心の苦しみの多くは対象に執着する心の強さから起きています。執着対象を明らかに見きわめきれば 苦しみを解き放つことができます。
苦しみは六識(五つの感覚と意識)が対象としているものとの関係で生まれます。例えば麻酔を打たれて意識がなくなれば苦しみも痛みも感じません。しかし脳・神経活動がなければ、痛みも感じないかわりに楽しみも感じなくなり、すべての感覚反応がなくなります。結果として心身は痛みを感じなくなり、故障部分に気づかなくなり、その部分は悪化してゆき、やがて死に至ります。つまり痛みや苦しみは生きていく上で大事な働きをしているのです。
痛みや苦しみは、今をよりよく生きることを教えてくれる先生のような働きをしています。健康へのメッセーンジャーなのです。そのメッセージ―を、どのように読み解くかが苦しみから解放の鍵になります。
さて今回は、苦しみをもたらす自己執着、動物的生物がもつ保身(心身を保つ)という視点から考察してみます。
例えば、車の運転をしているとします。前から対向車線を越えて飛び込んでくる車に対して、運転者の私たちは、自分を守るために、とっさにハンドルを切ります。瞬間的に、隣や後部座席の同乗者のことは意識できません。人間は瞬間的に、自分を守るように心も体も、意識も無意識もすべて自我執着(自分を守る・保身)の働きをします。
生きるとは、自分の身を守ることと言えます。地上の動物は身を守るため、生を維持するために生きます。自分が生きることが最重要であり自己中心の動きをします。それが弱肉強食の法則です。
人間世界にも弱肉強食はあります。他者より強い立場になれば、楽に身を守ることが可能になります。そのため地位やお金や財宝を人よりたくさん得ようとします。また名声、人気を得ることで集団の中で優位に立とうとします。善悪は別にして、根底には弱肉強食本能が潜んでいます。
動物種である人間は、知識を使って、道具や機械、武器、戦闘機などを作り、弱い存在(人、動物、植物など)を殺しています。ですから、いじめは人が存在する限り発生します。なぜなら弱肉強食本能を生まれながら持っているからです。
太宰治は、この人間の自己中心性を誰よりも鮮烈に見抜き、そして絶望していたと思われます。
人は脳が発達しているため、地上で最も性質の悪い生物にもなります。この思想(本来的に身に具わった生き方=本能)は苦しみをもたらす大きな要因の一つになっています。こうした生命の働きをありのまま知ることが賢者や聖者の道でした。
大脳皮質部が発達し思考することができ、想像力を使える優れた人たちは、自然や宇宙や社会の中に法を発見しました。保身という動物的な自己中心性を超える生き方を見出したのです。彼らは、人の優れた生き方を探究するため世俗の執着から離れ、自己中心性と闘い生きる道を探究しました。歴史上、心の優れた人たちが、その道を究めたと言われています。
代表的な人を一部紹介します。釈尊、竜樹、天親、鳩摩羅什、イエスキリスト、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、老子、孔子、天台、最澄、日蓮、ダビンチ、ニュートン、ゲーテ、トルストイ、ユング、ヘレンケラー、ナイチンゲール、ガンジー、キング、野口英世、宮沢賢治、ニコラテスラ、アインシュタインなどなど…。彼らは人間の保身、自己中心性に潜む悪・魔性を見つめ、それを昇華させる法を自然や物理や量子や光や人間の深層心などから探究し、その一部を発見しました。
その道は自己中心的な道とは逆な方向、自分を育むように他の生命を育み守るという利他の道であり、痛みや辛さをともなう生き方です。自己中心性を本来的に持つ人にとっては、心の闘いが求められる厳しい生き方になっています。
人道を修めるための訓練であり修行といえます。その訓練という実践の中で苦しみの原因である執着は自然に溶けてゆき、苦は消滅していくのです。
釈尊は、人間の生きる道、人間生命の根本的法則の発見者と言われています。彼は人間の保身を調和させ、自己中心性と自分を取り巻く生物を利する道を慈悲という働きの中で調和融合させました。つまり、自己中心的自我と利他的自我の調和の道を見出したのです。全ての生物は等しく平等に、慈悲の働きに支えられて生きているという共生共存の本然的調和の姿を目指しました。
