず今の問題を乗り越えていけると思います。

あなたが感じている課題は、日本の青年期を生きる人間の大半が感じている問題といってよいと思います。過干渉と放任は対極の関係ですが、根本は同じで、あなたがもつような課題を本質的に持っています。つまり、どちらも人間として「ほどよく親から関わられていない」ため、大人になりきっていない状態といったらよいでしょうか…。
アイデンティティーの確立を求めて「自分探し」を始めることが求められているような気がします。信頼できる人に相談することで、自分理解が深まり、視野が広がると思います。

以下は私の昔の失敗体験です。何かの参考になれば幸いです。
高1は何も考えず登校していました。ところが高2になると、通学が苦痛になり、午前中は家で寝てしまい、遅刻・欠席が続きました。どうしていいかわからなくなり、遊びでごまかし、横道にそれ、結果的に2年生の欠席は70日。高校中退に追い込まれました。

なぜ学校から足が遠のいたのか…自分の行きたい学校ではなかったということ(友達に誘われて高校を選んだという依存的進路選択でした)。勉強に対して目標もなくなり、受動的になっていました。だから、授業は興味も関心もなく、本当につまらなく感じ、苦痛でした。結果、いつしか、授業から心が離れ、楽しい遊びの世界に埋没していったのです。完全に目標を喪失していました。また怠けが許される家庭環境であったこと(母親とは7歳の頃死別、以後父子家庭で育つも、父親は酒乱で子どもを放任していた)などが原因だったと思われます。当時の私は全て、人任せ、依存的、受動的な生き方をしていました。

高校中退後、家から追い出されました。身寄りのない東京へ一人で行き、「新聞配達少年」となり一からの出直しを図りました。定時制高校に学び(自発的選択)、善き人生の先輩と出会え、その人と触れ合うことで、啓発されていきました。自信もなく虚勢を張っていた私も、いつしか自分の可能性を信じて行動する自分に変っていきました。

「大学に行って学問しよう。そして学んだことを人のために役立てよう」と、決意し主体的に目標を設定しました。その間、名作や哲学書、思想書にふれ、自分の人生に対する姿勢が変っていき、「無医村に行って、医療に恵まれない人の役に立ちたい」と「国立大医学部」を目指して猛勉強を開始しました。働きながら目標達成のため3年間努力しましたが、国立医学部の壁は厚く、年齢のことも考え、志半ばで方向転換を余儀なくされました。

結果、当時新設された広島大学総合科学部試験に合格し入学しました。入学後も紆余曲折しましたが、最後は中学校の教師の道を選びました。結果的にその道は、自分にふさわしい道だったと、今は納得しています。現在は「心病む人」の役に立てる仕事に従事しています。(自伝的ノンフィックション小説「失敗もいいものだよ」に詳細記述)

自分を見つめるときです。本当の自分を作る時です。友だちや人生の先輩との対話も貴重な鏡の役割をしてくれます。確かな人生のために、今は悩み、自分探しの旅を始め、新しい自分を発見し、歩みを開始されてください。

(2度目の質問)
貴重なお話をありがとうございます。自分だけが上手くいかず自分だけが悩んでばかりいるダメな人間だと思っていましたが、青年期によくある事だと分かりすこし安心しました。今後は自分探しのために親元を離れて暮らし、友人ともっと深く話をしてみようと思います。
ただ、ひとつだけ聞きたい事があります。私は今19ですが、高校入学から4年間、変わろうとしても変われない悶々とした時間を過ごしました。その経験のために、本当に自分を変えられるのか、もう手遅れなのではないかと大きく不安を抱いています。19歳というのは今から新しい自分をつくっていけるような柔軟さが本当にあるのでしょうか。とても不安です。

(ベストアンサー回答)

臨床心理シランの室です。質問にお答えします。
今のあなたは、過去の過干渉という養育環境の影響を受けているのは確かだと思います。それは、あなたが分析しているように自己肯定の低さからくるくる自立心や新しいものへの挑戦の心の低さになっているかもしれませんね。

それがあなたへ不安をもたらしているようです。しかし、厳密に言えば過去はありません。今という現在しかありません。過去は記憶であり、未来は想像の中にあるだけです。今をどのように生きるかで未来も過去も変わります。

結論から申します。19歳、可塑性(かそせい)に富み、可能性を秘めた年代です。人生これからです。十分に新しい自分を作っていけます。多くの人が変っていったの見てきました。あなたも必ず変れます。

人は、身体面では中学生から高校生の時期が一番成長し、19歳の頃には、ほぼ生長は横ばいになるようですが、精神面は20代が一番成長する時です。まさに、人間としての心の部分の成長はこれからなのです。可塑性とは、柔らかい粘土が、こねると柔軟にいろいろな形に変化するような柔軟性をさしています。今のあなたの年代は、可塑性と可能性に富んだ貴重な時期なのです。

失敗の修復も早いし、新たな挑戦から学べる時です。吸収も早く心の成長の早い時期です。「青年は未来があるというだけで幸福である」(ゴーゴーリー・ロシア)青春は金の時間といわれているゆえんです。かけがえのない貴重なときであり、二度とこない黄金の時です。人生の本当の土台を作る時なのです。人生の中で可能性と可塑性に一番富んだ時だからです。それが、あなたの今であり、今後の10年です。

もちろん人間として変わらない部分はあります。それはもって生まれた性格です。例えば短気という性格は変わりませんが、出方が変ります。悪い出方は、他者へ怒りがすぐに出たりする癇癪のような出方をし、「短気は損気」と言われるように失敗しがちです。よい出方としては誰れもがしり込みするようなことでも、迷うことなく直ちに行動しやってのけたりします。悪に対して、すぐに怒り、正義の行動をしたりします。

他の性格も同様で、性格自体には善悪はなく、どんな性格であっても、鏡の表と裏のような関係で、どちらを出すかで価値が変ります。よい出方をするには、それなりの努力は必要ですが…。

目標を持ち、目標に向かって努力していくというプロセスを大事にしていけば、自己肯定感は少しずつ高められるでしょう。その目標も、自己実現と結果としての他者貢献という要素があれば、気力もわいてくると思います。

また人付き合いは、必要な環境に身を置くことで、学びの姿勢があれば身についていくでしょう。
良書にふれ善友やよき先輩、善き人と交わっていくことです。

(お礼コメント)

度々の回答ありがとうございます。勇気をもらえました。
目標と学びの姿勢を忘れないで前向きに人生に取り組んでいこうと思います。
本当にありがとうございました。
2020年2月22日 22時28分