相談室(ブログ)

仕事のストレスで体調を崩してしまう

2019.07.10

質問 30代前半女性

数年働いている職場ですが、仕事量も増えた今年の始めあたりから、仕事内容が複雑になり不安や心配事が増えると原因不明の高熱が出るようになってしまいました。
何軒かの病院に行き検査してもらうも原因不明で、解熱剤も効いたり効かなかったりの状態です。
軽度の体調不良なら我慢できますが、39度越えで座っているのも無理な状態の体調不良に毎回襲われるため、仕事を休まざるを得なくなります。
まだ数回しか起きたことは無いのですが、最近起きた時も「またか」と思い、何の薬も服用せず休んだら39度台から翌日には平熱にまであっという間に下がりました。
ひどい時は高熱と何度も嘔吐、食欲は全くなく、連日ずっと悪寒に襲われます、インフルエンザ症状のような感じです。
この現象が起きるときと仕事の多忙時期が重なるため、仕事のストレスが原因かと思っております。
対策としては退職や休職をすることが一番かもしれません。
しかし、次の自身のやりたいことへのステップのために金銭を稼ごうと、あともう少しだけこの仕事は頑張ろうと思っています。
(実は、今まで何度もやめようと思っていましたが。)
また、今年から少しポジションが昇進し、より上部の社員と関わる部署に就いたこともあり非常に辞めづらくなりました。
職場はできるだけ社員の声を拾い、融通を利かそうとしてくれます。しかしそれほど多い社員数でも無いため社員同士の公私な関係も見えやすくなり、時々窮屈に感じます。
また、職場も緊張感で張り詰めた空気があり、常に神経ピリピリです。
自分でも今の仕事に一定のストレスを感じていることはわかっていますが、これほど体調に反映されると思っていなかったという驚きがあると同時に、こんなことでストレスを感じるなんて、と情けなくも思います。
(初期の体調不良は一人で動くことが無理で、母親に付き添ってもらい、院内を車椅子で移動する羽目になりました。)
課長からもメンタルの弱さを指摘された事があります。
正直、課長にとても苦手意識を感じています。かなり恩はありますが、何でも見透かされている気がして苦しいです。
ただ、仕事は認めてもらっています。完璧主義だと指摘される事があるため落ち着いたほうがいいとも言われますが、正直課長がいると落ち着くことなどできず、より臨機応変さを求められるので(私は臨機応変が苦手です)
落ち着いて入られません。
この人の元であともう少しだけ働くと決めていますが、今後仕事のたびに倒れているとあちらからも「またか」と思われてしまいます。
何とか乗り越えたいです。
もっと肩の力を抜きたいし、もう少し落ち着いて臨機応変にできるようになりたいし、「まあこれぐらいでとりあえず今はOKだ」と自分に言い聞かせて仕事をこなしていけるようになりたいのですが、そのどれもができず課長の目が気になりカチコチで結局疲れてしまいます。
できるだけ体調に反映されないように、ストレスを緩和させたいのですが、どうすればよいでしょうか。

回答

はじめまして 臨床心理シランの室です。

今の高熱、嘔吐、食欲不振はあなたの推測通り、仕事の多忙時期によるストレス反応と思われます。
あなたが感じているように、仕事のストレスに対してうまく対処できていないか、あなたの許容量を既に超えているのかもしれません。結果、不適応症状を呈しているようです。

それも心の状態を体が代わりにサイン(発熱など)を出していると思われます。このサインを無視して、突き進んでいくと、心身とも壊れてしまう結果にもなりかねません。早急な手立てが必要でしょう。

ストレスにうまく対処していくためには、物事のとらえ方や考え方、行動の仕方、感情のコントロールの仕方、ストレス対処の仕方(ストレスコーピング)、ソーシャルサポートなどが必要になります。

現状を改善させる対処法としては、心療内科(精神科)に行くか、認知行動療法カウンセリングを受けるか、自力で心理ストレスコーピング等の認知行動療法をするかの三つが考えられます。

一つ目の方法は心療内科を受診することです。掲示板の内容を医師に話せば、おそらく適応障害か抑うつという診断が下されそうな気がします。もしかすると休職をすすめられるかもしれません。

休職されながら、薬物治療だけでなく、認知行動療法を受けることもよいと思います。
休職の場合は、傷病手当(給与の約70%の手当)の手続きも出来ますし、経済的な心配もしなくてよいと思います。病気であるなら休職は当然の権利ですので、後ろめたい気持ちになる必要もないでしょう。医師の診断、判断に任せるしかありません。

自分の健康は、会社は守ってくれません。自分で守るしかありません。心が壊れてしまうと、修復するのに身体以上に時間がかかるようになります。賢明にならなければいけません。

あなたは頑張り屋さんで、完璧主義で責任感も強く生真面目という美点の持ち主のようですが、今はその美点があなたを追い込んでいるようです。あなたの臨機応変に対応できない、心の硬さのようなものが、物事に対する柔軟性を欠き、心身をコチコチにさせているようです。一日も早く心身を解放させてあげましょう。心の奥深くから悲鳴が聞こえてくるようです。耳を傾け、悲鳴を聞き届けてあげてください。

二つ目は専門のカウンセリングルーム(できれば専門性の高い臨床心理士や公認心理師がいるところ)で認知行動療法を受けられるとよいと思われます。物事のとらえ方-行動―生理―感情という心と体のからくりを理解し修正する方法です。あなたの本質的な心理傾向をよい方向に向かわせるためにも心理カウンセリングを受けるとよいでしょう。この方法は仕事をしながら可能です。

三つ目は自力で、本などを読んで認知行動療法やストレス対処などを実行する方法です。認知行動療法の中に、ホームワークやモニタリング(自己観察)などがありますので、できないことはないと思いますが、自制心や向学心、そして症状が軽いことが条件になると思います。今のあなたの現状では難しいかもしれません。

あなたの症状からすれば、一つ目か二つ目を選択され認知行動療法を受けることが現状の改善にはベストでしょう。

「もう少し、頑張って資金を貯める」などという、あなたの物事の受け止め方は、視点を変えれば、違った見方が出来るようになります。人に話す、他者に語ることによって自らの客観視が出来るようになり、気づきが生まれ、違った見方が出来るようになるでしょう。

根本的な改善のためには、認知行動療法、ストレスコーピングの習得、ソウシャルサポートの獲得は必須だと思います。

すぐにできるストレスコーピング(緩和)を参考までに列挙します。
・生活習慣を振り返る…十分な睡眠はとれているか。規則正しい食生活になっているか。定期的に運動しているか。週に一回以上、仕事を忘れる時間はあるか。シャーワーでなく入浴しているか、など。
・リラクセーション…筋弛緩法、自立訓練法(ネットなどで調べればでてきます)、複式呼吸など。