そして、その生き方の中にこそ、深い充実があり、喜びあり、人間道の完成があると彼は悟り、弟子たちに、その道を歩むことを勧めたのです。
マインドフルネス安穏法の究極の目的は、その生き方を目指しています。そこにこそ人生の真の安穏があるからです。
人の心の闇は破壊をもたらし、心の光は闇を照らし生命を輝かせます。
釈尊はそうした、人間の心の持つ闇や光を煩悩(五つの感覚器官が感じる快楽と苦)から生起すると分析し、その不調和・濁りが病の状態をもたらすと考察しました。
煩悩とは動物・人間が生きる上で本来的に持つ能力・働きです。その根本は快楽原則が基本になっています。一例ですが、空腹感がなければ食べることをしません。食べておいしいと感じる快感がなく、逆に不快を感じるようになれば食べなくなるでしょう。そうすれば死に至るかもしれません。食べるという本能的行為に快感がともなうのは、私たちはかんがえたこともありませんが、生命を支える不思議な慈悲の働きの一つなのです。
生きるための欲望(働き)が煩悩といえます。煩悩には明暗があります。例えば、煩悩が濁れば血液も濁り、万病の原因になります。煩悩が浄化され調和されれば、血行もよくなり、血液も淀みなく流れます。一例をあげれば怒りという煩悩は緊張をもたらし、血管を収縮させ血管を傷つけたりします。
煩悩の偏りや対象への執着や抑制できない欲望の噴出が生命を濁らせ、その濁りが本来持っている清らかな生命の働きを阻み、濁らせた結果が病の状態であると釈尊は洞察しました。
部分観に陥った修行者は、煩悩の滅失をはかり、断食、断眠、断苦等の修行を貫き、餓死した修行者もいました。餓死した修行者は解脱・涅槃(心身の苦から解放され、清らかな安らかな生命を得た)に至ったとされ渇仰されたと言います。釈尊もそうした修行を実践し、何十日も断食を実行し瞑想していた時期があったと言われています。苦行の果てに辿りついた釈尊の悟りは、煩悩は断じるものではなく、明らかに見て、調整し、それを活かすことであると悟ったのです。
最新の科学、特に量子力学等が後追いするかのように、釈尊の法の卓越した科学性を証明しています。釈尊の法も科学も現象に即して、現象を貫く因果や性質を洞察しました。
科学は、光や電磁波や物質の性質や働き(法)を発見し、人間社会に福利をもたらしました。この世界・宇宙はもともと、だれがつくったものでもなくもともと存在し、法に則り自ら創作し自ら演じています(ニコラテスラ・アインシュタイン、釈尊たちの覚知)。その法の一部一部を発見(悟る)したのが、諸科学といえます。釈尊は部分の発見・悟りではなく全体を覚知・発見した人なのです。
生命そのものを覚知された釈尊に、病の原因も治療法も太陽の光が闇を明るくするように、すべて明らかになりました。釈尊の覚知された法は、教えとして、八万宝蔵とも言われ、各時代の人師によって伝持されてゆきます。
時代の変化の中で、釈尊の教え(仏教)は玉石混交となり、何が正知識か正法か分からくなったのも事実です。その法や知識の見分けは、実践者の人間性・人格が最終的な判断になります。なぜなら、釈尊は人間の生き方、真の幸福道(無上菩提を修行の目的としていた)、つまり人格の完成、最高の人間性の成就でした。そしてそれは、人の振る舞いで表現されると断言されたのです。正法は、人を通して、正しい知識となり、正しい振る舞いとなり、心の優秀さとなって表現されます。その観点から見れば、今も昔も偽善者だらけといえます。
人は苦しみの底までいくと、浮上していきます。そして、つかの間の楽境に至ります 苦しみは長く、楽しみは短い、それが生きることの真実の姿です。
苦も楽も大海の波のようなものです。生じては消え、消えては生れます。波を生じさせる海そのものになれば苦も海の一部であり、楽も海の一部と自覚できます。苦楽は一体なのです。ただ海の別表現に過ぎません。苦も楽も仮の姿なのです。そのような自覚をもたらすものがマインドフルネス調和法です。
マインドフルネスの淵源をたどっていくと釈尊の瞑想にたどり着きます。釈尊は瞑想で何を覚知されたのでしょうか。
釈尊自らの瞬間の生命の中に、宇宙、自然、一切の生命を貫く不可思議な法・ダルマを研ぎ澄まされた思惟力と一念集中で直観されました。
