相談室(ブログ)

どうしても母親に認められたい(17歳)

2019.10.25

質問
17歳の女です。もう17にもなるのに自立できずこんなちっぽけなことで悩んでいるのが恥ずかしいのですが、相談させていただきます。私は今までずっと母親の言うことに逆らわず生きてきました。テストも毎回学年トップのあたりで、成績も体育以外オール5です。友人関係も特に問題なく過ごしているのですが、ずっと母親に認めてもらいたいと言う欲求に苦しんでいます。

中学生の時に一度その気持ちが沸騰し、母親にもっと自分を認めて欲しいとお願いしたのですが、「弟はあなたみたいに出来た人じゃないから、あなたを褒めると弟が嫉妬する」と言われました。その時はそれで納得しましたが、しかし実際は、少し成績が上がっただけで褒められる弟に私の方が嫉妬しています。この気持ちは高校生になれば収まると思ったのですが、落ち着きそうな気配がありません。先日の成績通知でも、私の成績表はほとんど見ず、弟の成績を見ていて嫉妬に狂いそうになりました。私は「弟に比べて優秀な自分」として評価して欲しいのではなく、ただ、頑張った時にはそれを一言でいいから言って欲しいだけなのに、と思ってしまいます。

何故か、担任や友人ではなく、母親に認めてもらわなければ意味がないと思ってしまいます。どうやったらこの気持ちを和らげることができるでしょうか。教えてください。

回答

臨床心理シランの室です。

思春期は第二反抗期とも言われています。自我の目覚めは、自立を促し、これまで大人によって作られてきた自分を一度こわし、再度自らの手で作ろうとするのもこの時期の特徴です。大人の意識が顔を出すようになると、一個の人格として親や大人を見はじめます。それは親への批判や反抗となって表現されことがよくあります。これは自立を始めた証拠なのです。
今日まで、ずっと母親の言うことに逆らわず生きてきたというあなたの今の悩み…「自立」を始めようしていることから生じている悩みのような気がします。

なぜ、そこまで従順に母親に従い、認められようとするのでしょうか。

従順に振る舞うことで母親の愛情を得ようとしているようです。親に従えば母親の愛情が得られ、親の愛を独占することもできます。それがうまくいかないとき、弟さんへの嫉妬も強くなっていたのでしょうか。

このような心理状態の原因…推測するに小さい頃の母子の絆…愛着の絆にあるような気がします。母親があなたの安全基地の役割を果たし、安定した愛着関係が培われていれば、思春期に自立という課題に向かって順調に進めていると思われますが、
未だに、満たされなかった母子の絆の確認…「母親に認められること」で安定しようとする依存があります。

では、どうすればよいのでしょうか。愛着の問題に向き合うことです。
親に期待するから、裏切られてしまいます。親に認められたいと思うから、親に否定されることを辛く感じてしまいます。親に左右されることをやめるとよいでしょう。親の代わりに、自分が自分の親になることです。自分が自分の親となって自分を認め、アドバイスしたりするのです。つまり、自分が自分を無条件に受け入れ、肯定することです。

もうひとつは、一人の人間として自立することです。自立とは人に頼らないで独立独歩するということではありません。必要な時には人に頼ることができ、だからと言って人に従属するわけでもありません。自立と依存をほどよく生きるということです。

自立の過程とは、自分が周囲に認められ受け入れられる過程であり、同時にそうした自分に対して「これでいいんだ」と納得する過程です。自立を成功させるには、この二つの過程が、うまく絡み合いながら進んでいく必要があります。

成績優秀で、未来のあるあなたです。この機会に「愛着」に関する書籍を読まれ、自己理解が深まれば、解決の道筋が見えてくると思います。