相談室(ブログ)

人が恐ろしく、人となかなか会話ができません。

2022.12.29

(質問)
中・高校時代に特定の人にいじめられた経験があります。そのためか、最近人が怖くなりました。人から話しかけられたら応答することはできますが、自分から人に話しかけることがなかなかできません。そんなことから大学にも通学困難になりました。本当は、いろんな人と親しくなりたいのですが…。どうすればよいのでしょうか?

(回答)
自分を表現する事は難しいことかもしれません。
相手が発信したことに対して応答する、これはできている。できていないのは、自分から人に発信すること。特に自分の気持ち、自分の考えなどを人に伝えることがうまくできない。

その理由はいろいろあります。一つは自分の自分に対する評価。自分に自信がもてないので、自分が発信したことを相手が認めてくれるか受け入れてくれるかという不安が絶えず起こります。
ですから、自分に対する自信のなさ、という不安を乗り越えるためにはどうすればよいかということになります。一つは自分の考えや自分の気持ちを相手がどのように受け止めるかということには注意を払わず、自分が伝えたいことを一生懸命伝える。つまり会話の目的、方向性の転換です。

今までは自分が話したら、相手は自分をどのように見るのか、どのように受け止めるかということに注意をしてしまう。注意をすればするほど萎縮してしまいます。小さくなってしまいます。そうではなく、相手がどのように受け止めるかと言う事は、横に置きます。自分の伝えたいこと、言いたいことを、とにかく発信することに注意を集中します。評価は相手がします。
 ですが、人の評価というのは、猫の目のようにコロコロ変わります。価値観によってかわります。ですから、人の評価価値観を根本にするのではなくて、自分の価値観、自分の評価を大事にします。
 
 具体的な会話についてです。発信するときの声、喋り方というものがあります。気持ちは発信してるけど、相手に届いてるかどうか。それが一番大事ですよね。いくら発信しても届いていないと意味がない。受け取る方としては、
声が小さいと聞いてない人もいます。聞いたようなふりをする人もいるし、誠実に聞こうとする人は、「もう一度言って下さい」みたいな事は言うでしょうけど…。
 友達との会話、職場でもそうですけど、声が小さいとあなたの言ってることを理解していないということが起こってきます。ですから、声はとても大事です。まず大きさ、それからはっきりゆっくりという速度、言葉も選んで使う。これは次の段階です。とりあえずは声は普通位の大きさ普通位の速さ、そしてはっきり言う。やっぱ振り返って自分を変えていくことが大事です。
 
 自分の中に不安があったり、人が自分をどう見るんだろうか、受け止めるんだろうか、というようなものにとらわれると、早口になったり、丁寧にしゃべると言うことを忘れたり、声が小さくなります。ですから発信するときはいつも自分の考えをきちっと伝えることを目標にしてます。人の評価ではなく、大きい声で伝えるんだ、ゆっくり丁寧にはっきりと伝えるんだって言うことをいつも意識して伝える。自分の気持ちや考えを伝えるといういう事を心がけます。

人の評価よりも、そちらを目的にして行動します。人の目や評価を気にすると行動が、萎縮してしまいます。逆に自分の目的を果たすんだと意識が向くと、行動が積極的になり、能動的になります。

 人間はみんな他の人の事はそんなに見たり関心を持っていたりしていません。みんな自分のことで精一杯であり、自分中心なのです。集団の中であなたの行動をどのぐらい人が注視しているか、チラッと見る位でほとんど自分のことが中心なのです。ひとのことにはかまっていられないのです。自分を見てるとか、自分を評価してるみたいな錯覚に囚われ、執着しています。それを取り払ったらすごく楽になります。ですから人目への過剰な意識が不安恐怖を強めてしまいます。

 あなたの場合は、過去のいじめとか、他者との関わりの中で恐怖体験があったので、どうしても人に対する恐れって言うものが、心の奥から湧き出てくるのかもしれません。いわゆる無意識のバイアス。それも意識して行動していくこが、現状を打開していく大きなポイントなります。それからあなた自身の人に対する考え方。多くのいろんな人と仲良くなりたい、話ができるようになりたい。無理をしている。あなたは親しい人とは話ができる。優しい人とは話ができる。それでいいんですよ。無理しなくて。たくさんのいろんな人と友達になったり、話ができるようになったりしたい。これ自体が無理な考えです。自分自身にプレッシャーをかけてしまいます。誰しも。そんなことはできるわけないんです。

 仮面をつけたり自分を偽ったりしています。例えばスターはいろんな人と嫌な顔をせず話をしないといけない。嫌な人、苦手な人でも合わせます。人気に関係しますから。本当は嫌であっても笑顔で話したりします。無理すると心の不調に陥るかもしれません。また学校の先生は自分のクラスの子どもたちと仲良くしないといけません。苦手な人もたくさんいるはずです。耐えられず、職員室で、愚痴がでたりします。
 
 自分と目的があった人。自分と価値観があった人、自分と気が合う、人そういう人と話ができればいいんです。例えば授業のグループとかで話をせざるをえない時は、最低限の会話で必要なことだけを発信すればいい。それ以上の事は無理して意見を言う必要もない。無理に何かを言おうとするとおかしくなる。その無理してやろうというのは、自分をよく見せよう、よく見られたい、悪く思われたくない。そういう気持ちがあるのでそうなってしまうんです。ですからやっぱりよく思われたいとか、他者の評価、人の目を気にしてしまう。自分の評価に生きる自分で変わっていくっていうことが大事です。
つまり、ありのままの自分でいい。ありのままの自分でありながら、成長していくためにいろんなことを学び、身につけ、自分を磨いていくことです。そのためにも自分の「振り返り」が必要です。