充実した一日が幸せな眠りをもたらすように 充実した一生は幸福な死をもたらしてくれる
15世紀イタリアルネッサンス期に生きたレオナルド・ダ・ビィンチの名言です。「モナ・リザの微笑」「最後の晩餐」の絵画で有名ですが、実はダ・ビィンチはあらゆる学問に精通した万能の人と言われています。
彼の名言から充実した幸せな眠りに至る道を考察してみます。
充実した一日は、規則正しい生活習慣から生まれます。正しい生活習慣とは何か。昔からいわれるような、早寝早起き、腹八分の食事、ほどよさを身につけた、分をわきまえた行動が基本です。このほどよい感覚や分を知らない無理な生き方を続ければ病気になります。程よさは心身の全体のバランスある行動から生まれます。多くの人は部分に偏り、全体を忘れ、無理を重ねた生活をし、心身の一部分を壊しています。
睡眠は「眠ろう、眠ろう」と意識してもできない不思議な心の働きです。そこには心身全体の意識できない働きがあります。この無意識的活動に「眠り」は支えられています。
安眠を妨げる要素を一つ一つを見てみれば、心身全体の働きを考えない部分へとらわれた行動であることが分かります。つまり不調和な行動になっています。
まずストレスです。その筆頭は怒りです。種々の痛みや苦しみも睡眠の妨げになります。日中の出来事で生じた怒り。これも強度のレベルがありますが、いずれも神経を緊張興奮させ、脳に刻まれ、無意識層に蓄積され、睡眠に大きな影響を与えます。こうした怒りなどのストレスをなるべく早く緩和させることが安眠につながります。怒りの処理がうまくいかないと、心身に影響をもたらすようになります。怒りのコントロールはとても大事になります。
次はアルコールと睡眠薬について考えてみましょう。どちらも脳内神経物質に影響し、心地よさや安心、多幸感をもたらし入眠を楽にします。しかし、アルコールは適度であれば、あまり問題はありませんが、量を過ごせば、肝臓に多大な影響を与えます。
つまり一晩中、肝臓中心に消化器官が一生懸命働くため、脳にもその過労感が伝わり、睡眠は浅くなります。長い時間眠ったにもかかわらず、朝起きてみると、どことなく体がきつい、だるいなどの感じになります。それは肝臓の疲労から起きたものです。食べ過ぎ、遅い食事も同様に考えれば理解できると思います。
睡眠薬は安眠の一番手ではないかと意外に思う人も多いと思います。しかし睡眠薬は、脳内神経に直接働きかけ、入眠を誘いますが、やはり熟睡はできません。なぜなら、人工加工薬によるものだからです。睡眠薬に限らず、精神安定剤、抗不安薬、抗うつ薬などは標的にしている以外の部分にも作用します。それを副作用と専門家は言いますが、副作用はよけいな健康な部分まで作用する有害性があります。つまり副作用の有害性が睡眠を浅くします。薬を飲まない熟睡と、睡眠薬での眠りの差は、健康時代を思い出せば理解できると思います。物質科学は万能ではないのです。
アルコールも睡眠薬もやはり、熟睡・安眠はできません。まだ日中に太陽の光を浴び、軽い運動をするほうが安眠にはよいと言えます。
現在の心の不調や不登校の増加に影響をもたらしているもの一つが、過剰な視覚情報と電磁波の被曝です。スマホ動画、ゲームの長時間の視聴は脳、神経に悪影響を与え、不眠だけなく心の不調の原因にもなっています。半世紀前にはなかった現象です。
人間の生活は科学の進歩の恩恵のもと、人工化し、本来の自然がもつ素晴らしいものをどんどん失っています。不眠だけでなく、心の病や身体の病気にも科学万能主義による人工化の陰の部分が見えてなりません。
銀河の旅人