相談室(ブログ)

自己肯定意識を高める生き方2…他者評価に振り回されない生き方。

2023.12.18

 本来の自分を生きる2―他人の評価に振り回されない自分を築く
 
 なぜ自分が自分らしく行動できないのかを考えてみましょう。
 それは他人の存在を意識しすぎるからです。仮に無人島に一人で生きるとすれば、あなたはあなたらしくというか、何も意識せず、ただひたすら生きることに専念できるでしょう。しかし現実社会では一人では生きていくことができません。集団の中で守り合わなければ、自分の命を保つことすらできなくなるからです。
 
 これは動物としての人の本能なのです。一人であれば餌を取ることも食べることも生き続けることにも限界があります。やはり他人の存在が必要になり、集団ができます。集団で生きるとき、どうしても他者の目を意識し始めます。それは自然なことです。さらに集団の中での自分の評価が気になります。それも持って生まれた人の性分でしかたのないことです。やがて集団には、人の比較や優劣が生まれることになります。

 集団の中で生きていると、自分らしさの埋没が起こりがちになります。自分らしさが認められず、薄れていく傾向を孕(はら)んでいるからです。そこには集団の暗黙のルールが生まれ、それが集団の中での常識になっていきます。人々は時代と集団の中で作られた価値観に知らず知らずのうちに、刷り込まれていきます。集団の常識という物差しで人が評価され、価値づけが行われます。

 戦争では、それが簡単に起こります。第二次世界対戦中、ナチスドイツ集団はユダヤ人を、人として劣った存在と価値づけ、彼らを虐殺していきました。そこには、同じ人間の尊厳はなく、偏見に満ちた価値基準で多くの人々が殺されていきました。現在のロシア・ウクライナの戦争にも、それが見られます。

 社会の人々は価値基準というものさしで個々の人間を比べ評価していきます。ものさしは人を測る基準となり、優劣をつけていきます。比べる対象と物差しは無数に存在します。
 成績、学歴、会社、給料、役職、容色容姿、財産財物、地位、名誉、健康、身体、性格、各種の能力など…

 人よりも強い、弱い。能力があるかないか、金持ち貧乏、顔がいい、顔がよくない。背が高い、背が低い。運動能力はある、運動力が低い。性格が良い、性格が悪い。優しい、優しくない。これらは全部、比較から生まれています。ある基準で価値が位置づけられ、これらが現実社会の比較優劣の実態です。しかし、これらはすへて移ろいゆくものなのです。
 
 こうした社会の中では、人は安定できず、不安の中で生きることになります。基準の物差しが、時の流れと場で変わっていくからです。例えば戦争になると、人を多く殺す人が英雄となり、価値のある人になります。逆に平和な日本では、一人でも殺せば、極悪犯罪人となり、人としての価値も認められなくなります。社会の評価や価値に生きる間、本来の自分を生きることも困難になっていきます。
 
 比較・優劣社会では、人々の目は外に向き、いつしか物差しという基準ではかられた価値に振り回されてゆき、安定できません。たえず心は揺れ動き落ち着かなくなります。
 こうした比較相対の優劣を基準とした社会に振り回されないためには、自分の目を内側に向け、自分の心、優劣を超えた価値を探し、それに生きることが大事です。その価値こそ、私たち本来の自分がもつ無上の価値なのです。
 文責 松岡敏勝