「想像力は知識より大事である。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む」
アインシュタイン博士の発見を貫いた内的世界を語る名言です。現象や出来事を想像力でつなぎ、想像で広がった世界を思考で精緻化し、組み合わせ、相対性理論を完成させました。既成の知識だけでは到達できない世界を可能にさせたのは集中力で研ぎ澄まされた思惟力・想像力だったのです。それが閃き・発見を産んだのです。完全な知識に裏打ちされた思考、それを内包した想像力こそ創造の源泉です。
それらの思考法と想像力をもとにしたものが、マインドフルネス調和法です。心に感じる苦しみは、もともと楽しみをもたらす生命の働きを根源にしています。同じ根底から湧き出た苦しみという一表現であり、また楽しみという別表現なのです。根源の生命に還れば苦しみは、楽しみに変ります。厳密に言えば、苦もなく楽もない世界、苦楽を産み出す純粋世界です。釈尊の覚知・叡智の光はそこまで届いていたと思われます。その悟りの働きを弟子たちはブッタ・覚者・仏と言葉で表現しました。
釈尊はあらゆる病を治した医王と言われています。釈尊に会った人たちが病を治せたのはなぜでしょうか。苦からどのように解放されたのでしょうか。それは釈尊が森羅万象を貫く生命現象と、その目に見えない働き・性質を貫く法を覚知され鏡に映すように、病者の生命を明らかに見たからです。
あたかも太陽が昇れば、その光で地上の闇がなくなり一切が照らし出されるようなものでした。
物質科学の物理・天文、量子力学等は、あくまで物質を貫く法則の覚知です。全ての存在物は、光であり、電気であり、波であり、粒子であると覚知されたニコラ・テスラ博士も、可視化できず分析できない心的(神のような働き)に対しては、あまり語っていません。
釈尊は自分という存在(人のかたちをした肉体と思考したり感覚したり心を持つ不思議な存在)を通して、壮絶な禅定・三昧(瞑想)を繰り返され、分析知の及ばない心の働きを言葉を超え、ありのままの世界の働きそのものになりきったのです。(比ゆ的に言えば、波長と振動、周波数の重ね合いのようなものが起きたといえます)
ニコラ・テスラ博士やアインシュタイン博士や偉大な科学者たちが、かいま見た宇宙の諸現象を現象たらしめている見えないが確かに存在する不思議な法。その全体を直観智されたといわれる釈尊の世界…生命と生命が共振・共鳴・合奏したかのような世界に周波数をあわせることで、あらゆる生物や人も安穏安心、喜びのリズムを奏でます。その接近法がマインドフルネス調和法です。
マインドフルネスはアメリカ発祥です。1990年アメリカのジョン・カバットジン氏の著書が日本で翻訳されたもの「生命力がよみがえる瞑想健康法ーこころとからだのリフレッシュ」から始まっています。その後、カバットジン氏は幾多の実践を得て15年後に「マインドフルネスストレス低減法」と改定されたものが本となり、日本に広まりました。同時にアメリカでも、ジョン・カバットジン氏の実践にヒントを得た精神医療関係・心理学者たちの実践によって展開応用されたものが、マインドフルネス認知療法です。前ブログでもマインドフルネスについて説明していますので、ご覧になってみてください。
日本に紹介されたマインドフルネスについて簡単に説明します。
仏教者、鎌倉時代の道元(比叡山で天台宗の妙法蓮華経を中心に修行、その後中国にわたり、禅を修行、日本に戻り自身の悟りを「正法眼蔵」として完成、亡くなる前は法華経如来神力品の一部と妙法蓮華経を読誦、書写したと言われている)の禅をカバットジン氏が日本で修業され、禅の瞑想にヒントを得て独自に開発されたのが、マインドフルネスです。つまり道元の教えの現代的展開です。当初は「苦痛から解放」が目的でしたが、徐々にあらゆる精神疾患にも適用されるようになりました。そして、効果が証明されています。鬱に有効な認知行動療法で治癒できない、遷延化(長引いた)された鬱に有効とも言われています。
〇具体的な実践法
・瞑想とは、今の瞬間を評価せず、意識を目的に集中し、その心をありのままに体験すること
・呼吸瞑想
・ボディスキャン
