私たちは、この地球に生を受けて、地球や太陽や自然の恵みに守られて生きています。母から産まれ、いろいろな人に守られ生きています。私たち人間は、自然やあらゆる生物、社会の恵みに育まれて生きています。私たちの身体は、宇宙の物質からできています。
地球の恩恵は無限であり、生物・人間に無尽の愛を注いでくれています。愛とは、人知れず尽くす行為であり、どんなときも支え、大事に守る働きです。赤子に対する母の無償の愛に近いものがあります。
地球は黙々と働いています。彼は地上の生物に見返りを求めることはしません。私たちは、空気、水、光、大地など使い放題に使っています。地球は、いつも私たちに最高のものを与えてくれています。地球はだれのものでもありません。地球自らのものであることを忘れてはいけません。
地球は優しく、慈愛の体現者ですから、すべての生あるものを育み、受け入れています。その深く広い愛に気づかず、多くの人間は、甘えています。愚かな強欲者や利己主義者は自分のものでもない地球を私物化し、生物を支配したり、コントロールしたり、金儲けの手段や道具にしています。
とても悲しいことです。地球は泣いています。あるとき、地球は自らの傷の痛みに耐えかね、自然災害の形で、「痛い、苦しい」と叫び、私たち人間に警告します(注1)。しかし、欲で情緒が濁り、そのメッセージを読み取れない権力者は、目先の対処に汲々するばかりで、本質を見ようとはしません。
地球は私たちを含めた無数の生物を乗せて、精巧に自ら回転しています。人間はその変化分を24時間と計測します。また太陽の周りを正しい軌道に則り一周します。人間は、その動いた分を、365日と言います。地球の働きは、寸分の狂いもなく、休むこともなく、まるで自らの使命を忠実に果たすかのように動いています。
もし地球が休んだり、止まってしまったら、私たちを含めた生物は、たちまち死滅します。微妙な調和に包まれ、宇宙空間に漂いながら、今生きていることの不思議さに感動を覚えます。
月や近くの惑星である金星や火星に、酸素や水はないと言われています。太陽系では、地球だけが酸素が豊富にあり、水に恵まれています。この地球の慈愛、太陽の愛、自然の恵みや恩を私たち人間は、どれほど感じているのでしょうか。
この恩恵を感じる感性が、心の健康の一つの証です。心が浄化されれば、この世界や自然に当たり前なことは何ひとつなく、すべては有り難い、かけがえのない瞬間であり、できごとだと観ることができるようになります。
注1 釈尊の教えである「金光明経」「大集経」「仁王経」等の経典で説かれています。金光明経のごく 一部を、難解ですが原書にて紹介します。「一切の人衆、皆、善心なく 繋縛殺害瞋諍のみあって 互いに相讒諂し 枉げて辜なきに及ばん、彗星しばしば出でて…疫病流行し…地動き、暴風・悪風・時節によらず常に飢饉に遭って、苗実成らず…」(大意を述べます…すべての人間は、他に施したり、他を育んだり、守ったりすることなく我欲に生きている。そして互いに殺し合い、争い、いがみ合っている。結果、彗星はしばしば出現し、疫病が流行し、地震は多発し、台風、洪水、季節外れの気候が起こり、飢饉、飢餓になり、農作物も実らない)今の頻発する異常気象、各地の戦争・紛争状態など合致しています。原因は人間の五欲の執着、自己中心の生き方にあると警告しています。
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