(質問)
高一の女です。自分がどうしたら今耐えられるかわからないです。
小学生の頃から気付いたら常に頭の中に『死にたい』という単語があり、何故かそこはどんなに楽しくても笑っていても変わらないみたいです。
母も精神が弱いこともあり、これ以上母を傷付けると家庭が崩壊しそうなのですが、これ以上我慢をすると私が壊れてしまいそうです。もうこの世にいたくないです。
家に居たくない、ってなっても高校生が行ける所なんて限られていますし、精神的な病院に入院するとしても私はそこまでの状態でない気もします。
勉強もしたいのですが、うつ病と診断された中学一年からどんどん記憶力も理解力も下がり、今じゃ教科書をノートに写そうとしてもその間に忘れてしまい何にもなりません。大学受験、就職も視野に入れなきゃ行けないのに今のままじゃ未来が見えません。不安です。毎日毎日我慢し続けてもう限界です。
(回答)
臨床心理シランの室です。
生き辛さの中で、希望もなかなか見いだせず、なんとか今日まで生きてきたのですね…。生き抜くということは大変なことです。寝たきりになっても、なお周囲の方が必死に介護をしながら生きようとしています。また身体にひどい障害を持ったり、半身不随になったり、認知症になったりしても、なおかつ生き抜こうとしています。そんな人たちの人生を見るとき、「生きる」ということは何なんだろう‥と考えてしまいます。
人生の意味を追求し、あらゆる宗教・哲学が生まれと言われています。
ブッタ(仏教の創始者、釈尊)…彼は何不自由のない王子として生まれ育ちましたが、人生に悩み(心から楽しみを感じることができる人生とは何か)‥悶々として解決を求め、すべてを捨てて出家したと言われています。修行を貫き続けた結果、悟ったといわれています。
ブッタの思想…誰人の中にも等しく内在する不可思議な生命…創造的で幸福になっていける生命と智慧が具わっている。自らも幸福になるとともに、周囲の人(自然も含めて)も幸福にしていくという共生の哲学と言われています。いかなる運命や不幸をも転換できる生命の働きをもつという哲学思想です。
人の命は宇宙の宝すべてよりも尊い。この世界で人間だけが、自らの可能性を信じて自らを変えていける「聖道正器」の存在とも言われています。確かに動物や植物は、自らを変えることもできず、本能のまま、生態系に従って生きています。
その尊い人間の生命として誕生してくる可能性をガンジス川の無数の砂の一粒という譬えで説いています。つまり人間生命はかけがえのない尊さをもった存在ということです。しかも、どんな境遇、運命も宿命をも転換できると説いています。
生命は、誰人も創造(幸福)と破壊(不幸)という二面があるというのがブッタの思想です。生きるというのは、自分との戦いでもあります。善(創造、幸福の働き)が勝つか、それとも悪(破壊・不幸の働き)が勝つか…。自分の可能性を信じ、自分に勝たなくては、幸福は得られないと説きます。自分による自分の変革を説いたのです。
今の苦しみは、あなたがそれを乗り越えた時、同じような苦しみを持つ人を支援することにつながります。ハンディーが最大の長所や持ち味に替わるのです。それが生命の不思議さなのです
マズローという心理学者は欲求の5段階説を唱えています。1,生理的欲求 2,安全欲求3,社会的欲求4,尊厳の欲求5,自己実現の欲求という5つです。
最初から三つまでは環境から与えられます。4つ目からは、自らの努力の結果得られる内的な充実感になります。尊厳の欲求、自己実現の欲求が満たされれば、心が満たされ心の充実がもたらされます。
生きる確かな目標をもち、その達成のため努力していく日々の中に充実がもたらされます。多くの心理学者、宗教家は自らを高めながらも、他者貢献の生き方を目指すところに深い充実感がもたらされると説いています。
充実した生き方は豊かな環境から与えられるものでも親の愛情から得られるものでもなく、自らの目標に向かって生きる生き方の中に生まれると言われています。
一人で今の状態から脱出するのが難しいのであれば、人の助けを借りましょう。あなたを支援してくれるところはたくさんあると思います。
まずは高校のスクールカウンセラー(無料)に相談されることを勧めます。それが難しければ、民間のカウンセリングルーム(有料)でカウンセリングを受けられたらどうでしょうか。