・ヨガ瞑想
※カバットジン氏の瞑想では、自動操作状態の意識から、今に意識を集中して評価せずに生きるという方法です。
体得は、もちろん仏教の禅の修行が求められ、自己本来への絶対的な信と忍耐が必要です。だから修業なのです。カバットジン氏は、今なを上記3つの修行はされていると聞いています。ノウハウものでは、けがをして、何も得られず終わるからです。つまりヨガ瞑想とは日々更新する生命活動を最高なものに合わせて生きるという修業なのです。
〇マインドフルネス認知療法
今の瞬間の意識、認知を過去からの流れから、今現在の新しものとしてとらえる認知に変えていく方法です。やはり、体得には修行が求められます。
なぜなら、マインドフルネス自体、カバットジン氏が禅の修行から得たものですから、当然同じ道を歩むことが体得には求められます。楽をして得られるものはありません。苦を受け入れ、その解放には、かなりの修業が必要になるからです。
最後に当室独自のマインドフルネス心身調和法の説明です。
〇マインドフルネス心身調和法 ―瞬間の生命を最高に発現させるためにー
前回のブログに説明したものは省略します。
〇マインドフルネス心身調和法で心身は蘇る
―生命は今の瞬間にしかない、その瞬間を最高の自分とともに生きるー
マインドフルネス心身調和法は、最新科学、生物学、量子力学の見解にブッタ・釈尊の法を加味したものです。マインドフルネス、認知行動療法などを包含した円融円満なもので、生命科学を基本にしています。
※ヨガの真意を実践で体得することが主眼です。体の部分と全体のつながりの実感、表層意識が深い深遠な神秘な潜在意識とつながっていることの実感体得。インドのダルマ大師は洞窟の壁に向かって、9年間、禅定三昧(ヨガ瞑想)され、悟りを得たと言われています。しかし、当室の瞑想は、山林や洞窟にこもってするものではなく、日々の生活の中で実践するものです。それがマインドフルネス心身調和法の特徴です。
特別講座 東洋哲学と量子力学の接点
講座4 マインドフルネス心身調和法で心は蘇る
今の瞬間に意識を本来の自分に調和させることで心の浄化が進む
①30年前アメリカのジョン・カバットジン氏が考案されたマインドフルネスの原点
・仏教の六波羅蜜(波羅蜜とは悟り)の一つ禅波羅蜜をカバットジン氏が独自に応用展開されたもの
・カバットジン氏が修行された道元の禅と瞑想について
・禅にヒントを得たカバットジン氏のマインドフルネスは西洋的分析知と東洋の直観智の融合の成果
②マインドフルネス心身調和法…カバットジン氏の瞑想を一歩深めたシランの室独自の観心瞑想
・呼吸瞑想の目的と実践
・身体観察瞑想の目的と実践
・自然観察瞑想の目的と実践
・詩読誦観心とは…意識を最高の周波数に合わせることで平穏が心の底からわきあがる
ー心の浄化で苦から解放され安心立命の意識化が始まるー
③適応とは何か
・生命活動は細胞の活動。人間は約、60兆の細胞で生きている生物。
・細胞は、代謝、増殖し環境適応している。適者生存の闘いをしている。
・神経過敏、過剰適応とストレスの関係…不安・適応障害と快適指向、過保護社会の関係
・適応も過剰適応も過去の経験と記憶から生じている
・人のもつ優れた恒常性や免疫機能にいて
・ストレスコーピングは、今を未来に向けて生きることの別名
④五つの感覚(眼識、耳識、舌識、鼻識、身識)と意識の六識で心身の内外を識る
・意識とは何か。意識を構成する感覚感受(気分、感情)と思考(言葉)
・痛みや苦しみを緩和する方法
・惰性的生、自動操作的行動から、今の瞬間に意識を集中させる方法について
・感覚や言葉という過去の記憶の反応を対処に変える。
・対処とは過去の知識を基にして思考と想像で新しく生み出すその場に適した対応力、つまり智慧のこと
・部分と全体のつながり、健康な部分の気づき、生きていることの有り難さの実感
⑤ストレスを未然に感知する方法と病気の…ほどよさの感覚の獲得について
・身体の調和
・心の調和
・環境と心身の調和
・万物の本来的リズムに合わせる方法としての名詩読誦瞑想。その音律で意識を磨くことで
心の濁りがもたらした苦の波動が、心の浄化作用によって喜びの波動に変っていく。
〇受講講座は選択制です。
