相談室(ブログ)

最近の面接事例と実施の心理療法…高校生の不登校。社会不安、対人恐怖、強迫観念、強迫行為。大人の発達障害傾向(自分がわからない)など

2020.08.11

臨床心理シランの室での最近の相談事例を紹介します。プライバシー保護のため、性別や年齢は省略しています。

高校生の不登校傾向や不適応、対人関係問題が多くなっています。いずれのケースも、まず母親面接か親子同時面接から開始しています。

また大人の社会人の発達障害傾向(自分がわからない、自分の特性を知りたいなど)の見立てのための心理検査(WAIS検査など)を希望される方も増えています。その場合、検査実施と検査の分析内容の報告・今後の対応・対策といった2度の面接で終結するケースが多くなっていますが、希望に応じて、社会スキルアップやコミュニケーション力の訓練などもしています。

その他、社会不安(社交不安)、対人恐怖、強迫観念・強迫行為の相談も多くなっています。相談者の中には、15年間近く症状に苦しんでいる方、また10年近く症状に苦しみ、病院を転々としている方もいました。さらに、自分で認知行動療法や森田療法、自己啓発書などを読んで改善への努力を試みた方もいますが、改善できず当室に来所することになったようです。

当室では、まず心理検査で本人の人格特徴や自我状態を把握します。症状は人格の一部が表れたものだからです。症状のみを除去しようとして、ある10年以上の症状経験者は、「薬物療法のみに頼ってきたが一向に改善していません」と漏らしました。
当室では、本人の人格や自我状態・特性に応じて認知行動療法、森田療法、対話自覚療法・自己観察日記療法という心理療法を実施しています。

◎実際の面接事例

〇登校前の朝になると発熱する。学校不適応状態、勉強についていくことが辛い(高校生)…本人に対して心理検査、対話自覚療法を実施、並行して母親面接を実施。5度の面接で終結。

〇人が怖い、人が信じられない、登校前に嘔吐、過呼吸、過去のいじめトラウマ症状(高校生)…本人に対して認知行動療法、対話自覚療法、心理検査。母親面接数度、父親面接1度。本人5度の面接で終結。

〇登校前に荷物や服のやり直し、確認行動や強迫行為(中学生)…本人に対話自覚療法。同時に別々に母親面接実施。6度の面接で終結。

〇強迫観念・強迫行為…嫌なことが浮かび何度もやり直しをする。15年間近く強迫症状の経験者(社会人)…本人に対して対話自覚療法・森田療法、認知行動療法、心理検査実施。4度の面接で終結。

〇対人恐怖症状…人前で発表する時、緊張して声がでなくなる(高校生)…本人に対して認知行動療法、自覚療法、心理検査を実施中

〇学校に行けない…学校のことを考えると足がすくむ(高校生)…本人に対して認知行動療法、心理検査を実施中。母親面接数度。

〇コロナ不安…コロナにかかったら会社に行けない、解雇になるかもしれない(社会人)…本人に対して認知行動療法を実施。1度の面接で終結。

〇いじめによる人間不信…学校に行けない、対人関係がうまくいかない、自閉症スペクトラムと診断されている(高校生)…本人に対して対話自覚療法・問題解決療法、心理検査実施中。母親面接数度。

〇対人恐怖症状…人が見ていると手が震える(社会人)…本人に対して森田療法・対話自覚療法、心理検査を実施中

〇対人恐怖症状…人の顔を見ることができない、自分がわからない、自分を知りたい(社会人)…本人に対してWAIS検査、自閉症スペクトラム検査で見立て、2度の面接で終結。

〇発達障害かもしれない…人の会話が理解できない。何回か聞きなおさなければならない(社会人)…本人に対してWAIS検査、自閉症スペクトラム検査で見立て、2度の面接で終結。

〇引きこもり…過去のトラウマが頭に浮かび、生きる気力なく抑うつ状態、発達障害があるかもしれない(社会人)…本人に対してWAIS検査、対話自覚療法実施中。