〇相談内容
「冗談が判断できない。会話の返しがうまくいかない。愛嬌がないと言われる。頭の回転が悪く、判断が遅く、行動がとろい。
発達障害があるのだろうか?」(30代女性)
◆ベストアンサー…心理カウンセリングCOM
臨床心理シランの室です。
あなたの文面、言葉の遣い方、物事の捉え方(出来事を言葉にして表現)で気になることがありますので、以下に私見を述べてみます。あくまで個人的考えです…。
一つは、「冗談を瞬時に判断できません」
もう一つは、「思考、言動すべてがとろくさい」 という表現です。
まず「冗談」ですが、冗談にも様々あり、冗談半分、本気半分など、冗談か、本気か判断できないものが多くあります。使う人の性格にもよります。つまり、冗談を瞬時に判断すること自体、簡単なことではないということです。冗談を真に受け、トラブルになることもあるからです。
ですから、「冗談を瞬時に判断」できる人は、冗談のプロともいうべき人でしょう…。
冗談は、言葉のみで判断するというより、その場の雰囲気、場所、人との関係のなかで使われるからです。誰に対しても冗談は言えるものではなく、冗談を言えない相手もいます。(職場の管理職など、関係性の薄い人などに対して)
あなたは「冗談が通じない人」ではないかと気になっているようですが、その原因は、場の雰囲気を読んだり、相手の心をくみ取ったり、相手の立場を想像したりすることが苦手だからではないでしょうか。いわゆる、双方向のコミュニケーションがうまくいかない、苦手ということではないでしょうか。
次に「思考、言動がすべてとろくさい」という表現も気になります。自分に対する捉え方に極端さが見られます。好きなことや得意なこと、興味関心のあることに対しては、思考や言動は、けっしてとろくさくはないと思うからです。
思考や言動も、物事、対象、人間関係などの状況によって変動するものです。
ですから、すべてがとろくさいという自分に対しする捉え方は、極端であり、偏りが感じられます。このような捉え方は、全否定的であり、あなたの良さをだめにしていくことになってきたのではないでしょうか。
結論すれば、思考や認知、想像力に偏りや不足がみられ、発達障害傾向が推測されるということです。
前回も提案しましたが、やはり一度専門機関(医療機関)でWAIS検査を中心とした診察を受ければ、あなたの生きづらさの原因がはっきりすると思いますし、何より安心できるのではないでしょうか。
もし発達障害があるなら、早期に対応していけば、二次障害(人間関係のつまずきや仕事上の失敗や抑うつなど)を未然に防ぐことができるし、仕事や職場の人間関係にもうまく対応できるようになると思います。
発達障害について少しだけ補足します。
専門家によれば、発達障害は発達のアンバランスの問題だと言っています。一般の人より優れた部分もあるし、また劣っている部分もあるということで、発達のデコボコ状態だと言っています。
よく例に出される代表的な有名人…アインシュタイン、ビル・ゲイツ(アスペルガー)、黒柳徹子(ADHD)などの方々も、発達障害ではなかったのかと言われています。彼らは秀でた特徴を最大限に生かし、自らの適性を活かした人たちです。
バランスの悪さは、本来誰人にも内在する固有な個性や特性に偏りがあるため、その人のよさ(個性)がうまく発揮できていない状態と考えられます。
あなたが自分の特性を知り、理解できれば、生きづらさは減少するでしょう。また良い部分を活かしていけば、明るい生活ができるようになると思います。