家族、夫婦、親子、知人同士、一人受講も可。最大4名まで。
〇受講料 中高生2000円 大人3500円
〇各講座時間 50分 一日2講座まで申し込みできます
〇受講の申し込み方法…直接電話で予約されるか、予約コーナーから行ってください。
2024年 テーマ「崩れない幸せ郷を求めて」―量子力学と東洋哲学の接点―
講座3(上・下) 死を見つめることで、深い人生が始まる
① 人間は死んだらどうなるのか。死後の世界は存在するのか。
・「今まで死んだ人間は一人もいない。この宇宙には始めもなく終わりもない」
というニコラ・テスラの言葉の意味(20世紀の物理学者…イーロン、マスク氏など多くの人に影響を与えている)
・臨死体験者が語る「かい間見た死後の世界」
・断見(死んだらすべてなくなるという考え)、常見(死後魂が輪廻するという考え)について
② 死後の世界を2000年前に考察していた仏教の唯識哲学
・四有説… 生有(生まれた瞬間)⇒本有(現実に生きている瞬間瞬間)⇒死有(死ぬ瞬間)⇒中有(死後、次の生までの期間)
・記憶の貯蔵庫としての無意識世界のアラヤ識、そこに貯蔵された業が次の生を決定するという思想
・次の生はどんな生命体になるのか…今世の生きざま、業の集合が連続するという思想
③ なぜ生まれながら差別があるのか…天台智顗(ちぎ・6世紀、仏法理論を完成)の哲学について。
・天台智顗の生命理論…衆生世間(私たちの基本の生命境涯)、五陰世間(認知・行動・感情などの習慣化したものごとのとらえ方、反応の仕方、意識・無意識にわたる)、国土世間(住む環境の違い)という個の差別相や状態像。環境は主体の影。
・すべては自らの業の結果であり、自分という業因がもたらしたものとする哲学
④ 死を見つめ、死と向き合うことで生き方が変り、本当の深い人生になる
・生命は今の連続 瞬間は永遠 永久に今の奥底の生命が続く
・この宇宙は、はじめもなければ終わりもない、エネルギーが変化しただけというニコラ・テスラの哲学
⑤ 唯識と天台智顗の九識論
・六識(眼・耳・舌・鼻・身体・意識)と無意識…七識⇒マナ識(自己愛、自我執着の世界)、八識⇒阿頼耶識(行為の貯蔵庫の世界)、
九識⇒根本浄識(自己と宇宙につながり万物を生成する不可思議な因果律の世界)
・仏法哲学は生き方を教え、人生を最高なものにする
⑥ 今を価値的に生きる
・比較相対を超えた生き方…心の調和、バランスをはかる生き方
・価値的生き方…財、地位、学歴、名声、健康、才能を超えた心を高める生き方。逆境を乗り越えるレジリエンスの習得
・心の内面に財を積む生き方こそ本当の自己実現であり、その心の財の蓄積・善業が来世のよき生につながるという仏法哲学
・自己を向上させ、他者を守り、慈しみ、正しい生き方の中に心の安定が訪れ「崩れない幸せ郷」に至る
〇受講講座は選択制です。
家族、夫婦、親子、知人同士、一人受講も可。最大4名まで。
〇受講料 中高生2000円 大人3500円
〇各講座時間 50分 一日2講座まで申し込みできます
〇受講の申し込み方法…直接電話で予約されるか、予約コーナーから行ってください。
2024年 講座テーマ「崩れない幸せ郷を求めて」―量子力学と東洋哲学の接点―
講師 芝蘭の室 松岡敏勝
講座2 わたしたちは九つの心の世界を巡り安定しない
― その九つの世界は潜在下に存在し、今の瞬間はその一つの世界が顕在しているー
①の世界…苦しみ・地獄の世界―地下の牢獄(ナラカ)―
・生きていることが苦しい、何も見ても不幸、どうにもならないうめき声。生命力の枯渇。
・怒りがもたらす破壊の働き…自傷や他傷、殺人や戦争の原因
・焼けつくような苦しみ、求めても得られない苦しみ。強いものに巻かれる苦しみ
・苦の波長…本来の波長が失われ、逆流し、混乱し生命は限りなく疲弊し生のエネルギーを奪う
・苦の軽減法…信頼できる人に会う、話す。偉人の話に接する(読書)。自分の気持ちを書き出す。
・苦を抜く…安心できる人のそばにいると苦は軽くなっていく。苦に寄り添ってくれる人の存在が必要。
②の世界…「〇〇したい、○○がほしい」 充たされない欲望の世界-餓鬼の世界―
・欲望の過剰やとらわれ、執着に心がつながれ、不自由になり苦を感じる。
・ギャンブル依存などあらゆる依存は欲望の執着がもたらしている
