相談室(ブログ)

中学生の不登校…心療内科か心理カウンセリングか

2019.10.13

まずは、専門性の高い臨床心理士などのが在室しているカウンセリングールームで相談されることをお勧めします。なぜなら多くの不登校は精神疾患とはいえないからです。学校に行けないからといって、病気扱いは禁物です。学校に行けない(行かない)のには、それなりの原因があるからです。子どもを変えようとして、焦ってしまうと問題をこじらせ、事態の悪化を招くことになります。不登校になるには、それなりの伏線があるからです。

中学生の不登校の原因は、文科省データーによりますと、
1 無気力  2 不安  3 友人関係  4 遊び・非行  5学業  
6 親子関係などの順番になそっています。

原因になる部分で、心療内科に関係ありそうなものと言えば「不安」になるでしょうか。

主な原因とその対応方法について、以下に簡単に述べます。

1 学校生活によるトラブル(いじめ、集団生活が苦手、教師と合わないなど) 
→環境調整を考えます
2 無気力(原因の一番)…中学生で26%
→気力を養う…メリハリのある生活、外の世界との接触、健全な生活リズムなどで対応します。

3 非行や遊び →子どもを認め、愛情を示しめすことが大切になります。

4 学業不振→できるところから指導、個別指導(塾や家庭教師)で対応します。

5 甘えたがり・精神が未熟 →内面の成長を長期的に見守ります。

6 家庭環境(経済状況、介護、家庭不和など)
→親のストレスが子どものストレスになります。

7 発達障害→環境調整、最もよい学習形態に配慮します。

8 神経症
→不安、こだわり、対人恐怖など情緒的混乱…専門的な治療…場合によっては心療内科受診

以上の理由からも、まずは、親が専門の心理カウンセリングルーム(キャリアのある臨床心理士在室)で相談されとよいと思います。

◎親の対応としは、以下の姿勢が大切になります。
◆子どもの見方や価値…無条件の肯定的関心をもつ
子どもをありのままに受け入れる。評価しない。無条件で受け入れる。
 欠点やできない部分より、長所、できる部分。

◆安心をもたせ、どっしりと構えさせる…子ども理解(不登校の原因、背景の理解、こどもの領域を守る)、登校を阻害しているものを知る。
子どもの将来の変化(よくなっていこうという心)を信じる

◎不登校の理解をすることが大切になります。
思春期は、今までの自分を今一度点検する時でもあり、積み残した発達課題(未成熟部分)があれば、思春期を乗り越えるのに人一倍苦労するかもしれません

親も二度目の子育てを求められる時期であり、子ども同様成長していかなければなりません。多くの子どもは「危機」の時期を問題なく乗り越え自立していきます。彼らを身近で支えているのが、親をはじめとした家族であり、祖父母であり、兄弟であり、友達であり、先生たちです。だれか一人、信頼でき本人を受け止めてくれる人がいれば、思春期を乗り越えるべき山として立派に乗り越えていきます。

思春期は父親(父性)が求められる時です。父親の出番になります。表面的な行動の奥には別の心…「よくなっていこう、成長しようという善性」が心の中に存在しています。そこを信じて、こどもの表面の行動に振り回されず丸ごと受容し忍耐強くかかわれるかが鍵になります。その前提の上で、父親として社会化(自立)をサポートしなければなりません。

常識に反することや道理に合わないこと…好き勝手な行動に対しては、父親が毅然と対決しなければ壁を超えることができないでしょう。真剣に体を張って善悪を教える役目があります。そうした行動に、反発したり口では不満をもらしたりするでしょうが、心の底では自分に真剣に向き合ってくれたことに内心ほっとしているのです。それが一つの壁を乗り越える原動力なっていくと思います。

今の行動には意味があり原因があります。その意味を両親がしっかりと理解し、手を放しても目を離さない、こどもの「よくなりたいという善性」を信じぬく関わりをしていけば、徐々に良い方向にかわっていくと思います。時間はかかるかもしれませんが、長い目で見て諦めず関わり続けてください。

◎不登校生の課題
豊かさを生きることは容易なことではありません。不登校の子どもは概して真面目です。
学校や親の評価は高いかもしれませんが、友達と合わなくなり、社会からずれています。
結果、不登校になります。不登校の子どもは学校から離れることによって、役に立たない生き方からの脱却を図っているのです。

豊かさを生きるには、不透明な状況を探索的に進む力と質のいいセンスが必要です。
不登校は見た目とは違って、自分と付きあっている時間という意味では貴重な時間と考えられます。

不登校は現象的には自分のわがままを優先して、周囲の要請から外れているように見えますが、実際は全く逆で、周囲の期待を生き過ぎた結果、エネルギーが枯渇した状態なのです。

私たちが身近に付き合っている他人は自分自身です。しかも結構付き合いにくい相手です。感情も身体も自分の一部でありながら、自分の思い通りにならない存在です。自分とうまく付き合えるとき、人は満足を感じたり充実を覚えたりするものです。

不登校の子ども中には他人とうまく折れ合えない子がいます。人間関係は、ごく普通にやっているように見えますが、数学の問題を解くよりはるかに複雑な計算や判断を瞬時にしなくてはならない難しい作業なのです。これを柔軟に粘り強く続けることなのです。これらの力は、何より「自分という付き合いにくい他人との関係で培われるものです。

退屈は創造の母です。退屈を通して自分が何を求めているかに気づくのです。何もすることがない子どもを見ていることは辛いものです。しかし時間を持て余しているように見えても、心の深い部分では、創造の泉を求めて井戸掘りの作業が進展しているのです。必ず掘り当てられるという確証のない孤独で不安な作業です。大人が踏み固めて硬くなっているからです。親は、不登校のこうした心を理解した対応が求められます。
支援者によるカウンセリングは、今までないがしろにされてきた自分との付き合い方を手伝う時間でもあるのです。

支援者(カウンセラー・医師など)の選び方は、本人との相性、本人に適切かどうかを重視するべきです。そのためには、まず母親が、その専門家とあって、どんな人、どんな雰囲気のところかを知り、本人に合うかどうかを判断することです。有名とか専門とかで判断して、治療者不信になれば、改善がますます困難になるからです。(当室来談のなかで、有名とか専門とかでいきなり子どもを連れて行って失敗…不信感を強め、悪化したケースがたくさんあるからです)

親は、子どもに対して、無条件の肯定的関心をもつことが大事です。子どもをありのままに受け入れることです。評価せず、存在そのものを無条件で受け入れることです。忍耐強く、子どもの将来の変化(よくなっていこうという心)を信じ抜くことです。