今年の4月より高校生になる者です。進路と部活動について質問させて下さい。
私は中学3年間吹奏楽部で活動してきました。私の通っていた中学校では部活動よりも学業が中心だったので
それなりに楽しく活用をすることが出来ました。私が4月より進学予定の高校は(私学の高校なのですが)
比較的 学業よりも部活動に力を入れており吹奏楽部もかなり厳しい練習があるそうです。
母は中学からやってきたのだから高校でも吹奏楽部を続けて欲しいと言います。高校卒業後同系列の私学の大学に行くのは費用的に厳しいので公立の大学への進学を目指しています。これについて母は私の住む地域で一番難関の大学に進学して欲しいと言っています。正直 私は高校でも吹奏楽部をやりたいとは考えておらずどちらかというと勉強に専念したいと思っています。
しかし母には吹奏楽部を全力でやり成績は常に上位を心掛け難関公立大学へ合格しろ と言われます。
どうすれば良いでしょうか。母に伝える場合でもどのように伝えれば良いのでしょうか。拙い文章ですみません。回答宜しくお願い致します。
回答
臨床心理シランの室です。
母親の敷いたレールに乗って生きるか、それとも自立の道を進むのか…悩むところですね…。
15歳で自らの進路と方向をある程度持たれているというのは立派なことだと思います。
親をはじめ大人は過去の経験知から子どもに、失敗させたくないという思いからアドバイスするのが普通です。人生の先輩として多くの経験をしており、社会を知っている部分があるからです。その意味では親をはじめとした大人の言うことは謙虚に耳を傾けるべきことだと思います。
しかし最近、少子化の影響もあってか、過干渉になる親が増えています。親の希望する通りに子ども操作しようとする傾向が見られます。
子どものことを考えているようで、実は子どもを手段として親の希望を通しているのです。そこに、子どもの自立や本当の子どもの幸福は欠落しているような気がしてなりません。最近の多くの社会的事件になった失敗事例がそれを物語っています。
自分の進路は自分で決めるべきです。自分の人生なのですから…。ですが、自由には責任が伴います。自ら決めた進路には、最後まで責任を持つべきです。それが自立した大人の行為だからです。
親は、15歳の子どもの進路選択には当然不安を抱くでしょうが、助言しながら、本人と対話すべきです。そして、本人の選択を尊重すべきだと思います。
あなたは、親と一個の人格対人格として対話すべきだと思います。「自分の人生を生きたい。自分の進路選択に、最後まで責任を持つ」と、親を納得させなければなりません。こういう問題は、母親よりも本当は父親とすべき内容だと思いますが…。
以下は私の昔の失敗体験です。何かの参考になれば幸いです。
高1は何も考えず登校していました。ところが高2になると、通学が苦痛になり午前中は家で寝てしまい、遅刻・欠席が続きました。どうしていいかわからなくなり、横道にそれ、結果的に2年生の欠席は70日。高校中退に追い込まれました。
なぜ学校から足が遠のいたのか…自分の行きたい学校ではなかったということ(家の経済事情で大学進学が無理であったこと、また友達に誘われて高校を選んだという安易な進路選択でした)。勉強に対して目標もなくなり、受動的になっていました。結果、いつしか楽しい遊びの世界に惹かれていったのです。また怠けが許される家庭環境であったこと(母親とは7歳の頃死別、以後父子家庭で育つも、父親は酒乱で子どもを放任していた)などが原因だったと思われます。当時の私は全て、人任せで無責任な生き方をしていました。
高校中退後、独立・自立を迫られ、家から追い出されました。身寄りのない東京へ一人で行き、「新聞配達少年」となり一からの出直しを図り、はじめて自立の人生が始まったのです。定時制高校に編入学し、幸運にも善き先輩と出会え、その人と触れ合うことで、啓発されていきました。自信もなく虚勢を張っていた私も、いつしか自分の可能性を信じて行動する自分に変っていきました。
「大学に行って学問しよう。そして学んだことを人のために役立てよう」と、決意し主体的に目標を立てました。また名作や哲学書にふれ、人生に対する姿勢が変わり、「無医村に行って人の役に立ちたい」と「国立大医学部」を目指して猛勉強を開始しました。働きながら目標達成のため3年間努力しましたが、国立医学部の壁は厚く、年齢のことも考え志半ばで方向転換を余儀なくされました。
結果、当時新設された広島大学総合科学部試験に合格し入学。紆余曲折しましたが、最後は中学校の教師の道を選びました。結果的にその道は、自分にふさわしい道だったと、今は納得しています。(自伝的ノンフィックション小説「失敗もいいものだよ」に詳細記述)
親が高校に進むのではありません。あなたの高校進学であり、あなたの高校生活です。親のアドバイスは聞くべきですが、最終判断は、あなたがすべきです。あなたの人生なのですから…。しかし、それには責任が伴います。責任なき自由は単なるわがままになるからです。どんな結果になろうと、責任は自分が取るという覚悟があるのなら、その道を進むべきであり、親にもそれを訴え、納得させるべきだと思います。
「青春の夢に忠実であれ」とは、ドイツの詩人シラーの言葉です。
自立はある意味、困難な茨の道でもありますが、青年には情熱があるからこそ、その困難も乗り越えていけるものだと思います。