質問
感情の変化が乏しいと感じられることも感じることも頻繁にあります。
特に初対面の人や、そこまでお話したことの無い人に対して強く出る傾向にあると思っています。
自分ですら何を考えているのか分からない時があります。家の中で、感情を押し殺すようなことをしていました。
幼少期から両親とコミュニケーションをとる事が少なかったです。人の顔色を伺いながら過ごしていました。それは小学校に入学してから今まで、変わることはありませんでした。なにかしらアドバイスをよろしくお願いします。
回答
もちろんありますし、あなたにもできます。
あなたの悩みは青年期特有の他者意識を強く持つことから起きている悩みの一つと思われます。私にもそうした時期がありました。自己をどのように表現するか。それは、過去の世界や日本の名作文学作品のテーマの一つでもあったのです。太宰治の書「人間失格」は自己表現に最後まで苦悩した主人公が描かれています。
三島由紀夫も文学を通して、自己表現をテーマにしていたように見えます。武者小路実篤の文学は、人間の自己表現の陽性部分描いています。時間があれば、古今の名作(名作は深い人間観が描写されているから名作といわれている)を読まれるとよいと思います。私は19歳の頃、夏目漱石の「こころ」というものを読んで、人のこころについての考えが大きく変わったことを記憶しています。もちろん以後の自分の人生に役立っていきました。
文学には、そうした人生を疑似体験し学び自分の精神の向上につながる良さがあると思っています。あなたは若いし、これから、どんな人生を歩むこしもできる可能性を秘めているのですから大いに学び自分を高めていってください。。
自分を表現する。感情や気持ちの表現、考えや思いの表現、これらは言葉によって表現する方法です。もう一つは、言葉以外で自分を表現する方法、ノンバーバールコミュニケーションと言われるものです。笑顔、怖い顔などの顔の表現、また動作で表現したり、言葉の調子で表現したりすることも自己表現の一つです。何も言葉でしゃべることだけが表現ではありません。表現力のある人は、自分の能力のすべてを活用して自分を表現しています。
なぜ自分の気持ちや考えが自由に表現できないのでしょうか。
これまで生きてきた環境によって作られた自分なりの表現の仕方を身につけているからです。
虐待、いじめ、両親間のDV、過干渉などの家庭環境では、自分の身を守るため、大人・親などに自分の気持ちや考えを出せなくなっていきます。自分を表現すると攻撃されるかもしれないという恐怖心から自分を守るようになっていくものです。自分の気持ちを表現しなくなっていきます。
このような環境の中で育つと、他者不信、他者不安が強くなり、人の中で安定できなくなります。
また、自分の気持ちがわからなくなります。他者に自分を出してよいのかがわからなくなり、自己表現の仕方が未熟のままに育ち、大人になっていきますが、どこかで行きずまります。
解決方法は、自分は自分でよい、自分の尊い存在、だから自分を表現してもよいと言い聞かせ、勇気をもって自己開示してゆきます。また潜在意識下にある記憶(恐怖体験)を知り、それが今の生き方に影響していることを自覚することです。
さらに侵入してくる過去の記憶をそのままにして、今の瞬間を、目的をもって誠実に丁寧に生きることによって、新しい記憶を作っていき、過去の記憶が自然と薄れていくようにしていくことです。
本来の自分を知り、その自分に生きることです。また他者比較の生き方から、自分対自分という自己評価に生きる自分を創ることです。詳細は、このブログの内容「本来の自分に生きる」を参考にされるとよいでしょう。