・飢餓的欲望の波長…一時的に速度を増し、竜巻のように自己破壊を伴う
・欲望の執着を明らかにて欲望を昇華する。ほどよさの感覚を身につける。欲望を人間性の向上、願望の実現に結びつける。
3の世界…先を見ず目先で行動する愚かさの世界…畜生の世界
・生きるための本能、食べる、生殖活動、自分を安全に守る働き。
・弱肉強食の世界、自分の中に規範がない。
・後先を考えない本能に支配されて行動する愚かさ。
・波長は、どんよりして遅々として進む。けだるい感じ。以上の三つの世界を三毒という
④の世界…他者と比較し、常に他者に勝ろうとし、心が休まらず安定しない修羅の世界
・他人と比べ、自分が優れ、他人が劣っていると思う心。
・自分は素晴らしいと思う自己像を持ち、その自己像を壊さないためにエネルギーを費やす。
外面は善い人…仁・義・礼・知の振る舞いで本心を隠し偽り、人に諂う。素直でない。
内面と外面が異なる。偽りの自分を守り、保つためにエネルギーをつかう。心は安定しない。
・人に勝つことから、自分に勝つことへ方向性を変えることで善の方向に活かす。
⑤の世界…平穏な境地、人間らしい境涯…自分に勝つ生き方の第一歩…人間の世界
・正しい人生の軌道を歩むことによって心が安定してくる、内面化された規範に生きる。人らしさを保つには努力が必要になる、人間を超えたものに畏敬の念を持ち、尊敬することで自分を豊かにする。「三帰五戒…人間らしい生き方」は人に生れると唯識哲学は教える。
・欲望のコントロール、抑制する努力、倫理や道徳を守る。教育によって、人は人になる。教育が大事になる。
⑥の世界…欲望が充足された喜びの世界…天の世界
・人々は天を仰ぎ、敬い、憧れた。 自分に打ち勝つ先に得られる喜びの世界。
・欲望世界・色界・無色界…三界無安、火宅のごとし。五衰を受ける。
⑦の世界 反省、内省的自我…諸行無常を探究。存在の有無、真理を追究し自分を高める世界
一切のもの、一切の生物、人、社会に学び、人間完成を目指す心。見えないが確かに存在する心を見る。空や縁起を学ぶ。
⑧の世界…「空」を悟る境涯。諸法は無我と悟る。色即是空を悟る世界。アインシュタイン、ニコラテスラ、ニュートン、アリストテレス、ゲーテ
諸菩薩などの覚りの世界。
⑨の世界…他者を守り、支え、育む慈悲・愛の心に満ちた世界。自然や宇宙の根本法則、慈悲の周波数に自分の周波数を重ね合わせるようにして生きる。…菩薩の世界
その慈悲の周波数に生き続けるとき、あらゆる生命、人間は本来の調和を奏で最高の自分を発揮し充実し安定する。真の幸せ郷に至る。
〇受講講座は選択制です。
家族、夫婦、親子、知人同士、一人受講も可。最大4名まで。
〇受講料 中高生2000円 大人3500円
〇各講座時間 50分 一日2講座まで申し込みできます
〇受講の申し込み方法…直接電話で予約されるか、予約コーナーから行ってください。
2024年 講座テーマ「崩れない幸せ郷を求めて」10講座―量子力学と東洋哲学の接点―
講師 芝蘭の室 松岡敏勝
講座1 自分を正しく知ることが安楽の第一歩
① 私たちが意識できる世界は1%以下 無意識活動が99%以上の心身の活動
・身体は細胞の集まり。1㎜以下の受精卵が分裂し数10兆個の細胞になった私たち。
・身体の不思議…消化器系、循環器系など体のすべての機能。
・身体の極微は素粒子で振動している、皮膚は呼吸しバイオフォトンを放っている。
・身体の恒常性について…免疫、自然治癒力
・身体は調和であり、リズムであり、日々更新し、すべてつながっている。
・自分の身体の働きに感謝の心が湧くとき、幸せを感じることが出来る。
②心はどこにあるのか
・意識とは何か、五感覚と意識について
・脳と心の関係。神経とは心の通り道という意味。
・意識と潜在意識の関係 潜在意識は記憶の貯蔵庫、 夢、眠り、多重人格現象、トラウマ
・記憶と脳、 記憶には意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、プライミング記憶などがある
・身体も記憶する
③私たちの生命は身体と心が相互関係にある
・身体の病が心の落ち込みにつながる、心の病が身体不調につながる
