相談室(ブログ)

過去の行為(盗撮など)が自分を苦しめる

2021.07.30

(質問)
大変自業自得なのですが…過去に犯してしまった罪の罪悪感によりこの先 生きる希望が見いだせません…。時期は曖昧ですが、中学3年〜高校1年の間?にやってしまった盗撮、
痴漢に近しい行為(盗撮動画は盗撮後すぐに消去していたため、
自首するかとても悩んだのですが、盗撮痴漢、どちらも被害者の方はこの事に気づいておらず、打ち明けても、盗撮、痴漢されたという不快極まりない事実を知らせてしまうだけだと思い、この事は誰にも言わずに、自分自身の中のみで戒めとすることにしました…
何も知らない家族から、「優しいね」や「偉いね」って言われる度、
家族にこの事を黙っているのが酷く、辛く感じます。
家族から見た僕は普通の僕ですが、僕から見た僕は、偽りの仮面を被った僕なのです…
全てが嘘で塗り固められた、薄汚い人物なんです…
僕は一体、どうすれば、前を向くことができるのでしょうか…?

(回答)
ありのままの現実を綴られた告白の文章…葛藤もあり、辛さもあったと思いますが、勇気を出されてありのまま自分をさらけ出されたことに、一歩前進した心を見る思いです。

過去の受け入れがたい醜く感じる自分を曝すことは、等身大の自分を受け入れることにつながると思います。
もし、人の心が透視される機械ができたとしたら、ほとんどの人が人の中で生きていくことができなくなるでしょう。

例えば、人間の体も様々な臓器があります。糞も尿も体の中にあります。ありのままにそれらが、外に出たら、見えるとしたら、美人はいなくなるでしょう。外側の皮膚が中を隠し覆ってくれているからこそ、人に自分を見せることができます。

心の中も同じです。動物的な心、渦巻く種々の欲望、人を憎んだり、嫉妬したり、淫欲があったり、貪る心があったりなど、それらは口に出すこともなく、心の中にひそかにしまい込まれています。それらが、外に出ないように自制しているだけです。

悪につながる欲望を自制することが人間の智慧なのです。動物は、空腹を感じれば、他の動物を殺して食べます。本能的なさかりがくれば、みさかいなく交尾をします。人間は、それらの欲望をうまく抑制しているので、社会の中で生きていけるのです。

誰しも人に話せない欲望や思いや醜い心の一つや二つ持っているし、人に話せない、過去の失敗を持っています。それらを心の中に包み込み、しまい込んで生きています。
それらの苦い過去の出来事は、確かに時間とともに薄れていくものですが、決してなくなるものではありません。忘れているだけなのです。また、時間がたつにつれ、痛みも不思議と薄れていきますので、耐えていけるのです。

青春時代は心も純粋です。理想も高いものです。それゆえに、過ちが許せなくなることもあります。理想が高ければ高いほど、完全指向が強ければ強いほど、自分を苦しめます。

その解決や昇華のため、文学が生まれ、芸術が生まれ、宗教的な心が芽生え、哲学者にもなれるのです。著名な宗教者、親鸞もそうした一人のようです。

過去の出来事は、意識するしないにかかわらず、何かに触れて頭に蘇ったり、侵入したりしてきます。受動的に、求めもしないのに…。人はその過去の出来事やイメージに、ある時は縛られ、またある時は執着し、またある時は、苦しみ、またある時は絶望すら感じたりします。

諸行無常は仏の智慧です。流れゆき、一定したものはないにも関わらず、それが同じようにあると思う誤れるものの見方を糾しているのが「諸行は無常」という智慧ではないでしょうか。
人はともすれば、心に描いた理想とかけ離れている現実の自分を、なかなか受け入れられないものです。観念と現実の不一致…

そこに、人間は苦しみ、不満、怒り、罪悪すら感じるようです。

苦しみは苦しみとして受け入れ、今を誠実に生きるしかあなたを救済する道はないと思います。希望の未来を豊かにイメージしながら…。