相談室(ブログ)

気分の浮き沈みが激しいのは鬱?(妻からアスペルガーと言われ)…ベストアンサー

2019.04.09

カウンセリング専門館への回答…2019.3.25…ベストアンサー

臨床心理シランの室です。

奥さんから「アスペルガーかもしれない」と告げられたのは、あなたのどういう行動面を指して言われているのでしょうか。実家との縁を切り、絶縁状態のままになっていたり、奥さんの気持ちとのすれ違いなどがあったり、会話がかみ合わなかったりという部分から言われているのでしょうか…。

光や音などの感覚の鋭敏さ。会話しながら何かをするという同時処理能力の問題。雑談ができない、冗談が通じない。こだわりが強く、自分のルーティンを守る、人の顔が覚えられないなどはアスペルガー(自閉症スペクトラム)によくみられる症状ですが、あなたにあてはまるものがどのくらいありますか…。

発達障害の診断は、本人やご家族から、これまでの発達の過程を聴収することで行われます。とくに小学校に上がる前を含む幼少期、児童期の対人関係がどうであったかが重要になります。本人だけの症状の説明や対人関係上の問題だけの説明だけでは、診断が偏ってしまうからです。家族(親)の本人の発達の経過の説明がなければ診断は困難です。ですから医師も診断に慎重になります。

心療内科の先生が仕事も出来ているという事実から、アスペルガーではないと判断されたのは一理あると思います。アスペルガーであれば、仕事が続かず転職を余儀なくされる人が多いからです。人生で、かなりの生き辛さを感じる人が多いという事実があります。

障害の診断は、生きる上で有効な支援を示す指標という点で大きな意味があります。自分の失敗や生きづらさの原因がわかる…自分の特徴がわかるという利点です。また、疾病利得もあります。法的に保護される部分もあるからです。それはあくまでも社会の中で生きる障害の生きづらさを保護するためのものです。

アスペルガーであれば、双方向のコミュニケーションがうまくいかず、対人関係で行き詰まり、職場の人間関係で長く勤まらないという問題がよく起こります。限られた職場でしか適応ができなくなりがちです。障害手帳を取得して、「障害枠」の中での就職になりますが、それもなかなか難しいようです。同僚や上司の理解がない職場が圧倒的ですから。夫婦ですら、理解してくれないのが現状かもしれません。

奥さんがアスペルガーに対して正しい理解をするためにも、奥さん自ら一度心理カウンセリング(アスペルガーに対する正しい理解のための心理教育)受けられるとよいと思います。そうすれば、夫婦とも納得できるでしょう。大人の発達障害に対応しているクリニックに行かれたらよいと思います。(大人の発達障害の診断をできるところは少ないようです。)

アスペルガーという言い方の中に、夫婦の問題、あなたの本当の問題が潜んでいるように思われてなりません。そこを明らかにすることがより重要だと思われますが…。

奥さんは「アスペルガー」という言葉を使って、あなたにモラルハラスメントをしているような気がします。その主観的決めつけはあなたを傷つけ、限りなく抑うつ気分をもたらしているかもしれません。奥さんのそうした「主観的決めつけ」の背景には、あなたの奥さんに対する問題の言動があるのではないでしょうか…。

アスペルガーかどうかという不安、奥さんからも言われたり、責められたり、それらが頭の中を占め、それだけで気分が上下しているようですので、ご夫婦でよく話し合われるべきかと思います。夫婦で他の心療内科に行かれるのもよいと思います。

また心にひっかかり罪悪も感じている実家との絶縁状態…人倫という視点から見るとき、どうなのでしょうか…修復されれば、気持ちもすっきりでき、気分の浮き沈みも緩和されるような気がしますが…。

いずれにしても「アスペルガー」云々よりも、夫婦関係の問題のような気がします。