・認知、感情、生理、行動というつながりを活かす認知行動療法。
・不登校の頭痛、腹痛 身体表現性障害など
・心身が深いものにつながっていることを想像することで幸せを感じることができる
④痛み、苦しみ…反応から対処へ…マインドフルネスの心を活かす
・痛みや苦しみは不調和のサイン、そのサインを読み取ることが健康への第一歩になる
・痛みや苦しみを苦悩にしない。痛みは想像の産物
・痛みを受け入れることについて。
⑤心身を支えている見えない不思議な働きに、心の波を合わせて生きるとき喜びを感じる
・今を惰性にしない、今を無意識の自動操作状態にしない
・今の瞬間を意識して集中する。今を丁寧に誠実に生きることで未来を拓くことができる
―想像力は知識より大事である。知識には限界があるが、想像力は無限である―アインシュタイン
〇受講講座は選択制です。
家族、夫婦、親子、知人同士、一人受講も可。最大4名まで。
〇受講料 中高生2000円 大人3500円
〇各講座時間 50分 一日2講座まで申し込みできます
〇受講の申し込み方法…直接電話で予約されるか、予約コーナーから行ってください。
2024年 講座テーマ「崩れない幸せ郷を求めて」10講座―量子力学と東洋哲学の接点―
講師 芝蘭の室長 松岡敏勝
〇対象 中高生から大人まで
〇受講講座は選択制です。
家族、夫婦、親子、知人同士、一人受講も可。最大4名まで。
〇受講料 中高生2000円 大人3500円
〇各講座時間 50分 一日2講座まで申し込みできます
講座1 自分の心身を正しく知ることが幸せの第一歩
・私たちが意識できる世界は1%以下 無意識活動が99%以上の心身の活動
・心はどこにあるのか、意識とは何か。五感覚と意識の関係
・意識と無意識の関係。意識とは記憶なのか。
・私たちの生命は、体と心が関係しつながっている。認知行動療法の心。
・痛み、苦しみは不調和のサイン。痛みや苦しみに学ぶマインドフルネスの核心。
講座2 わたしたちは、九つの世界を巡り安定できない
・なぜ幸せは長続きしないのか、五つの感覚と意識が求める結果を知ること
・怒り、渇愛的欲望、自己執着愛、快を求める心、人より優れたい欲求…その過剰と偏りが苦を招く
・不安定から安定の道…それは中庸的生き方、心の調和を保った程よい感覚の修得にある
講座3 私たちは必ず死ぬ存在…死を見つめることで本当の人生が始まる
・「これまで存在した人間で死んだ人はいない」と言ったニコラ・テスラの言葉の真意は
・臨死体験者が語る「かい間見た死後の世界」
・死後の生命を2000年前に考察。行為の貯蔵庫としてのアラヤ識を発見した唯識哲学
・死後、次の生はどんな生命体になるのか…今の我が連続するというエネルギー不変の法則
・比較相対を超えた価値的生き方…探求…財、地位、学歴、名声、健康、才能を超えた生き方
・心に財を積む生き方、人を慈しみ、守り、愛する生き方。自己実現の道、逆境を乗り越えるレジリエンス力
・自己を向上させ、他者を守り、慈しむ生き方に真の安定がもたらされる
講座4ストレス低減法・メンタルヘルスの維持をはかるマインドフルネス
・30年前アメリカのジョン・カバットジン氏が考案されたマインドフルネスの原点を解説
・痛みや苦しみを緩和し、感覚や意識の反応から、対処に変えていく方法
・惰性的意識、自動操作的意識を乗り越え、今の瞬間に集中して生きる方法について
・呼吸瞑想、身体観察で自分の潜在意識の根源につながるとは
・ストレスとは何か、神経過敏、過剰適応について
・人のもつ優れた恒常性や免疫について
・ストレスを未然に感知する方法と予防について
・ストレスコーピング(対処法)について
講座5 人間関係力を身につける…さわやかな自己表現―アサーション力の習得
・人間理解を深める、自分を知る、相手を知る、主観と客観、メタ認知の力を身につける
・自分の感情・精神状態によって相手の見方は変る、相手を知り心の波長を合わせる方法
・コミュニケーション力を身につける…自他尊重の表現力の修得、言葉の表現、非言語的表現を磨く
・自分と環境は深い次元でつながっている。自分の表現が相手を変える鏡の法則。
講座6 量子力学と東洋哲学の接点
・心の周波数には種類がある。私たちの意識はその周波数の感知に過ぎない
