相談室(ブログ)

うつ 心模様④ 反芻思考が気分の低下を誘う

2024.02.03

   
 私たちの無意識世界は心身を守る戦いをしてくれています。例を挙げれば、私たちの血液の中にある約200万個の白血球は、休むことなく菌やウィルスと戦い、私たちの身体を健康に守ろうと動き働いています。同様に私たちも目的をもたないと自分の健康を保てません。変化に対応しないと、どんどん衰え、壊れていくからです。

 抑うつ気分も反芻思考も、今生きている意識が感覚をまとめたものです。それらが苦しみであるなら、体の痛みが故障部分を教えてくれているように、心の不健康部分を教えてくれているのです。「何を教えてくれているのだろう」と反芻思考から学べば、反芻思考を前向きにとらえることが出来るようになります。

 抑うつ気分に襲われながらも、目的に意識を集中することです。行動し続けることです。今できる行動をすることです。抑うつ気分の改善の一番は、体を動かすことです。血流をよくすることです。運動が一番ですね。その他、温泉、岩盤浴、陶板浴、サウナなど血流をよくするものが、まずお勧めです。また楽しいこと、興味のあることもよいでいいと思います。心が少し上昇するからです。

 抑うつ気分が強く、気力が出ない時は、今生きている証である呼吸に集中します。丹田呼吸をしてみます。吸う約4秒、口からゆっくり吐く約8秒~15秒を落ち着くまで何度も繰り返します。呼吸は自律神経に大きく影響します。

 動物・人は息を吸うとき緊張し、交感神経が優位に働きます。息を吐くときは逆に、副交感神経が優位になり、弛緩、リラックスします。丹田呼吸は、ゆっくり息を吐くことで副交感神経の働きを活発化し、緊張をとき、心身をリラックスさせます。
 30分以上かかるかもしれません。抑うつ気分の時は、ずっとこの呼吸をするのもよいでしょう。
 
 うつは生活習慣病と言われるようになりました。ある意味、すべての病は生活習慣がもたらすものといえます。認知行動療法は、考え方、ものごとのとらえ方に焦点を当て、うつの改善をはかります。森田療法は、気分と言葉の関係を生活の中で体得し、改善をはかります。マインドフルネスは、心身の部分と全体のつながりを体験から悟ることでうつの改善をはかります。

 生活習慣とは…思想であり、生き方であり、心の持ち方であり、考え方、ものごとのとらえ方、価値観、食生活、人生の目的観まで含んだその人の全体的なものです。うつの治癒は生活習慣を自らが変えていくということになりますから、完治することは厄介であり、時間がかかります。
 
 このことを理解すれば鬱が薬で治らないことは、プラセボ実験(鬱の薬と偽薬の効果が半々であっというアメリカでの実験の事実)を待つまでもなく自明なことです。薬で再発したり、遷延化したり、20年の服薬でも治らないというのは、当たり前のことなのです。薬は全く効果がないと言うことではなく、一時的症状の軽減には役に立っているのは事実です。
 うつは生活習慣をつくるその人の持つ思想の問題であり、生き方習慣の問題なのです。東洋医学は3000年前からこのことを解明していました。対話を通しての本人の自覚が本質的な治癒につながります。
 ヒマラヤの旅人