・私たちの細胞はバイオフォトンを出している。意識、感情とバイオフォトンの関係
・時間とは何か、死とは何か、生命の源は何なのか
・「宇宙には初めもなければ終わりもない」天才物理科学者ニコラ・テスラの言葉と
「生命は無死無終」と悟ったブッタとの共通性
・生命や宇宙を存在させている見えない力の正体をニコラ・テスラやアインシュタインやブッタは
どのようにとらえていたのか
講座7 アンガーマネジメント…怒りのコントロール法
・人間の感情の中で一番厄介で制御することが難しい怒りの正体と原因の考察
・怒りやすい性格、精神状態を変えるには考え方、受け止め方、メタ認知力、柔軟思考の修得
・怒りに対する具体的、根本的対処や改善法について
・怒りが苦しみを招き、怒りの反復が地獄につながることについて
講座8 認知行動療法・森田療法・マインドフルネスの基本について
・認知行動療法とは何か、どんな精神症状に有効か。その使い方の基本について
・認知行動療法と森田療法の共通性と活用のしかたについて
・森田療法の神経症に対する有効性について
・森田療法とマインドフルネスの接点について
講座9 うつの改善法
・うつとは何か、その主症状についての理解、気分の落ち込み、反芻思考、否定的思考や感情
無価値観、希死念慮、意欲の低下など、その対処法について
・うつに有効な認知行動療法、マインドフルネスについての概要
・重篤な鬱に10年間近く苦しみ、完全回復した妻の試行錯誤法とは
講座10 不安症、恐怖症、トラウマ、複雑性PTSDの改善法
・対人不安、強迫観念やパニック障害の乗り越え方
・トラウマからの解放などの基本について
・複雑性PTSDの理解と対処法
※申し込みは、電話080-2697-0964(臨床心理シランの室・予約専用)で行ってください。
「予約日時・対象者・講座番号」を告げてください。
不登校生徒はつぶやく
わたしたちは、この不安に満ちた 混沌(こんとん)とした世の中を
どのように生きればよいのか
学校の勉強は生きる力になるのか
何をに身つければよいのか
何を頼りにすればよいのか
生き抜く力 生きるための知恵
自分を知りたい
本当の自分とは何なのか…
知りたい…
第一章 本当の自分を生きるために
多くの人は、人の目に生き、人の評価に振り回され、親や先生、周囲の大人や社会で作られた自分を生きています。人は、環境に作られ、環境に合わせ、いつしか環境に依存し、本来の自分を生きることが難しくなります。
私たちは、本当の自分を生きることが難しいため、深い人生を生きることが出来ず、充実を感じることも少なくなります。その心の虚しさを埋めるように、私たちは、五感覚器官(目・耳・鼻・舌・身)で感じる世界が与えてくれる束の間の安らぎに身をゆだね、本来の自分から遠ざかりながら生きるようになっていきます。
その結果、私たちは、いしつか苦しみの多い人生を生きることになっています。本当の自分の心の叫びが苦しみというメッセージとなり、身心の病という結果を受けることも少なくありません。
自分らしく、本当の自分を生きるにはどうすればよいのでしょうか。
本来の自分を知ることです。この地球で自分は唯一無二の存在で、誰にも替われない個性を持った存在であることを知ることです。それが本当の自己肯定意識なのです。
この地球のどこを探しても、自分という個性をもった存在はいません。自分の顔を持った存在は、地球のどこを探して自分しかいないのです。同じように、自分の身体、自分の性格、自分の能力も、自分だけのものであり、どこにもないのです。
自分という個性は他に存在しません。ですから他人の個性と比べることはできません。この地球上で自分は誰にも劣っていません。他との比較を超えた独自の存在なのです。
「見るもよし 見ざるもよし されど我は咲くり」と作家の武者小路実篤は詠いました。
自分は自分でいいのです。誰が見ていなくても、自分らしく自分を生きればよいのです。本来の自分を知れば、人の目、人の評価も怖くなくなります。のびのびと、堂々と自分を生きることが出来るようになります。このように本来の自分を信じて生きることが自己肯定力なのです。
まずそのことを学び、そのことを身につけることが一番大事になります。
見えない心を大事にする人より